イオンは、不承不承、クスートゥスが自分の父親であることを認めました。
クスートゥスとイオンの間のパレーシアステスの場面の第3の部分は、イオンの政治的運命と、イオンがクスートゥスの息子として、また相続人として、アテネにやってくる場合に、潜在的にある政治的不幸に関することです。なぜなら、イオンを、自分の息子であると説得した後で、クスートゥスはイオンをアテネに連れていくと約束したからです。アテネに行けば、王様の息子としてイオンは金持ちで権力を持つことになることもあるからです。しかし、イオンはこの点であまり熱心ではありません。というのも、イオンは、アテネにやってくれば、クスートゥス(アテネの地元にとっては、よそ者です)の息子ですし、しかも、母親も分からないからです。また、アテネの法の下では、アテネ生まれの両親の子どもでなければ、アテネでは正規の市民にはなれないからです。そこでイオンはクスートゥスに言います。「私はよそ者で、私生児で、結局無きに等しい人間と見なされることでしょう」と。
イオンは実にリアルに自分の将来を見通します。そして、それを率直に、パレーシアステスに話します。
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