妖怪ウォッチとパワースポットを求める気持ち。今の日本人も、実は、信じられものを探しているんですね。
p98冒頭から。
宗教は、自己暗示や心理療法と協同して、ビジネスをしている人を助けます。20人のうち1人も、神を「人格の陶冶」の目的で求めたりはしません。1938年のベスト・セラー、デイル・カーネギーの『友達に勝つ方法と人々への影響の与え方』は、極めて世俗的なレベルです。当時、カーネギーの本の果たした役割は、今日の最大のベストセラー、レバーランド・N.V.ピールの『ポジティブ・シンキングの力』の働きと同じです。この宗教的な本の中では、私どもが成功に対する主たる関心事が、一神教のスピリットに一致しているかどうかなどには、問題にしません。反対に、一神教のスピリットに合致している、という、この最高の目的は、疑うことなどできないのですね。神を信頼することとお祈りする、ということこそが、成功できる能力を高める手段として、ご推薦しますよ。
まるでフロムは、一神教のキリスト教かユダヤ教を伝道しているかのようですね。でもね、必ずしもそうじゃぁないと私は考えますよ。それはね、一神教のスピリット、それは何も特定の宗教を信じなくても、信頼を支える根源になり得る、ということです。それは揺るぎのないのに、実にしなやかな信頼の源です。それを皆さんにも知っていただきたいって言うのが、フロムの趣旨でしょうね。
妖怪ウォッチが好きな子どもたちにも、パワースポット巡りをしている大人たちにも、その信頼の源なるスピリットの悦びを知ってもらいたい、というのが、私の申し上げたいことですね。
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