現実には、資本主義の原理と人を大事にする原理が両立するかもしれない、と言うのがフロムの主張のようです。
p122の3行目から。
しかし、こうは言っても、現在の社会システムがずっと続くと期待できるだとか、同時に、自分の兄弟を大事にする理想が実現しそうだと希望することができるだとか、などと言いたいわけではありません。現在のシステムの下では、人を大事にする能力は、必然的に例外的です。人を大事にすることは、現在の西洋社会では、必然的に、取るに足らない現象です。多くの職業が人を大事にする態度を許さないからじゃぁなくて、モノを生産することを優先する精神の故に、商品に飢えた社会は、同調主義を是としない人だけしか、モノを生産することを優先する精神に抗して、自分を上手に守れない社会になっているんですね。
人を大事にすることは、今どきの社会では難しい。モノを生産することを第一にする精神は、ほとんどの人を飲み込んでんですからね。そうしなくては、なかなか暮らしが成り立ちませんしね。システムの同調せずに生きることは、今の世の中では非常に厳しい。個人よりも、システムが圧倒的な力があるから、個人はほとんど無力だからです。
同調主義を是としない、ほとんど例外的な人だけが、開明的に、人を大事にすることを、日々の生活の中でやっているのかもしれませんね。
システムを「より人間らしくしていくためには、今よりもはるかに意識的態度が必要ですね。
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