土佐レッドアイ

アカメ釣りのパイオニアクラブ

2011年新堀川生物観察会

2011-10-09 17:38:00 | 高知の宝「浦戸湾」
 2011年10月9日、恒例の新堀川生物観察会が開かれました。昨年は潮回りが悪くて調査ができませんでしたが、例年の行事としておこなってきて今回で8回目となります。
 観察会をするたびに、高知の自然の豊かさを実感しています。本当に高知はすごい。
 未だ高知市は残された新堀川にフタをして道路にしようという欲望を捨て切れてないと聞きます。大赤字の財政のことを考えてもらいたいものです。
 道路などどこにでもあるのですが、都市のど真ん中、はりまや橋から数百メートルの所にある新堀川は、シオマネキが道路から観察できます。アカメやスズキ、チヌなどが観察できます。世界中さがしてもこんな都市はどこにもありません。まさにオンリーワン! ただの道路にするなどとはなんともったいない。

 高知は自然を自慢すべきで、道路を自慢しても笑われます。
 
 




 町田吉彦高知大名誉教授がコアマモ(高知県の絶滅危惧種)やシオマネキのことなどを解説しながらみんなで橋の上から豊かさを満喫しました。


 左手前の四角い建物は四国銀行、その先の丸い建物がかるぽーと

 わずかに残った新堀川は、まさに都市のオアシスです。


 採集したアカメたちは横堀公園の東屋で観察会


 アカメの幼魚たち(10尾のアカメの子供が採集されました)。


 こちらは1センチに満たないアカメの稚魚です。それでもちゃんと目が赤い。




 参加されたみなさん、お疲れ様でした。

 アカメの子供たちも、ヨウジウオの仲間たちもお疲れ様でした。と、お礼を言って元の住処、新堀川に放流しました。

09.10.4新堀川

2009-10-08 07:30:00 | 高知の宝「浦戸湾」
 2009年10月4日、第5回新堀川生き物観察会がひらかれました。


画像:横堀公園横をかるぽーとに向かって流れる新堀川、川の中にみえる緑はコアマモ群落。



 新堀川は江の口川から新堀小学校前まで道路拡張のためその下敷きになってしまいました。
 この道路の下にはシオマネキの生息地があり、コアマモ群落のあるみごとな自然の宝庫でした。



 江戸時代、舟をつけ荷物を揚げ下ろす石の階段(がんぎ)など貴重な遺跡も埋められてしまいました。
 道路をつくるため絶滅危惧種であるシオマネキは拉致されてどこかに捨てられ(移殖という説明)てしまいました。また同じように絶滅危惧種であるコアマモは引っこ抜かれ(移植という説明)てしまいました。
 いまどきこれほどの乱暴な公共工事というのは聞いたことがありません。さすが高知の土木事業というのはすごい。立派なものです。

 絶滅危惧種への、こうした方向を示した学者たちの専門家会議というのもすごい。ここまでやってしまうともう「お見事!」というしかありません。みなさんは「御用学者の鏡」として後世まで、歴史に残ることでしょう。


 画像:巣穴から出てこようとしているシオマネキ

 これほど痛めつけられたのですから心配していましたがそこはどっこい。昔のまま、わずかに残されている新堀川にはコアマモ(一番上の画像参照)もシオマネキも立派に生きていました。

 

 橋の上からシオマネキを観察、右岸にも左岸にもシオマネキはおりました。8匹以上を確認。望遠鏡でかわるがわる覗いてお食事の様子などを見せてもらいました。またコアマモ群落を見ていると色々な魚が泳ぎ、ときには大きなボラ、スズキなどが姿を見せてくれました。びっくりするほどたくさんいたのはマハゼです。時間があればハゼ釣りを楽しみたいと思ったものです。そして、圧巻はエガニ。茂ったコアマモのなかから全身を現し、観察しているみんなをびっくりさせました。
 「で でかい!」。
「あれが1キロ1万円!」など下世話な声も。


 画像:左から阪元匡祥さん、筆者、成川 順さん
 
 豊かに茂った海草コアマモの中をネットで探り生き物を採集しました。一番多かったのがガンテンイシヨウジというヨウジウオの一種、準絶滅危惧種とされているギマが2匹、またカワアナゴも。アカメも次々ととれました。


 画像:採集された生き物を覗き込む未来の自然科学者?

 採集した生き物の同定をしてくれたのは2006年の第一回目から参加し、高知大学学生のときから町田先生のもとで浦戸湾の魚を研究テーマにしてきた阪本匡祥さん。
 「これは何?」「これは?」「これは??」子供の疑問に丁寧に答えていました。


 画像:いつもの逆立ちのポーズをとったアカメのこども


 画像:中央手前で斜めにポーズをとっているのがガンテンイシヨウジ

 この日の観察会で、採集された生き物は
●アカメ(9尾) ●ヒナハゼ ●シマイサキ(スミヒキ)●ガンテンイシヨウジ ●ミズクラゲ ●カワアナゴ ●ギマ ●ウシエビ ●マハゼ ●アイゴ ●ウロハゼ ●アベハゼ  などでした。

 視認された魚類他

●チヌ ●スズキ ●ボラ ●エガ二 ●シオマネキ8個体(♂6個体 ♀2個体) ●トビハゼなど。


 画像:放流する成川さん

 採集した生き物はすべて元の場所に放流しました。