土佐レッドアイ

アカメ釣りのパイオニアクラブ

稲へのイノシシ被害

2008-08-02 07:04:39 | 狩猟とナイフ
 ことしもまた!
 


 画像は安芸市赤野の早稲コシヒカリの棚田です。小さなミステリーサークルのような痕はイノシシが侵入し稲を食い散らかした痕跡なのです。

 被害者から7月23日にイノシシが入ったので駆除に来てほしいと電話がありました。この方は毎年々被害を受けもう5年あまり私が駆除に入っているのです。

 しかし、それっとばかり急いで駆除を始めるというわけにはいかないのです。手順があります。先ず市役所に被害届をだし、それから担当官が現場を見に来て被害を確認し、写真を撮影し駆除の許可を出すかどうかを役所で判断してから、駆除を始めるとなると猟友会に駆除を依頼、猟友会の中の担当地域の駆除隊の隊長に連絡、それから隊員が腕章と許可証を受け取り、その後いよいよ駆除が始まるのです。

 被害届を提出してから数日かかります。

 今回は25日に隊長から私に許可証を届けてくれました。これは早い方です。

 この間、田んぼはイノシシにやられっぱなしです。被害者は田んぼの周りに杭を打ちネットを張り巡らしました。しかし、ネットを食い破られて侵入されたそうです。

昔はイノシシ対策も簡単でした。

 ●散髪屋さんで髪の毛をもらってきて田んぼの周りにまいておく。
 ●貰って来た髪の毛を中途半端に焼いて臭くしたものを回りに撒く。
 ●杭を打ってネットで囲む。
 ●杭を打ってトタンを打ち付け囲む。
 ●トタンでは高さが足りなくなりトタンの上に高さを補充するためネットを張る。
 ●トタンとネットでは効き目がなくなりトタンとネットの外側に2重に杭を打ち1.5メートルほどの高さで古ビニールで取り囲む。
 ●夜中に目覚まし時計で起きて花火をならして回る。
 ●イノシシの侵入道近くで一晩中ラジオを鳴らしておく。
 ●田んぼの四方に軽四、トラクター、などを配置しラジオを大音量で一晩中鳴らし、ライトをつけ、ウインカーをちかちかさせておく。
 ●犬に夜警をたのんで夜は勤務してもらう。

 全てやりました。

 駄目でした。効き目は長いもので数日でした。



 イノシシはこのようにモミを銜えてしごき取り食べます。被害はそれだけでなく彼らはヌタをうつのです。田んぼと稲はどろどろ、収穫は激減です。

 駆除の依頼が来ると、「田んぼの周りに柵(ネットやトタン、鉄筋メッシュ)もしてないのに、やられるのが当たり前だ、それで駆除をしてくれとはおかしい」などと変なことをいう関係者もいるようです。
 
 まったく農民の苦労も現在のイノシシのスーパー能力ぶりも判っていない人の言うこと。

 イノシシが徘徊する里山で細々と稲の栽培をしている農家はお年寄りが多いのです。棚田や山の田んぼの周りに杭を打って柵を設置する作業がどれほど大変なことか!
 その柵がほとんど役に立たないイノシシの傍若無人ぶり。

 今年も知り合いの農民は山の田のなかでは広いで面積であった先祖伝来の田んぼに稲を植えることを止めました。毎年々、イノシシの被害を受けとうとう耕作意欲がなくなったといいます。

 米価は安い、肥料や燃料等値上がりの中、イノシシが耕作放棄に拍車をかけます。

 数十年前まではイノシシ等私のまわりでは動物園でしか見ることはありませんでした。山のてっぺんまでサツマイモを作っていたのです。
 
 柵なしでです。