土佐レッドアイ

アカメ釣りのパイオニアクラブ

標識放流-497号(本年7号)=再々捕

2019-06-23 07:33:00 | アカメ調査室

 またもやビッグニュースです!!
  2018年10月7日、香川県在住の小笠原圭太さんが釣って標識放流した130㎝のアカメが、今年5月29日、ヒデはやしさんによって再捕獲され、ここでお知らせしていました。ヒデはやしさんが再捕された魚体は132㎝に成長していました。
 その同じアカメが6月13日、またも釣られました。再々捕獲です。
 釣られたのは、高知市在住の中川大輔さん。


 アカメに付けられていた標識によりそのことが判りました。


 これまでも、多い捕獲例は5回というのもあります。
 数回捕獲されるという例は大型魚が多いという傾向がありますが、まだ数例ですので傾向があるという事しか言えません。
 これまでの再捕獲で確実に判った事は、「アカメは強靱である。リリースはきちんと行えばアカメにはとても有効である。」ということです。
 インターネット上でアカメの死骸が浮かんでいるショッキングな画像が何度も紹介されたりして、リリースの有効性に疑問をもたれている方もいるようですが。

 アカメと自然を豊かにする会事務局長上杉一臣さんは同会の岡田 勝さんとともに百数十尾のアカメの標識放流を行ってきています。その上杉さんがリリースについて書かれた文章を下記に紹介します。

 〇アカメをキャッチしてからリリースまでの流れ(私の場合)
 直接お会いした方には、既にお話したことがあると思います。アカメが大きいほど当然その体は重くランディングが大変なので、自分が水面に近くなる足場の低い場所、できればウェーディングしての釣りを心がけています。
激しいファイトの末に体力を使い切ったアカメを浅瀬へ誘導しランディングします。まず、フィッシュグリップで下アゴを掴み、必ずプライヤーを使いルアーのフックを外します。(突然暴れてフックが自分に刺さらないように)
フックを外したら、ストリンガーを下アゴの膜の部分に穴をあけて通します。(ロープなどをエラへ通すのはNGです。(エラを傷つけてしまう為。)
すぐに蘇生に入ります。口を拡げエラに水を通してあげてください。クタクタに疲れた状態ですので、自力で体を起こせない場合は軽く手を添えて(魚体が傷付かない程度に)アシストしてあげてください。次第に各ヒレを動かし自らの力で体制をキープできるようになります。そうなれば、少しロープを伸ばしてアカメが落ち着くところで休ませます。
その間に写真撮影の準備をしながら、自らの呼吸も整えます。特に初めてのキャッチの場合、自身も興奮のあまり酸欠になりがちです(笑)。この間、しっかりとした強度を持ったストリンガーで繋いでないと、逃げてしまうことがあるので要注意です。(ストリンガーを外して逃げられた話は絶えません。)
 サイズを測る場合、魚体が出来るだけ傷付かないように、摩擦の少ないブルーシートの使用をオススメします。
 アカメの体力が戻ったところで、シートを濡らしゆっくりとアカメを手繰り寄せシートの上に寝かせメジャーで計測します。デザイン魚拓を作りたい場合は、できるだけ迅速に魚全体、頭部のアップ、胴体のアップ、尻尾のアップ、各ヒレのアップの写真を撮り、アカメを再び水中へ戻します。
 次は、自分も入水しアカメと記念撮影です。写真を撮ってくれる優しい仲間がいるので釣れた時は甘えさせてもらっています。水に入ることでアカメへのダメージが少なく済むことに加え、撮影の瞬間だけ持ち上げれば良いので魚の重さからも多少なり解放されます。水に入れない場合は弱らない様に急ピッチで撮影する必要があるので、入れる場所の方が気持ち的にも時間的にも余裕が持てるので楽です(特に綺麗な写真を残したい方にはオススメです)。
 アカメは大きいと非常に重量があり(80㎝後半で10㎏に達する個体も居ます)、グネグネ動いたりすると慣れない内は非常に持ち難い魚です。 持ち方の例としては、片方の手で下アゴの根本付近(一番厚みのある部分)をしっかりと持ち、もう片方の手で内臓の後端である肛門付近を支えます。この部分には、ちょうど尻ビレの最前列にある太く短い棘がありますので、くれぐれも怪我をしないように棘を畳むようなイメージで手を添えます。相手は生き物ですので、怪我をしないように慎重に行ってください。(ザラザラした歯や鋭い棘で怪我をしないようにグローブの着用をオススメします。)
 撮影が終わったら、いよいよリリースします。
 水中のアカメは大変美しく、何度見ても惚れ惚れします。その美しさをしっかりと記憶に焼き付け、釣れてくれた感謝の気持ちを胸にゆっくりと放します。
 悠然と泳ぎ去る姿を見ていると、色々な感情が駆け巡ります。なかなか釣れず、苦しかった日々のことや、壮絶だったファイト。アカメやフィールド、仲間への感謝の気持ちなど・・・。釣れる時は、あっさりと釣れてしまうアカメ。しかし大半は、なかなかヒットせず苦戦を強いられることが多いものです。一匹のアカメとの出会いで、全てが報われます。
 以上が私のキャッチからリリースまでの一連の流れです。この釣りにハマると、私のようにマニアックな方向に走る方も少なくありません。アカメのことを勉強し、経験を積むことでアカメの強さや弱さが少しずつ見えてきました。
アカメが他の魚に比べるとタフであるなら、尚更のこと丁寧に慎重に接することでリリース後の生存に「確かな自信」が持てる。そう考えるようになりました。
 アカメ釣りは特に、マニアックな釣りの代表格です。私以上にリリースに拘っている方も居ます。その理由として、アカメが持つ風貌、希少性、簡単には釣れない難しさなど、魔性の魅力を持った「奇跡の魚」であることが、自然とそうさせているのだと思います。アカメにどっぷりとハマった人には、知らない内に「アカメ愛」が芽生えているものです(笑)。
 〇終わりに
 最後に一つだけ、気をつけて頂きたいことがあります。くれぐれも自らを危険にさらしてまでアカメを気遣うことは避けてください。釣り場やその時の状況によっては、やりたいことが全てできないことも多々あります。事故が起こると大変です。ご家族や友人知人を、楽しいはずの釣りで悲しませてはいけませんし、そこで釣りができなくなっても困ります。
 無理がいかない範囲で、できることを一つでも二つでもやってあげればリリース後も生き延びていく可能性は拡がるはずです。しつこいようですが、無理は禁物です。
安全に、楽しく、思いやりを持って、素晴らしい釣りを(^^♪
よろしくお願い致します。
」以上原文のまま。フェイスブック「高知のアカメ釣りを未来へ残そう!!」より引用。


 リリースして泳ぎ去る大アカメを優しく見守る中川さん。 とても暖かい画像です。ここで使わせてもらった画像は全て上杉一臣さん提供です。


 再捕獲して連絡して頂いた方にプレゼントの再捕記念ルアーを手にする中川大輔さん。

 中川さん おめでとうございます。ご協力ありがとうございました。

 上杉一臣さん、アカメ釣りを未来に残そうと様々な活動を精力的に行っている弘瀬伸洋さんが現場に駆けつけて、放流などに協力されています。
 上杉さん、弘瀬さん お疲れさまでした。