明鏡   

鏡のごとく

水素爆発の後

2015-10-05 22:14:26 | 詩小説
水素爆発の後
誰もが手遅れだと思っていたあの日

通り抜けた汚染を
今からでも遅くはないと手を差し出すものもでてきた

ひさんを防ぐために覆う必要があると
誰もが近づきづらい中 決行された覆い作り

覆われた建屋を解体するという
ふたははずされた

みもふたもない話の続きには
希望が残ったというが

宇宙にとびでた希望には
放射能さえ栄養になる日も近いようだ

いつも手遅れ

2015-10-05 20:24:39 | 詩小説
タブッキの「いつも手遅れ」を読む。

手遅れとは、終わったことにも気づかないこと。

死んでいるのは、肉体ではなく、おそらくたましいのようなものである。

手遅れなのは、時間が戻らないこと。

タブッキの赤血球の話を読んだ後。

おろしたての包丁で指を切ってしまったこと。

血は線を描き噴き出る。死に至るほどではないが、縫いかけのカーテンの裾のところどころに赤いどっとが入る。

ぼく達はいつも手遅れだった。

集団になじまないのではなく、集団に突っ込む無謀な車にもなれないのだ。

修羅の国でも。


もしかして、手遅れになるまえであったら、どらっぐのちからをかりたものにしかわからないこともあるのかもしれないが。

ニーチェがモルヒネなしにとぁらとぉすとらをかくことはなかったし、ぼーどれーるも、みしょーもアヘン中毒。
ゆんがーはりぜるぎん酸、どりゅ・ら・ろしぇるの注射器、からっぽのすーつけーすと彼の自殺。

どらっぐの自由化を目指して戦うぼるへすもどきの書も描かれたかもしれない。

どうでもいいこと。

そんなこと。

手遅れなのだ。

時間の中では。