明鏡   

鏡のごとく

安保法制に基づく初の日米共同訓練 重要影響事態を想定し30日から沖縄県沖で

2016-11-07 11:08:44 | 日記
 防衛省統合幕僚監部は21日、米軍との共同統合演習「キーンソード」(30日~11月11日)で、今年3月に施行された安全保障関連法に基づく日米共同訓練を沖縄県沖で初めて行うと発表した。日本への武力攻撃に至る恐れがある「重要影響事態」を想定し、洋上に墜落した米軍機のパイロットらを日米共同で捜索・救助する。

 米軍機の墜落を想定した日米共同の捜索救助訓練は、重要影響事態法に改められる前の周辺事態法の下でも行われていたが、改正後は初めて。

 重要影響事態法は自衛隊の活動に地理的制約がないことを明確にしたほか、発進準備中の戦闘機への給油などの後方支援も可能としている。

 来月7日に航空自衛隊のUH60中型ヘリとCH47大型輸送ヘリが米軍機パイロットを捜索・救助する訓練を予定。同月9日は米軍大型機が墜落した場面を想定して海上自衛隊の救難飛行艇や米軍のHH60救難ヘリが多数の米軍人を救助する訓練も行う。

 集団的自衛権の行使を想定した訓練は準備が整っていないとして今回は見送った。

 キーンソードではこのほか、米領グアム島などで離島奪還作戦を想定した訓練も実施する。

産経〜〜〜〜〜〜〜

九大農場跡地計画滞る 粕屋町中心部 道路予定地に「評衙」遺構 [福岡県]

2016-11-07 10:46:46 | 詩小説


 粕屋町中心部の近くに広がり、2018年度までの移転が決まっている九州大付属農場(約24ヘクタール)の跡地利用計画が停滞している。県は跡地を貫く主要地方道福岡東環状線の整備を予定しているが農場地内にある「阿恵遺跡」から700年前後に一帯を統治した役所「評衙(ひょうが)」跡とみられる建物群の遺構が出土。国史跡に指定される可能性もあり、遺跡の保存方針が固まらないためだ。

 福岡都市圏の住宅地として人口が増加する粕屋町。農場の周囲は戸建てやマンションが立つ。町は2010年にまとめたマスタープランで、移転後の跡地の南側を走るJR篠栗線に新駅を誘致し、周辺を「にぎわい拠点」と位置づける構想を打ち出していた。

 だが、14年に町教育委員会が「評衙」の発掘成果を発表して以降は議論は進んでいない。福岡市東区香椎と同市博多区月隈を結ぶ福岡東環状線のルートは「評衙」の政庁跡を通る予定だが、遺跡の保存方法によって変更される可能性もある。遺跡の上にそのまま通すのか、遺跡を公園などに整備してその上に橋を渡すか-。町と町教委、県は互いに相手の出方をうかがう。

 町「県の事業に町が直接、何かできるわけではない」(都市計画課)

 町教委「国史跡としての価値があるのか、文化庁の判断を待っている」(社会教育課)

 県「国史跡指定を待たず(考古学者らで構成する)町文化財調査指導委員会が道路のあり方について一定の方向性を示せば計画に着手できる」(道路建設課)

 環状線の計画が変われば、それに結節する道路の変更も余儀なくされる。昨年10月の粕屋町長選で跡地への企業誘致を公約に掲げて初当選した因辰美町長も、現在は明確な態度を示さないままだ。

 町教委によると「評衙」遺構は全国でも調査事例が少なく、古代の役所跡が出土した小郡官衙遺跡(小郡市)などは国史跡に指定されている。町教委は17年度中に遺跡の報告書をまとめるが、「報告書に基づき下される文化庁の判断は、18年度以降になるだろう」という。


■大宝律令前の「役所」跡 阿恵遺跡

 阿恵遺跡は、飛鳥時代から奈良時代にかけて造られた粕屋地域の役所跡。大宝律令(701年)で、それまで「評(こおり)」とされていた地域区分は「郡(こおり)」と変更されており、出土遺物などから役所は「糟屋郡」の前身の「糟屋評」時代と考えられている。

 発掘調査は2013年度、九州大付属農場のほぼ全域にあたる約22ヘクタールを対象に着手され、その一部から、役人が政務を行っていた政庁、当時の税として納められた米を保管する正倉、正倉の脇を通る古代道路の跡が確認された。

 政庁は、幅4・2メートル長さ42メートルの細長い建物数棟が、中央の広場を囲むように配置され、全体の規模は55メートル四方程度。建物の柱が据えられた穴が整然と2列に並んでいる。計15棟が見つかった正倉は、米の重さに耐えるため、政庁よりも大きな穴が狭い範囲に密集し、建物全体を多数の柱で支える構造だったとみられる。

 阿恵遺跡の特徴は、政庁と正倉がセットで見つかった点。市街化されず農場として残されていた土地を、広範囲に一度に調査できたためだ。全国の類似の遺跡の多くが「郡衙(ぐんが)」であるのに比べ、それより古い時代の「評衙」である点も注目される。

=2016/11/06付 西日本新聞朝刊=