月が近くなった。
35年くらい前も70年前も同じような月だったらしい。
戦いは終わった。
目の前の月が黒い闇に隠されているように。
向こうにはある月の光が朧に映る。
私の血はとっくに流されていた。
あの月の手前。
戦いは終わっていなかった。
月が遠のくように、血が薄くなる。
一滴の檸檬を丸いガラスのコップに絞りだすように。
ぼんやりと見ていた。
血が流れていくように、うすらぼけた空に落とされた赤い爆弾。
月が近づくごとに流される血の濁りは私の中の戦いの後。
月が近づくごとに剥がされていく私の血の名残。
内から死んでいく私の皮膜。
いらんこと言うな。
戦いがあったのはあそこでのこと。
見えないところで起こされた戦いはニュースにもならん。
黙っておればいいのだ。
内での戦いと空から落とされた爆撃機の爆弾はあそこでのこと。
ここにはないのだ。
楽しんでおればいいのだ。
内でのこと。内でのこと。
あなたには関係のないことなのだ。
歌えばいいのだ。
思い切り愛と調和というものを。
35年くらい前も70年前も同じような月だったらしい。
戦いは終わった。
目の前の月が黒い闇に隠されているように。
向こうにはある月の光が朧に映る。
私の血はとっくに流されていた。
あの月の手前。
戦いは終わっていなかった。
月が遠のくように、血が薄くなる。
一滴の檸檬を丸いガラスのコップに絞りだすように。
ぼんやりと見ていた。
血が流れていくように、うすらぼけた空に落とされた赤い爆弾。
月が近づくごとに流される血の濁りは私の中の戦いの後。
月が近づくごとに剥がされていく私の血の名残。
内から死んでいく私の皮膜。
いらんこと言うな。
戦いがあったのはあそこでのこと。
見えないところで起こされた戦いはニュースにもならん。
黙っておればいいのだ。
内での戦いと空から落とされた爆撃機の爆弾はあそこでのこと。
ここにはないのだ。
楽しんでおればいいのだ。
内でのこと。内でのこと。
あなたには関係のないことなのだ。
歌えばいいのだ。
思い切り愛と調和というものを。