関東周辺の温泉入湯レポや御朱印情報をご紹介しています。対象エリアは、関東、甲信越、東海、南東北。
関東温泉紀行 / 関東御朱印紀行
■ 二の平温泉 「翠の宿」 〔 Pick Up温泉 〕
二の平温泉 「翠の宿」
住 所 :神奈川県足柄下郡箱根町二ノ平1077
電 話 :0460-82-2715
時 間 :9:00~17:00(要時間確認) / 不定休
料 金 :550円
■ 紹介ページ (箱根全山)
■ 紹介ページ (箱根・ニノ平小涌谷地区飲食店組合)
二ノ平温泉は昭和38年にボーリングを開始した箱根ではわりに新しい温泉地。
源泉は10本以上ありますが、確認した範囲では主力源泉は「亀の湯」でつかっている宮城野第28号で、ここもその源泉をつかっています。
強羅駅から小湧谷へ抜ける道沿い、「亀の湯」のトイ面にあるこぢんまりとした温泉宿。やませみさんのレポ情報で、非加水かけ流しということでいってみました。
【写真 上(左)】 入浴した左の浴槽
【写真 下(右)】 もうひとつの浴槽
木造の民家風の建物。すっきりとかたづいた館内は湯治宿の趣。
浴室はちいさなものがとなりあってふたつで、左のほうに貸し切りで入れました。
浴室は狭いですが、窓を開けられるので湯気は抜けます。
【写真 上(左)】 カラン
【写真 下(右)】 投入湯
源泉カランと水カランがあり、源泉カランはホースをつけて注入状態にしてあります。
タイル貼2人の浴槽に槽内吸湯はなく、全量を潤沢にオーバーフローの文句なしのかけ流し。
訪れたときは少量注入ながらゲキ熱、湯もみで対応。なお、源泉カランはMaxで15L/min程度ほども出ました。
カラン1(たぶん温泉、水カランはなし)、シャワー・ドライヤーあり、シャンプーなし。土曜12時で独占(貸切)。
【写真 上(左)】 渦を巻く内床の排湯口
【写真 下(右)】 湯色
無色透明のお湯は、微芒硝薬味+微苦味でかすかに芒硝臭。
陰イオンの成分構成は複雑ながらキシキシとよわいとろみを帯びた硫酸塩泉の浴感。
熱湯のせいもありますが、ビシっときてすっきりとあたたまります。
寝起きにはいったらきもちよさげなお湯。
正直、北毛あたりの硫酸塩泉などにくらべてインパクトはよわいような気もしますが、硫酸塩泉の特徴が出たなかなかの実力派です。
このお湯に非希釈かけ流しで鮮度よく入れる”箱根の良心”のようなお宿だと思います。
〔 源泉名:宮城野第28号 〕
Na-塩化物・硫酸塩・炭酸水素塩泉 70.0℃、pH=8.6、湧出量不明、成分総計=1120mg/kg
Na^+=258mg/kg、Cl^-=232、SO4_2^-=169、HCO_3^-=195、メタけい酸=184、メタほう酸=9.27 <H10.12.7分析>
<温泉利用掲示>
加水:なし 加温:なし 循環:なし 消毒:なし
〔 2011/05/08内容補強のうえUP (2007/7/20レポ (2006/01入湯)) 〕
E139.3.10.960N35.14.22.520
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■ 大平台温泉 「山楽荘」 〔 Pick Up温泉 〕
大平台温泉 「山楽荘」
住 所 :神奈川県足柄下郡箱根町大平台601
電 話 :0460-82-2930
時 間 :要事前確認
料 金 :500円
■ オフィシャルHP
■ 紹介ページ (箱根全山)
箱根温泉郷、塔ノ沢と宮ノ下のあいだにある大平台温泉。
箱根細工の名産地として知られたこの集落はながらく温泉をもっていませんでした。
昭和24年、地元の有志たちによって宮ノ下地区で温泉を掘り当て引湯を開始、昭和37年には大平台地区内の早川河床でついに地区内泉源を得て、現在では地区内のいくつかの源泉と宮ノ下からの引湯の混合泉が「箱根大平台温泉組合供給温泉」として共同配湯されています。
なお、以前レポした「対岳荘」は、自家源泉使用です。
ここはなんといっても共同浴場「姫の湯」が有名ですが、ここのお湯はどうもピンとこなかったので、小さな湯宿を攻めてみました。
【写真 上(左)】 大平台温泉街
【写真 下(右)】 大平台の住宅地図
大平台温泉街のいちばん奥まったところにひっそりとある部屋数5のこぢんまりとしたお宿。
大平台は小規模なお宿が込み入った路地に点在していてわかりにくいので、場所は下記の地図を参照ください。
アプローチはせまいですが、Pは数台分あります。
日帰り客は多くないらしく、日帰り入浴を乞うと女将さん?はちょっとびっくりした感じでしたが、すぐに「どうぞどうぞ」と親切に迎え入れてくれました。
館内はすみずみまで清掃が行き届き、気分がいいです。
【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 上手の貯湯槽
浴室はふたつあり手前の浴室に貸し切りで入れました。
浴場はちいさいので、原則貸し切りのような感じもします。
浴室のすぐ上手に貯湯タンクらしきものがみえます。
【写真 上(左)】 浴槽
【写真 下(右)】 湯口
こぢんまりとした浴室に黒みかげ石枠伊豆石貼2人の浴槽ひとつとシンプル。
石膏の析出のでた黒みかげ石の湯口から熱湯を絞り投入で、浴槽ふちから静かにあふれだし。
べつに熱湯の側面注入もありましたが、お湯の感じや掲示類からしてかけ流しでしょう。
(側注は槽内の温度ムラをなくすための撹拌用源泉注入だと思う。)
【写真 上(左)】 注入口
【写真 下(右)】 石膏の析出
カラン2、シャワー・シャンプーあり、ドライヤーなし。
休日11時で貸し切り。
無色透明のお湯はとにかく熱く、かるく50℃以上はあったかと思います。
湯もみだけではとうてい太刀打ちできず、泣く泣く冷水カランから投入。
44℃くらいにうめてからおもむろに身を沈めます。
当然入ると大量オーバーフローで、内床は池状態に・・・。
【写真 上(左)】 浴槽&オーバーフロー
【写真 下(右)】 うずを巻く内床の排湯口
よわい芒硝臭に芒硝塩味でヌルすべととろみと強いあたたまり。浴後はさっぱり爽快感。
「温泉に入った~~」という感じの力づよくもやわらかなお湯でかなり気に入りました。
お湯的には「姫の湯」よりぜんぜん上かと・・・。
浴後、「熱すぎたかしら?」と問う女将さんに「ええ、でも水入れさせてもらったので入れました。泉温があるので加熱代がかからないのでいいですね。」と応じると、「それでも配湯料がかかるので・・・。」と笑っておられました。
それにしても日帰り客も少なそうなのに、昼間から非加温源泉かけ流しとは贅沢なものです。
「姫の湯」の混雑を避けたい向きには最適な1湯かと思います。
〔 源泉名:箱根大平台温泉組合供給温泉 〕
Na-塩化物泉 67.7℃、pH=8.4、湧出量不明、成分総計=1332mg/kg
Na^+=379mg/kg、Ca^2+=27.9、Fe^2+=0.03、Cl^-=593、SO_4^2-=53.7、HCO_3^-=72.9、CO_3^2-=1.43、陽イオン計=437、陰イオン計=722、メタけい酸=141、メタほう酸=30.77 <H15.8.4分析>
<温泉利用掲示>
加水:なし 加温:なし 循環装置等使用:なし 消毒処理:なし
■ブランドグルメ
〔 辻国豆ふ店の豆腐 〕
大平台にある創業昭和30年の老舗豆腐店、辻国豆ふ店。
「豆腐は水が命」といわれますが、ここは大平台の名水「『姫の水』と源泉を同じくする水を使っていることから製品の全てを『姫とうふ』としました。」とのこと。(HPより)
その場で食べられる”おぼろ豆腐”のほか、揚げたての”がんも”や豆乳の美味しさにも定評があるようです。
〔 2010/12/12UP (2007/05入湯) 〕
E139.4.35.300N35.14.1.000
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■ 湯河原温泉 「若草荘」 〔 Pick Up温泉 〕
湯河原温泉 「若草荘」
住 所 :神奈川県足柄下郡湯河原町宮上749
電 話 :0465-62-3576
時 間 :10:00~16:00(要事前確認) / 不定休
料 金 :500円
■ オフィシャルHP
■ 紹介ページ (「どこどこ」by 社団法人小田原青色申告会)
■ 紹介ページ (ぐるなびトラベル)
■ 紹介ページ (神奈川の温泉宿(求人ジャーナル社))
【写真 上(左)】 右端の路地に入ります
【写真 下(右)】 県道からの分岐
湯河原の山手にある自家源泉の宿。
湯河原にはめずらしくPは広めで、温泉場からのアプローチも急坂なので車で攻めるのがベター。
温泉場に入る橋を左に分けてすぐの斜め右手に入る路地(入口に「亀屋」の看板、「光陽館」の裏手)を進み坂をのぼった先、住宅地のなかに見えてきます。
【写真 上(左)】 アプローチの途中
【写真 下(右)】 看板
建物の裏手に誇らしげに温泉櫓が立っていてはやくも期待が高まります。
こぢんまりとしたお宿でお宿の人も親切な感じ。
【写真 上(左)】 入口
【写真 下(右)】 ロビー
ロビーよこに浴室がふたつ。
HPによると浴室は3つ(1階の”狸の湯”(男女)と3階の”黎明の湯”)あるらしいですが、このときは「黎明の湯」には気づきませんでした。
また、ここは源泉を利用した砂風呂(2階)でも知られています。
【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 湯口のうえのタヌキ
1階の”狸の湯”のふたつの浴室は脱衣所共通だったような気がしますが、定かではありません。
正面の浴室は狭くて暗め。
【写真 上(左)】 禁断の(笑)ゲキ熱浴室
【写真 下(右)】 湯口
狭いうえに石造りのちいさな浴槽に超熱湯を大量投入しているので、もの凄い熱気の天然サウナ状態。
とてもさわれないほどの熱湯が内床にザンザンあふれだしていて、浴室に足を踏み入れることさえできません。
なんとしても湯口写真ゲットしたかったので、イスとオケを踏み石にして(^^;;)どうにか撮影成功。
浴槽に浸かるどころか、浴室に居ることじたいきびしいものがあります。
これまでいろいろなお湯に入っていますが、ここまで凄まじい浴室はここがはじめて(笑)
ということで、この浴槽の攻略は断念。
【写真 上(左)】 浴槽
【写真 下(右)】 湯口
右手にやや広めで明るい浴室。こちらは窓があけられていて熱気が抜けています。
鉄平石貼4-5人の浴槽がひとつとシンプル。
水カラン2、シャワー・シャンプー・ドライヤーなし。
土曜11時で独占でした。
白い石膏の析出がでた岩組みの湯口からゲキ熱湯を絞り投入で、槽内注排湯はなく全量をオーバーフローのかけ流し。
湯口のうえには信楽焼のタヌキが居座り、よこにはコップがおかれています。
こちらはかなり熱めながら、多少の湯もみで入れる常識的な(^^;)熱さでした。
【写真 上(左)】 洗い場
【写真 下(右)】 石膏の析出
お湯はかなり個性的なものです。
きもち緑がかってうすく懸濁し白とうす茶のこまかな湯の花が舞っていて、湯中の指先がつよく青白に発光しています。
芒硝石膏味で塩味はほとんど感じず。
芒硝臭に独特な鉱物臭がまじって、なんとよわいながらくらぶち相間川的な香りになっています。
硫酸塩泉的なきしきしとアルカリ泉的なヌルすべを感じ、後者のほうが卓越しています。
つよいとろみは、メタけい酸&硫酸塩由来か?
熱湯ということもありますが、お湯に勢いがあるのであたたまりがハンパではなく、ときおりカランの水を浴びながらの入湯。
浴槽からすぐに追い出されるが、水浴びしてひとごこちするとまたぞろ入りたくなるあと曳き湯でもあります。
濃度感もしっかりとあって、温泉場の源泉よりクセもの系で、湯河原では「南明園」とならぶキャラの立ったお湯だと思います。
しかし、浴室脇で湧く82.5℃の高温源泉を加水しないで提供するとは気合いが入っています。
お湯に対するお宿の見識は、HPの案内(下記)からもしっかりと伝わってきます。
また、こういうお宿がしっかり残っているのも湯河原温泉の底力なのかと・・・。
4ケタあたりまえの湯河原で500円は良心的だし、お湯も個性あふれるものなので温泉好きなら一浴の価値ありかと。
ただし、熱湯が苦手な方にはおすすめしませんが・・・。
〔源泉名:若草源泉(台帳番号 湯河原第156号)〕
Na-塩化物泉 82.5℃、pH=8.3、湧出量不明、成分総計=2.89g/kg
Na^+=797mg/kg、Ca^2+=170、Fe^2+=0.08、Cl^-=1290、SO_4^2-=350、HCO_3^-=57.0、メタけい酸=142、メタほう酸=15.5、遊離炭酸=0.47 <H14.11.18分析>
<温泉利用掲示>
加水:なし 加温:なし 循環装置等使用:なし 消毒処理:なし
コンコンと涌き出づる良質な源泉を濾過も追い焚きも循環もせず、
40数年間一度も止めずに使用しています。(HPより)
〔 HPより 〕
みかんの木が映える若草山の中腹に、良質で豊富な源泉のお宿がございます。
薄めず、濾過せず、巡回(ママ)せず、昔ながら、湯治旅館の本分を違えず
岩風呂・家族風呂・砂風呂と、歴史のある本物のお湯をご用意しました。
ようこそ若草荘へ。
その昔、元湯湯治旅館として多くのお客様に愛され、頑なに守られた温泉を
より多くの方に解放し、お手軽な料金でご利用いただける事が私達の本望です。
■ブランドグルメ
〔 湯河原の担々やきそば 〕
湯河原の開湯伝説にあらわれるたぬきにちなんで産み出された湯河原のご当地麺、“担々(タンタン)やきそば”。
食べたことないのですが、Web情報によると「練りごまやトウバンジャンなどを主原料とした香ばしいピリ辛の味つけが特徴」だとか・・・。
湯河原柑橘系と温泉玉子系の2系統あるのも斬新。
B級グルメブームの昨今、ひょっとして大ブレークするかも・・・(もうしてる??)
〔 2010/11/27UP (2008/11入湯) 〕
E139.4.27.830N35.8.49.328
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■ 堂ヶ島温泉 「対星館」-2 〔 Pick Up温泉 〕
前編は→ こちら
「対星館」には、男女別の大浴場、野天風呂とふたつの貸切野天風呂があって、大浴場と野天風呂はつながっています。
また、大浴場&野天風呂は時間交替制で、右手の浴場『足柄の湯』が14~19時男湯、19~翌5時女湯、5~10時男湯です。左手の浴場『五山の湯』はその逆の振り当て。
【写真 上(左)】 「足柄の湯」入口
【写真 下(右)】 「五山の湯」入口
貸切野天風呂は、対岸にある岩風呂『早川の湯』(定員7~8名)と、調べの滝を見ながら入れる檜風呂『調べの湯』(定員2~3名)のふたつで、それぞれ1,050円/40分でしたが、最新HPでは『調べの湯』だけ紹介されていて、料金は2,100円/40分になっていました。(人数によって金額がちがうらしい。)
【写真 上(左)】 「早川の湯」入口
【写真 下(右)】 「調べの湯」入口
『足柄の湯』大浴場
老舗の湯宿らしい広くて風とおしのいい脱衣所。
浴場の大きさやつくりからして、もともと男湯だったと思われます。
【写真 上(左)】 「足柄の湯」の脱衣所
【写真 下(右)】 「足柄の湯」大浴場
分析書の源泉名は「堂ヶ島温泉」、台帳番号は温泉村第98、113号混合、正真正銘の堂ヶ島の湯です。
左手に適温~ややぬるの石組み鉄平石造20人以上の大ぶりな大浴槽と右手に同ぬるめ7-8人の小浴槽。
【写真 上(左)】 大浴槽
【写真 下(右)】 小浴槽
ともに石の湯口から投入、パイプからの排湯でオーバーフローなし。
カラン7、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
【写真 上(左)】 「足柄の湯」野天
【写真 下(右)】 「足柄の湯」野天からの眺め
『足柄の湯』野天風呂
扉を抜けると野天風呂。早川の渓流沿いにあるすばらしいロケの露天です。
岩の湯口から大量投入で、手前から塩ビパイプ注入(源泉だと思う)と水を投入。
【写真 上(左)】 「足柄の湯」野天のマスコット
【写真 下(右)】 「足柄の湯」野天の湯口
槽内排湯は見あたらず、早川に向けて上面排湯。
お湯は適温~ややぬるで、中央の大岩の手前奥に熱湯注入があるらしく、そこだけ熱めになっています。
中央の大岩は露天をつくる前からここにあったものだそう。
【写真 上(左)】 「五山の湯」のあつ湯槽
【写真 下(右)】 「五山の湯」のメイン浴槽
『五山の湯』大浴場
こちらは全体にややこぢんまりとしています。
手前に檜枠石敷4-5人のあつ湯槽と、おくに石枠石敷4-5人のメイン浴槽(やや熱)。
『足柄の湯』にくらべて熱湯に設定されていて、お湯はこちらの方がいいです。
あつ湯槽は石の湯口から投入でオーバーフロー。
メイン浴槽は石の湯口からの投入で排湯は確認し忘れ。
カラン10位、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
カランのお湯はどちらの浴場もおそらく源泉と思われます。
【写真 上(左)】 「五山の湯」の野天
【写真 下(右)】 「五山の湯」野天のパイプ湯口?
『五山の湯』野天風呂
扉を抜けると野天風呂(石組み鉄平石敷10人以上)。
早川の渓流沿いにあるものの目隠しがあるので『足柄の湯』の野天ほど開放感はありませんが、そのぶん落ちつきがあります。
舟形の大きな石の湯口&パイプ?からやや熱めのお湯を投注入で排湯不明。お湯はほぼ適温です。
以上4つの浴場のお湯は大差ありません。
ほぼ無色透明のお湯にはうす茶の湯の花がうかび、湯中の指先が青白く発光しています。
よわい芒硝塩味にやわらかな石膏系の湯の香。
きしきしとヌルすべが入りまじる箱根らしい湯ざわりながら、混合泉加水のためかいまいちお湯の輪郭がぼやけているような感じがしました。
お湯は『五山の湯』大浴場のあつ湯槽がいちばんよく、『足柄の湯』大浴場の小浴槽はややなまり気味、朝の『足柄の湯』野天ではよわいカルキ臭が感じられました。
これだけだと、「悪くはないけどまあまあそこそこのお湯」でおわってしまうところですが、これに「待った」をかけたのはつぎのふたつです。
『部屋付の風呂』
24時間入浴OK。
窓がなく開放感はないものの、1人用ながら古代檜造りで部屋付き風呂としては立派。
浴槽よこの蛇口をひねると木の湯口からかなり熱い源泉が注がれるしくみで、給湯量もすくなくありません。
洗い場カランもたぶん温泉でこれは贅沢。
シャワー・シャンプー・ドライヤー完備です。
【写真 上(左)】 部屋付風呂
【写真 下(右)】 部屋付風呂の湯口
投入湯がかなり熱いので、加水するか、すこし冷まさないと入れませんが、加水しないで入ると明瞭な石膏味臭を感じるとろとろのお湯で、これはメイン浴場(『足柄の湯』『五山の湯』)とは源泉がちがうかと思うほどいいお湯でした。(ただし、掲出の分析書はメイン浴場と同じもの。)
これはわたしだけでなく家族も感じたようで、わたしは何も言っていないのに、みな口を揃えて「こっちの方がお湯がいい」と言っていました・・・(笑)。
【写真 上(左)】 「早川の湯」の脱衣所
【写真 下(右)】 上の浴槽からの眺め
貸切野天『早川の湯』
予約制で人気があるようですが、昼間の明るい時間に予約がとれました。
帳場で鍵を受けとり橋を渡って対岸の浴場へ・・・。
脱衣所の鍵を開けなかを見わたすとびっくり。
上下2段のふたつの浴槽と眼下に早川の流れをのぞむ贅沢きわまりない露天です。
【写真 上(左)】 上の浴槽-1
【写真 下(右)】 湯滝になった階段
脱衣所は東屋付で風情あり。
左手に岩組み石(コンクリ?)敷4-5人の浴槽(上の浴槽)。
岩の湯口からやや熱めのお湯を投入し、上面からあふれでたお湯は下の浴槽へおりる階段づたいに流れ落ち、一部は早川、一部は下の浴槽へ流れ込んでいます。
【写真 上(左)】 階段
【写真 下(右)】 下段から上段
下の浴槽への階段は急でお湯が流れていることもあって、上り下りにかなり気をつかいます。
岩組み石敷き5-6人の浴槽(下の浴槽)。
岩の湯口(&湯滝)から熱湯を投入で槽内排湯はなく、早川に向けての潤沢な流し出し。
【写真 上(左)】 下の浴槽
【写真 下(右)】 下の浴槽からの眺め
上の浴槽のお湯は、ほぼ適温。
ほぼ無色透明のお湯にうす茶の湯の花をうかべ、湯中の指先が青白く発光しています。
よわい芒硝塩味にやわらかな石膏系の湯の香をともないますが、湯ざわり&浴感はメイン浴場のお湯とさしてかわりはありません。
【写真 上(左)】 上の浴槽の湯口
【写真 下(右)】 下の浴槽の湯口
すばらしいのは下の浴槽のお湯です。
かなりぬるめでほぼ無色透明のお湯には茶色の湯の花がたっぷりと舞い、湯中の指先がつよく青白に発光し明瞭な石膏味臭を感じます。
きしきしとヌルすべにつよいとろみが加わるしっかりとした湯ざわりのわりに、すこぶる軽い浴感でからだへの負担がすくなく、ほてりもないのでいくらでも入れそう・・・。
【写真 上(左)】 上の浴槽-2
【写真 下(右)】 すぐ下は早川
イメージ的には湯本惣湯系の湯場共同泉に似ていますが、それよりはるかに石膏が効いている感じ。
湯質といい、湯温といい、キャラの立ち方が際だっていて、ここは他の浴槽とは別源泉の単独使用ではないでしょうか?
そんなわけでほとんど下の浴槽にいて、完璧にトリップ状態に陥り時間ぎりぎりまで粘りました(^^;)。
お湯といいロケといい、文句のつけようのない絶品の露天です。
さすがに箱根七湯のひとつ堂ヶ島温泉。
『早川の湯』下段の湯のただならぬ存在感は、あまたの温泉通をうならせるものがあるのでは。
温泉好きなら『早川の湯』と部屋の風呂はマストかと・・・。
しっとりとした和風情緒にレベルの高い料理と温泉。
値段はやや張るものの、温泉宿の醍醐味を堪能できる名宿だと思います。
Na-塩化物・硫酸塩泉 71.7℃、pH=8.5、湧出量不明、成分総計=1.507g/kg
Na^+=440mg/kg、Ca^2+=48.0、Cl^-=568、Br^-=1.441、SO_4^2-=224、HCO_3^-=54.7、メタけい酸=127、メタほう酸=19.9 <H20.3.6分析> (源泉名:堂ヶ島温泉、台帳番号:温泉村第98、113号混合)
※どこにあったか記憶が定かでないのですが、温泉村第98号単独の分析書もありました。
Na-塩化物・硫酸塩泉 81.9℃、pH=8.8、121L/min動力揚湯、成分総計=1.325g/kg
Na^+=400mg/kg (89.23mval%)、Ca^2+=37.1 (9.49)、Cl^-=475 (71.16)、SO_4^2-=192 (21.24)、HCO_3^-=58.6 (5.10)、陽イオン計=445 (19.5mval)、陰イオン計=750 (18.8mval)、メタけい酸=113、メタほう酸=17.9 <H15.12.17分析> (源泉名:堂ヶ島温泉、台帳番号:温泉村第98号)
〔 HPより 〕
■源泉について
当館では、敷地内に5本の源泉を所有し(2本は自噴泉、3本は動力井)、お部屋の内風呂を含むすべてのお風呂にこの温泉を使用しています。
源泉での温度は、49℃(自噴泉)から95℃(動力井)まで異なり、湯量は合計で毎分400リットルとなっています。ただし、湯温・湯量には変動があります。
また、湯量が充分であることと資源保護の意味から、通常はすべての井戸を稼働させておりません。
<温泉利用掲示> 〔 HPより 〕
温泉水の再使用・加熱は一切行っておりませんが、大浴場・野天風呂については冷却のために水を加えております。
豊富な湯量により、お風呂には24時間いつも新鮮な温泉を浴場にお出ししております。
温泉の加熱や循環使用などは一切行っておりません。また、客室のお風呂もすべて「源泉掛け流し」でございます。
〔 2010/10/17UP (2009/01入湯) 〕
E139.3.56.628N35.14.29.995
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■ 堂ヶ島温泉 「対星館」-1 〔 Pick Up温泉 〕
堂ヶ島温泉 「対星館」
住 所 :神奈川県足柄下郡箱根町宮ノ下72 / 0460-82-2281
時 間 :日帰り入浴不可
■ オフィシャルHP
■ 紹介ページ (じゃらんnet)
■ 紹介ページ (Yahoo!トラベル)
■ 紹介ページ (楽天トラベル)
■ 紹介ページ (ぐるなびトラベル)
■ 紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
■ 紹介ページ (BIGLOBE温泉)
宮ノ下から早川の渓谷に下ったところに堂ヶ島温泉があります。
夢窓国師の開湯伝承をもつこの古湯は、由緒正しい箱根七湯(湯本・塔ノ沢・宮ノ下・堂ヶ島・芦ノ湯・底倉・木賀)にも数えられています。
江戸時代に5軒ほどあったとされる湯宿は現在、「対星(たいせい)館」と「大和屋ホテル」の2軒。
宮ノ下から急峻な下りとなるため、対星館はケーブルカー(いまは渓谷電車)、大和屋ホテルはロープウェイでのアプローチとなり、それぞれお宿の名物となっています。
ここは子供のころに何度か泊まったことがありますが、日帰りのみ不可なので温泉に目覚めてからは未湯となっていました。
しかも、入湯済の「大和屋ホテル」が底倉から引湯の可能性があるので、正真正銘の堂ヶ島温泉にどうしても入りたくて、2009年の正月、親のスネをかじって(笑)2泊ほど泊まってみました。
【写真 上(左)】 看板-1
【写真 下(右)】 看板-2
松本清張の「蒼い描点」の舞台となり、川端康成の「名人」にも当館での対局場面が描かれるなど、文学作品と縁のふかいお宿。
ここは一時期、「花かじか」というサブネーミングを添えていましたが、いまはシンプルに「対星館」となっているようです。
【写真 上(左)】 国道沿いのケーブルカー乗り場
【写真 下(右)】 待合所
R1沿いのPに車を停め、よこのケーブルカー乗り場へ。
1930年の創業当時から動いている自家用ケーブルカーは、朱色と白に塗り分けられた箱根カラーで、延長320m、最大傾斜約30度、所要時間6分という本格的なもの。
【写真 上(左)】 ケーブルカー
【写真 下(右)】 軌道
年季入った車両のうえに、急傾斜でカーブもあるのでかなりスリルがあります。
たしか係員は乗っていなかったと思うので余計にそう感じたのかな・・・(笑)。
箱根らしいうっそりとした山肌すれすれに、心細いレールを軋ませながら早川の渓谷に向かってゆっくりと下りていきます。
途中、ケーブルカーお約束の行き違い場も見どころになっています。
【写真 上(左)】 行き違い場
【写真 下(右)】 木の間越しに温泉櫓
なお、このケーブルカーは2009/05/31をもって運行休止となり、いまはモノレールタイプ(お宿では「渓谷電車」と称している)にリニューアルされたらしい。
オフィシャルHPにはピカピカの青いモノレールの写真が載っています。
車窓から早川側の斜面に何本か見える温泉櫓は、5本あるというこの宿の自家源泉か?。
早川の谷もふかまり左に大きくカーブを切ると、綺麗な浅葱色の屋根が見えてきて、「箱根の老舗宿に来たなぁ~」という実感ひとしお。
【写真 上(左)】 もうすぐ到着
【写真 下(右)】 降り場脇の源泉
降り場は早川にかかる愛染橋の手前。降り場脇には源泉が湯気をあげつつ流されています。
愛染橋から対岸に重なる和風の建物群が見もの。
左手朱色の屋根が「大和屋ホテル」、右手浅黄色の屋根が「対星館」です。
【写真 上(左)】 ケーブルカー降り場よこの愛染橋
【写真 下(右)】 愛染橋からの二軒
愛染橋を渡り、庭園を抜け、さらに早川をふたつめの夢窓橋で渡り返してのアプローチ。
この庭園は1万坪もあり、明星ガ岳の山林につづいています。
ここには、南北朝時代の臨済宗の名僧、夢窓国師(夢窓疎石)が庵を結んだとされる「夢窓国師閑居の跡」があります。
もともとは早川対岸の対星館裏手にあったものを、40年ほど前に移築したものだそう。
【写真 上(左)】 庭園内の案内看板
【写真 下(右)】 夢窓国師閑居の跡
『世の中をいとふとはなき住居にて中々すごき山がつの滝』
堂ヶ島を詠まれた夢窓国師の歌が残されています。
また、江戸期以前にはこのあたりに石切り場があり、対星館庭園の灯篭、石橋、つくばいもここの石をつかいここで加工されたそうです。
江戸時代の箱根温泉ガイド「七湯の枝折」には、
『堂ヶ島では深山幽谷にもかかわらず、小田原の初鰹を食べ、湯女の言葉、身振りに至るまで、江戸の手振りみなれ、聞きなれ、みやびで風流である』
とありますが、あたりにはどことなくそんな華やいだ雰囲気が残っています。
(以上、旧オフィシャルHPを参考。)
【写真 上(左)】 対岸から
【写真 下(右)】 夢窓橋
国道1号からさほど離れていませんが、深い渓谷にあるので早川の瀬音のみが響く閑静の地。
箱根は交通量が多いうえに改造車が走り回るので、意外に騒音が気になるお宿もありますが、ここは喧噪とはまったく無縁です。
【写真 上(左)】 玄関
【写真 下(右)】 滝と足湯
おくまった玄関は老舗らしい格式あるもの。
玄関の裏にも庭園があり、滝と泉源?と足湯があります。
「対星館」の名は、身延山の老師宮崎海優が夢窓国師を偲んで詠まれた詩、
『遠く都塵を避れ幽邃の中/唯、嘆す自然の形勝の工/夢窓此を愛し星に対して黙す/古の風煩悩を吹き払う』
に依るものだそうです。(パンフより)
【写真 上(左)】 ロビー
【写真 下(右)】 館内
純和風の館内は小粋な意匠が効いて老舗らしい風情。手入れが行き届いているのでアメニティもまったく問題ありません。
さすがに箱根の老舗宿です。
【写真 上(左)】 館内の意匠-1
【写真 下(右)】 館内の意匠-2
早川の渓流に面したなかなかいい部屋で、料理もさすがにレベルの高いものでした。
このあたりもいろいろ書けそうですが、キリがないので温泉にいきます(^^;)
【写真 上(左)】 客室
【写真 下(右)】 箱根細工の木鉢
〔料理の数々〕
つづきは→ こちら
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■ 箱根湯本温泉 「千尺の湯 湯蔵」 〔 Pick Up温泉 〕
箱根湯本温泉 「千尺の湯 湯蔵」
住 所 :神奈川県足柄下郡箱根町湯本729
電 話 :0460-85-5791
時 間 :11:00~21:00 / 水休
料 金 :1,050円
■ オフィシャルHP
■ 紹介ページ (@nifty温泉)
■ 紹介ページ (MAPPLE トラベル)
■ 紹介ページ (楽天トラベル)
■ 紹介ページ (ぐるなびトラベル)
■ 紹介ページ (じゃらんnet)
湯本の街なかながら敷地内に自家源泉をもつ湯宿が日帰り開放するもの。
源泉は地下約300mから湧出したことから、「千尺の湯」と名づけられています。
Pはありますが台数がすくないので徒歩がベター。
また、100円引のクーポンをHPで提供しています。(以前はPをつかわないと890円になるクーポンがあった。)
玄関脇に櫓を建てて自家源泉をアピール、館内は狭めですが調度や意匠が効いて和風に小綺麗にまとめられ女性ごのみ。
食事にも力を入れていて、懐石料理の日帰りプランも充実しています。
ただ、今はどうかわかりませんが、靴ロッカーで100円返却なし(靴の置き場がないのでつかわざるを得ない)にはびっくり。
脱衣所ロッカーも同様(当然、カギはかけませんでしたが・・・(笑))、ドライヤーも有料なので、なにかとお金がかかります。
(最近のお客はこういうところにひじょ~にシビアなので、せめて靴ロッカーくらいは無料にした方が印象はよくなるのでは?)
【写真 上(左)】 内湯
【写真 下(右)】 内湯の2槽
ELVで3階にあがると浴場。
脱衣所はこぢんまり。
浴場は左手に内湯主浴槽(みかげ石枠石タイル貼6-7人)、隣りあって右手にジャグジー槽(同2-3人)、露天(岩枠鉄平石造4-5人、屋根付)の3槽。サウナがあったかも・・・?
内湯は広くはないですが窓が広くて居ごこちよく、露天は塀にかこまれ展望はないものの、風はよくとおります。
カラン4、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
土曜11時で独占。
【写真 上(左)】 主浴槽の湯口
【写真 下(右)】 ジャグジー槽の湯口
内湯主浴槽はうっすらと石膏の析出がでた石の湯口から投入+側面注入で底面吸湯+弱いオーバーフロー。
ジャグジー槽は石の湯口からの投入+側面注入+ジャグジー注入?で側面吸湯。
主浴槽とジャグジー槽は側面の穴を通じてお湯の行き来があります。
露天は赤茶に色づいた岩の湯口から投入+底面注入、底面吸湯がメインですが軽くオーバーフロー。
ガイドによっては”かけ流し”とされているものもありますが、脱衣所掲示&湯づかいをみるかぎり循環ないしは半循環では?。
【写真 上(左)】 露天
【写真 下(右)】 露天の湯口
お湯は全槽で適温。ほぼ透明で、内湯主浴槽のみこまかな茶色の湯の花がただよいます。
内湯主浴槽は弱塩味+薬品味、弱消毒臭+かすかに石膏系のやわらかな温泉臭。
ヌルすべのあるお湯は、湯ざわりやわらかで鮮度感も悪くないです。
露天とジャグジー槽はかなり強めのカルキ臭だったのでほとんど入らず。
いかにも箱根湯本らしいおだやかなお湯ですが、塩素臭が残念。
ぬる湯で無塩素かけ流ししたらさぞや入り心地のいいお湯になるかと思います。(このときは朝一の入浴だったので、塩素消毒が強めに効いていたのかもしれません。)
アルカリ性単純温泉 41.0℃、pH=8.9、湧出量不明、成分総計=0.318g/kg
Na^+=95.3mg/kg、Cl^-=93.4、SO_4^2-=53.7、HCO_3^-=36.1 <H17.5.10分析> (源泉名:湯本第42号(千尺の湯))
<温泉利用掲示>
加水:なし 加温:あり(温泉の温度が入浴に適さないときのみ) 循環装置使用:あり 消毒処理:あり
〔 HPより 〕
当館の湯は、自家所有の箱根第42号源泉で当敷地内の地下300mより湧出しております。
このため千尺の湯と呼ばれています。
一滴の水も加えていない天然の源泉でありますので、多少ぬるめでありますが、是非ゆったりとご入浴ください。
■ブランドグルメ
〔 竹いちのすり身団子 〕
湯本のメイン通りにある有名店の名物アイテム。
場所がよくマスコミ露出度も高いので、しばしば行列や売り切れが発生。
石臼でグチや鱈のすり身を練り、職人さんが一つ一つ握り油で揚げるもので、ごぼう、たまねぎなどが練り込まれているのがポイントです。
(オフィシャルHPなどを参考。)
〔 2010/10/02UP (2007/10/12レポ (2006/09入湯)) 〕
E139.6.14.137N35.13.42.967
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■ 小湧谷温泉 「箱根みたか荘」 〔 Pick Up温泉 〕
小湧谷温泉 「箱根みたか荘」
住 所 :神奈川県足柄下郡箱根町二ノ平1297-5
電 話 :0460-82-1116
時 間 :時間要問合せ・要予約 ※ 現在、日帰り入浴不可との情報あり
料 金 :250円
■ オフィシャルHP
■ 紹介ページ (@nifty温泉)
東京から近く温泉もある箱根は、ふるくから保養所や別荘の適地として注目を浴びました。
なかでも強羅や姥子下の温泉荘は第一級のステイタスを誇り、大企業や公共団体、有力自治体が威信をかけて(?)、好区画の確保に走りました。
自治体の保養施設はながらく一般開放されていませんでしたが、近年開放されるものが増え、三鷹市の保養施設「箱根みたか荘」もそのひとつです。
ちなみに強羅にある文京区(文の郷)や新宿区(箱根つつじ荘)も現在一般開放され日帰り入浴できます。
立地がいいです。
小湧谷上部の別荘地「みどりの村」内にあり、強羅とは須沢を介して隔たっているので小湧谷温泉に入ると思われます。
箱根有数の泉源地帯、早雲地獄からの距離は名湯の誉れ高い「最乗寺箱根別院」とほぼ同じで、このお湯がいかに絶妙の立地にあるかがわかります。
場所はユネッサン前から早雲山に向かう県道でパンシオン箱根をすぎた左手の道を別荘地「みどりの村」に入ったところ。
別荘地の中でもうもうと湯けむりをあげる自家源泉の櫓はなかなかの壮観。
箱根でももっとも元気のいい(笑)、泉源では?
櫓のよこには源泉カランがあり、宿泊者はテイクアウトできるようです。
(異常に熱いので要注意)
【写真 上(左)】 そびえ立つ温泉櫓
【写真 下(右)】 男湯の浴場
瀟洒なつくりの建物で、公共保養所らしく館内もよくメンテされています。
階段をおりた階下に男女別の浴室。
窓が広いあかるい浴室に、石造10人弱の入りごこちのいい浴槽ひとつとシンプル。
窓のそとはよく手入れされた庭園です。
カラン7、シャワーあり、シャンプー・ドライヤーなし。
土曜13時でわれわれのグループ(温泉みしゅらんのオフでやませみさんの先導で攻略)で独占。
【写真 上(左)】 浴槽
【写真 下(右)】 湯口
赤茶に色づいた三波石風の石の湯口からゲキ熱湯を絞り投入で、槽内注排湯はなく、たぶん全量を浴槽はしの上面排湯口から流し出すかけ流し。
湯口そばはかなり熱め、離れるとややぬるめとなっているので、好みの湯温で入浴できます。
やや翠がかった透明のお湯にはうす茶の浮遊物。明瞭な塩味に重曹味と芒硝味が加わったまろやかな味。
湯口・湯面とも石を焦がしたような一種独特な温泉臭があります。
とろみが強く、ツルすべもあるので強羅の掘削泉よりはごつごつした感じはよわいものの、本質はつよいお湯なので長湯はきびしいものがあります。
【写真 上(左)】 変色した湯口まわり
【写真 下(右)】 湯色
化石海水型のようなこれみよがしの濃度感はないですが、じわじわと攻めてくる感じのお湯で、浴後の温まり感がハンパじゃないです。
成分総計=5005mg/kgは箱根ではちょっと記憶にない濃度で、箱根屈指の濃い食塩泉という位置づけができるかもしれません。
この力づよいお湯に250円(休憩料200円+入湯税50円)という、箱根とは思えない低価格で入れるこの施設は貴重。
ただし、事前TEL予約が必要なようです。
Na-塩化物泉 88.4℃、pH=7.90、成分総計=5005mg/kg、Na^+=1540.0mg/kg 、K^+=127、Ca^2+=129、Cl^-=2700、SO_4^2-=44.2、HCO_3^-=33.7、メタけい酸=282、メタほう酸=120 <H14.7.30分析> (源泉名:宮城野第74号泉)
やませみさんの「温泉の化学」によると、「神山の北西部から強羅、小湧谷、底倉にかけての地下に3本の流れがある」とのことですが、ここもその流れの1本だと思われます。
これらの流れは他の成因の温泉流や地下水をまじえて次第に温度と濃度を減じていきますが、ここは上部にあるので、「早雲山噴気地帯直下の地下数100mの深さから(湧出)」*するという高温・高濃度の塩化物泉(第III帯 塩化物泉)がピュアに湧いているのだと思います。
*) 「箱根二十湯」平野富雄氏著(かなしん出版)より
○ 一郷一会100名湯
〔 2010/8/18UP (2008/06/15レポに加筆・画像追加 (2006/09入湯)) 〕
E139.2.43.575N35.14.22.541
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■ 箱根湯本温泉 「住吉旅館」 〔 Pick Up温泉 〕
※ この施設は、Web上で廃業情報がみつかります。(2021/07現在)
<箱根湯本温泉 「住吉旅館」>
(神奈川県足柄下郡箱根町湯本647、11:00~19:00(要事前確認)、700円、0460-85-5006)
■ 紹介ページ (神奈川の温泉宿(求人ジャーナル社))
箱根湯本の旧湯場地区、熊野権現神社下の好立地にある部屋数5のこぢんまりとした素泊まり宿。
以前土曜夕方に行ったとき、いともあっさりと断られたのであまりいい印象はなかったのですが、平日昼前にリベンジしたときはとても親切な対応でした。
【写真 上(左)】 「萬翠楼福住」の奥にあります
【写真 下(右)】 箱根温泉発祥の地です
明治創業という老舗宿で、純和風木造の館内は豪華さはないものの、よく手入れされて居ごこちよさげ。
帳場を抜けて左手廊下のおくにふたつの浴室。
浴場の手前は、大鏡が据えられた洗面所に磨き抜かれた木造階段と、和風宿の風趣にあふれています。
ここは、てっきり以前レポした大和(旅)館とおなじ旧湯場共同配湯泉(湯本第7.9.41号混合)だと思っていたのですが、手前浴室の分析書はなんと「湯本第41号」の単独使用。
もしや?と思い、おくの浴室の分析書を確認すると、こちらは「湯本第7.9号」の混合泉。
両方空いていたので、これ幸いと両方入ってお湯くらべ・・・(笑)。
【写真 上(左)】 帳場
【写真 下(右)】 洗面所
※旧湯場地区の多くの宿は、旧湯場共同泉(湯本7.9.41号混合泉)をつかっています。
このうち、熊野神社の下で湧く湯本第9号は「惣湯」とよばれ、箱根最古の源泉として知られています。
明治中期までの湯本の泉源はほとんどこの「惣湯」に頼っており、関係者19戸のあいだで「共有温泉盟約」という惣湯利用についての取り決めが交わされていました。
【写真 上(左)】 手前の浴室
【写真 下(右)】 手前の浴槽
〔手前の浴室〕(湯本第41号)
風情ある総タイル貼りの浴室に変形楕円形黒タイル貼2-3人の渋~い湯船がひとつ。
側面から熱湯を注入、浴槽ふち前面から潤沢にオーバーフローで、槽内排湯はなかったのでかけ流しでしょう。
水カラン2、シャンプーあり。シャワー・ドライヤーなし。
【写真 上(左)】 手前浴槽の注入口
【写真 下(右)】 ザンザコです
無色透明のお湯はやや熱めで、浮遊物はほとんどなし。湯中の指先がしっかりと青白く発光しています。
よわい芒硝味に微塩味に明瞭な石膏芒硝臭。
よわいきしきしとヌルすべが入り混じる湯本らしい湯ざわりで、しっかりとしたとろみも感じられます。
【写真 上(左)】 おくの浴室
【写真 下(右)】 おくの浴槽
〔おくの浴室〕(湯本第7.9号)
ここも雰囲気ある総タイル貼りの浴室で鍵穴型赤タイル貼2人の湯船。
こちらも側面からの熱湯注入で、浴槽ふち全面からの潤沢オーバーフロー&槽内排湯なしはかけ流しでしょう。
水カラン1、シャンプーあり。シャワー・ドライヤーなし。
【写真 上(左)】 おくの浴槽の注入口
【写真 下(右)】 こちらもザンザコ
無色透明のお湯はややぬるめで、わずかにうす茶の浮遊物。よわいながら湯中の指先が青白く発光しています。
かすかな芒硝味で塩味はほとんど感じられず、よわい芒硝臭。
よわいきしきしと弱ヌルすべでよわくとろみも感じられます。
で、入りくらべです(^^)
味臭、ヌルすべ、とろみとも、手前(41号)の方がはっきりしていて、お湯もやわらかく、あたたまりが強いような気がしました。(熱湯ということもありますが・・・)
でも、おく(7.9号)の方がお湯に軽さがあって格調高いようにも思えて甲乙つけがたし。
おく(7.9号)の方が福住横穴湧泉(3号)にちかいような感じがしました。
浴後は、肌がしっとりと落ちついてすべすべになる美肌の湯で、ほどよい爽快感が味わえます。
浴後、両方の浴室に入ったことを白状して(笑)、お宿の人(若女将?)に訊き込みに入りました。(700円で両方入れるかは不明。)
・やはり、手前とおくで使用源泉がちがう。
・手前(41号)は泉源直引きで湯量で温度調整しているが、これがなかなかむづかしい。
・熊野神社の境内で、手前にあるのが7号と9号、おくの櫓が41号。
【写真 上(左)】 7号&9号?
【写真 下(右)】 41号?
情報の少ないお宿ですが、箱根湯本でも屈指の名湯、旧湯場系のふたつのお湯をつかうとはなんとも贅沢。
どちらも湯本でも一級品のお湯であることはまちがいなく、ここはおすすめです。
ただし、宿泊客優先になるようなので、週末は要事前連絡かと・。
アルカリ性単純温泉 54.5℃、pH=9.0、湧出量不明、成分総計=0.793g/kg、Na^+=231mg/kg、Ca^2+=28.6、Cl^-=288、SO_4^2-=151、HCO_3^-=33.0、メタけい酸=30.4、メタほう酸=12.0 <H16.4.2分析> (源泉名:湯本第41号)
アルカリ性単純温泉 36.7℃、pH=8.6、湧出量不明、成分総計=0.456g/kg、Na^+=108mg/kg、Ca^2+=23.8、Cl^-=123、SO_4^2-=105、HCO_3^-=32.1、メタけい酸=49.1、メタほう酸=4.99 <H19.4.2分析> (源泉名:湯本第7、9号混合泉)
<参考>
アルカリ性単純温泉 36.0℃、pH=9.1、湧出量不明、成分総計=0.332g/kg、Na^+=83.1mg/kg、Ca^2+=11.1、Cl^-=84.1、SO_4^2-=71.0、HCO_3^-=21.1、メタけい酸=40.1、メタほう酸=2.75 <H16.12.7分析> (源泉名:湯本第7、9、41号混合泉/大和(旅)館掲示)
〔 2010/07/09UP (2008/05入湯) 〕
E139.6.8.427N35.13.40.529
<箱根湯本温泉 「住吉旅館」>
(神奈川県足柄下郡箱根町湯本647、11:00~19:00(要事前確認)、700円、0460-85-5006)
■ 紹介ページ (神奈川の温泉宿(求人ジャーナル社))
箱根湯本の旧湯場地区、熊野権現神社下の好立地にある部屋数5のこぢんまりとした素泊まり宿。
以前土曜夕方に行ったとき、いともあっさりと断られたのであまりいい印象はなかったのですが、平日昼前にリベンジしたときはとても親切な対応でした。
【写真 上(左)】 「萬翠楼福住」の奥にあります
【写真 下(右)】 箱根温泉発祥の地です
明治創業という老舗宿で、純和風木造の館内は豪華さはないものの、よく手入れされて居ごこちよさげ。
帳場を抜けて左手廊下のおくにふたつの浴室。
浴場の手前は、大鏡が据えられた洗面所に磨き抜かれた木造階段と、和風宿の風趣にあふれています。
ここは、てっきり以前レポした大和(旅)館とおなじ旧湯場共同配湯泉(湯本第7.9.41号混合)だと思っていたのですが、手前浴室の分析書はなんと「湯本第41号」の単独使用。
もしや?と思い、おくの浴室の分析書を確認すると、こちらは「湯本第7.9号」の混合泉。
両方空いていたので、これ幸いと両方入ってお湯くらべ・・・(笑)。
【写真 上(左)】 帳場
【写真 下(右)】 洗面所
※旧湯場地区の多くの宿は、旧湯場共同泉(湯本7.9.41号混合泉)をつかっています。
このうち、熊野神社の下で湧く湯本第9号は「惣湯」とよばれ、箱根最古の源泉として知られています。
明治中期までの湯本の泉源はほとんどこの「惣湯」に頼っており、関係者19戸のあいだで「共有温泉盟約」という惣湯利用についての取り決めが交わされていました。
【写真 上(左)】 手前の浴室
【写真 下(右)】 手前の浴槽
〔手前の浴室〕(湯本第41号)
風情ある総タイル貼りの浴室に変形楕円形黒タイル貼2-3人の渋~い湯船がひとつ。
側面から熱湯を注入、浴槽ふち前面から潤沢にオーバーフローで、槽内排湯はなかったのでかけ流しでしょう。
水カラン2、シャンプーあり。シャワー・ドライヤーなし。
【写真 上(左)】 手前浴槽の注入口
【写真 下(右)】 ザンザコです
無色透明のお湯はやや熱めで、浮遊物はほとんどなし。湯中の指先がしっかりと青白く発光しています。
よわい芒硝味に微塩味に明瞭な石膏芒硝臭。
よわいきしきしとヌルすべが入り混じる湯本らしい湯ざわりで、しっかりとしたとろみも感じられます。
【写真 上(左)】 おくの浴室
【写真 下(右)】 おくの浴槽
〔おくの浴室〕(湯本第7.9号)
ここも雰囲気ある総タイル貼りの浴室で鍵穴型赤タイル貼2人の湯船。
こちらも側面からの熱湯注入で、浴槽ふち全面からの潤沢オーバーフロー&槽内排湯なしはかけ流しでしょう。
水カラン1、シャンプーあり。シャワー・ドライヤーなし。
【写真 上(左)】 おくの浴槽の注入口
【写真 下(右)】 こちらもザンザコ
無色透明のお湯はややぬるめで、わずかにうす茶の浮遊物。よわいながら湯中の指先が青白く発光しています。
かすかな芒硝味で塩味はほとんど感じられず、よわい芒硝臭。
よわいきしきしと弱ヌルすべでよわくとろみも感じられます。
で、入りくらべです(^^)
味臭、ヌルすべ、とろみとも、手前(41号)の方がはっきりしていて、お湯もやわらかく、あたたまりが強いような気がしました。(熱湯ということもありますが・・・)
でも、おく(7.9号)の方がお湯に軽さがあって格調高いようにも思えて甲乙つけがたし。
おく(7.9号)の方が福住横穴湧泉(3号)にちかいような感じがしました。
浴後は、肌がしっとりと落ちついてすべすべになる美肌の湯で、ほどよい爽快感が味わえます。
浴後、両方の浴室に入ったことを白状して(笑)、お宿の人(若女将?)に訊き込みに入りました。(700円で両方入れるかは不明。)
・やはり、手前とおくで使用源泉がちがう。
・手前(41号)は泉源直引きで湯量で温度調整しているが、これがなかなかむづかしい。
・熊野神社の境内で、手前にあるのが7号と9号、おくの櫓が41号。
【写真 上(左)】 7号&9号?
【写真 下(右)】 41号?
情報の少ないお宿ですが、箱根湯本でも屈指の名湯、旧湯場系のふたつのお湯をつかうとはなんとも贅沢。
どちらも湯本でも一級品のお湯であることはまちがいなく、ここはおすすめです。
ただし、宿泊客優先になるようなので、週末は要事前連絡かと・。
アルカリ性単純温泉 54.5℃、pH=9.0、湧出量不明、成分総計=0.793g/kg、Na^+=231mg/kg、Ca^2+=28.6、Cl^-=288、SO_4^2-=151、HCO_3^-=33.0、メタけい酸=30.4、メタほう酸=12.0 <H16.4.2分析> (源泉名:湯本第41号)
アルカリ性単純温泉 36.7℃、pH=8.6、湧出量不明、成分総計=0.456g/kg、Na^+=108mg/kg、Ca^2+=23.8、Cl^-=123、SO_4^2-=105、HCO_3^-=32.1、メタけい酸=49.1、メタほう酸=4.99 <H19.4.2分析> (源泉名:湯本第7、9号混合泉)
<参考>
アルカリ性単純温泉 36.0℃、pH=9.1、湧出量不明、成分総計=0.332g/kg、Na^+=83.1mg/kg、Ca^2+=11.1、Cl^-=84.1、SO_4^2-=71.0、HCO_3^-=21.1、メタけい酸=40.1、メタほう酸=2.75 <H16.12.7分析> (源泉名:湯本第7、9、41号混合泉/大和(旅)館掲示)
〔 2010/07/09UP (2008/05入湯) 〕
E139.6.8.427N35.13.40.529
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■ 底倉温泉 「そこくらの湯 つたや」 〔 Pick Up温泉 〕
<底倉温泉 「そこくらの湯 つたや」>
(神奈川県箱根町底倉240-1、10:00~19:00、火休、1,050円(タオル付)、0460-82-2241)
■ オフィシャルHP
■ 紹介ページ (@nifty温泉)
■ 紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
■ 紹介ページ (BIGLOBE旅行)
■ 紹介ページ (じゃらんnet)
■ 紹介ページ (るるぶ.com)
箱根七湯に数えられた由緒ある温泉場の老舗。
近年、日帰り主体の施設に業態転換していましたが、料金2,000円と高かったので未湯。昨年(2005)春に経営がかわり、1,050円の一浴コースができたのでいってみました。
(補足:いまは客室5室の湯宿も兼ねています。)
【写真 上(左)】 蛇骨川側からの外観
【写真 下(右)】 泉源?
場所は宮ノ下から小涌谷へのぼる国道1号沿い右手。
交通量が多く、Pが狭いので要注意。Pは他にもありそうですが詳細不明。
国道と蛇骨川の渓谷にはさまれた細長い敷地に傾斜を利用するように建っていて、屋上がP、建物の前は八千代橋から「太閤の湯」にのびる散策路です。
【写真 上(左)】 休憩所
【写真 下(右)】 底倉全図 (館内掲示)
Pの横の階段を下りると受付。
鉄筋箱形の建物で、箱根の老舗らしい和風情緒はあまりありません。
受付右手のロッカーに荷物をあずけスリッパに履き替えます。
土曜でしたが、開店直後にいったので館内に客の姿はなし。
受付のおくに休憩客用の休憩所、壁に『七湯の枝折』の底倉編が貼ってあり、しっかり「蔦屋」が描かれていました。
【写真 上(左)】 女湯露天
【写真 下(右)】 女湯内湯
浴場は受付階からELVでおりた階下に内湯と露天がそれぞれ男女別にあって、ハダカ移動不可。
【写真 上(左)】 男湯内湯の浴場
【写真 下(右)】 石像
メインの内湯は蛇骨川の渓谷に面し、窓を開けると谷風が吹きあがってきてなかなか快適。
ゆったりとしたつくりの浴場で、あちこちにローマ風石像があったりしてレトロ調。
内床まで伊豆石貼りのなかなか豪勢な浴場です。
【写真 上(左)】 男湯の内湯 (ジャグジー稼働前)
【写真 下(右)】 男湯の内湯 (ジャグジー稼働後)
浴槽は小判型石枠伊豆石貼10人以上の変形浴槽。
入ったときはジェット&ジャグジー作動はなく、底面吸湯も止まっていて全量オーバーフロー状態でしたが、15分ほどするとジュット&ジャグジーが作動し、底面吸湯もはじまってオーバーフローはほとんどなくなってしまいました。
【写真 上(左)】 男湯内湯の湯口
【写真 下(右)】 湯口に4本のパイプ
左手奥側に石の湯口、なかをのぞくと4つのパイプ口があり、真ん中のふたつは熱め、左のはぬるめのお湯が出ています。右のやつは止まっていました。
【写真 上(左)】 男湯露天
【写真 下(右)】 露天からの眺め
露天は、蛇骨川の渓谷を見下ろすものですが、対岸左手にある太閤の岩風呂は見えませんでした。それでも緑に囲まれ風がとおるのでなかなか気持ちがいいです。
石造6-7人屋根つきの浴槽は、岩組みの湯口から熱湯を投入+側面注入で底面吸湯+側面給湯+かるいオーバーフロー。
【写真 上(左)】 男湯露天の湯口
【写真 下(右)】 女湯露天の湯口
カラン内湯に10、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
土曜10時で露天独占、内湯独占~3人とゆったり。
お湯は内湯・露天ともにほぼ適温、無色透明でわずかに白い浮遊物とこまかな気泡がただよいます。
わずかに芒硝塩味でほぼ無臭。
内湯のほうがお湯がよく、重曹系のツルすべととろみを感じるやわらかなお湯。
硫酸塩を含むためか湯中の手先が青白く発光しています。
【写真 上(左)】 女湯内湯の湯口
【写真 下(右)】 析出
芒硝と重曹と食塩がほどよくバランスしている感じで、インパクトはさほどないものの、いかにも箱根らしいおだやかなお湯で、太閤湯あたりにくらべると優しいイメージのお湯のような・・・。
浴後、スタッフの方とすこし話をしました。
ここは江戸時代から自噴している旧底倉源泉をつかっていて、湯量が少ないのでかけ流しはむずかしい(泉源は露天に行く廊下の左手)。
箱根では湯口の湯温がないと塩素殺菌しか認められないが、ここは幸い湯温があるので塩素系薬剤は使用せず、投入銀イオン+紫外線殺菌を併用しているとの由。
湯づかいについてかなり研究されているようでした。(個人的にはジャグシー&ジェットも休止して欲しいですが・・・)
最近できた日帰り施設「てのゆ」は別源泉。
いまの「てのゆ」の場所はかつて「つたや」の別館があり、「つたや」本館からお湯を送っていた。そのなごりが蛇骨川に架かっている小さな吊り橋(?)だとのこと。
宮ノ下あたりは、太閤湯をのぞいて安価で入れる日帰り施設がすくないですが、ここは1,050円で入れるようになり、気軽に使えるようになったのはうれしいことです。
Na-塩化物泉 62.7℃、pH=7.8、湧出量不明、成分総計=1.55g/kg、Na^+=437mg/kg、Ca^2+=45.4、Fe^2+=0.19、Cl^-=681、SO_4^2-=65.2、HCO_3^-=110、メタけい酸=144、メタほう酸=22.2 <H14.11.7分析> (源泉名:温泉村第52号(台帳番号))
<温泉利用掲示> 加水:あり 加温:あり 循環ろ過:あり 塩素処理:なし
〔 HPより(抜粋) 〕
江戸期より箱根七湯のひとつとして『初代蔦屋平左衛門』より継承されている老舗湯宿。
江戸期の昔から敷地内の岩盤より自噴する蛇骨源泉を石畳内に溜めおき、供給する底倉温泉独自の珍しい自噴源泉所有の湯宿。
また、この蛇骨源泉は、現在も江戸期と同じ方式で自然な形で採取・供給している貴重な源泉です。
〔 2010/04/27UP (2006/12/06レポ (2006/06入湯)) 〕
E139.3.35.973N35.14.26.648
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■ 新姥子温泉 「ろくろべえ」 〔 Pick Up温泉 〕
<新姥子温泉 「ろくろべえ」>
(神奈川県箱根町仙石原1246、11:00~17:00(土休日~14:30)事前問合せ必須、500円、0460-84-8208)
■ オフィシャルHP
■ 紹介ページ (BIGLOBE温泉)
■ 紹介ページ (楽天トラベル)
箱根仙石原の渋~いお宿をレポします。
大箱根CC東側の別荘地内、場所はかなり判りにくいですが要所に看板があります。(下の地図参照)
客室わずか4室のこぢんまりとした旅館で、いまは素泊まり&片泊まり(1泊朝食付)でやっているよう(はやめに相談すれば夕食も可?)。
かなり以前からの営業ながらほとんど馴染み客のみで続けてきたので、雑誌やネットに掲載したのはここ1年くらいからとのこと。
館内は手入れが行きとどいていて居ごこちがよさそう。
お宿の方はとても親切で、話をお伺いしていると、料理にも気をつかっているようでこんどは是非泊まってみたいです。マスコットの黒ネコもいます。
【写真 上(左)】 看板
【写真 下(右)】 小風呂の浴槽
廊下の奥に大風呂(岩風呂)と小風呂のふたつ。
この日は大風呂湯張り中につき小風呂に入りました。(その後大風呂に入浴客入り視察できず。)
小風呂は狭く貸し切り可でしょう(当日も貸し切り)。
石枠鉄平石敷1-2人の入りごこちのいい浴槽がひとつ。
カラン、シャンプー、ドライヤーあり。
窓の外には林と隣家。窓開け可なので湯気は抜けます。
【写真 上(左)】 湯口
【写真 下(右)】 湯口&湯色
石膏の析出の出た石の湯口から熱湯の源泉を投入で槽内の排湯筒から湯面排湯+オーバーフローのかけ流し。
ザコザコかけ流しというほどでもないのですが、しっかりと鮮度感があり、湯温も絶妙。よほど湯づかいに熟練されているのだと思います。
ほぼ透明でうす茶色の湯の花ただようお湯は、弱酸味に弱焦げ臭+僅微金気臭。
キシキシとして肌に染み入るような湯ざわりをともなう弱酸性の硫酸塩泉系らしい浴感で、浴後は充実した爽快感が出ます。
”プチ秀明館”ともいえるような実力派のお湯です。
ここの源泉は仙石高原開発(株)による供給温泉で非造成泉です。
泉源は「秀明館」のそばにあるらしく、ここも湯量は降水量の影響を受けるとのこと。
晴天つづきだったこの日の湯量は少なめ。湯量が減ってもけっして加水はしない、あまり少ないときは営業を休止するそうです。
地味なお宿ながら、佇まいやお宿の方の物腰、なによりお湯がすばらしいのでおすすめ。ただし団体でガヤガヤと押しかけるところではないと思います。
単純温泉(Ca・Na-SO4型) 58℃、pH=3.6、湧出量不明、成分総計=461mg/kg、H^+=0.40mg/kg、Na^+=22.7 (21.41mval%)*、Mg^2+=10.5 (18.73)、Ca^2+=39.2 (42.42)、Al^3+=2.50、Fe^2+=0.26、Cl^-=2.74、SO_4^2-=216 (97.40)、陽イオン計=80.0、陰イオン計=222、メタけい酸=158 <H16.9.27分析> (源泉名:仙石高原開発(株)供給温泉)
*) mval%は筆者にて算出したもの、有効桁数等考慮していないので概数です。
<温泉利用掲示>
加水:なし 加温:なし 循環装置使用:なし 消毒処理:なし
〔 2006/04/27日レポ、同年05/01UPに内容補強して2010/04/19再UP 〕
E138.59.58.495N35.15.23.807
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■ 大山天然温泉 「こまや旅館」 〔 Pick Up温泉 〕
<大山天然温泉 「こまや旅館」>
(神奈川県伊勢原市大山920、10:00~17:00、水休、1050円(タオル付)、0463-95-2010、※ 現在休業中との情報あり)
休、500円(土日祝 750円)、0265-39-2528)
■ 紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
■ 紹介ページ (神奈川の温泉宿(求人ジャーナル社))
いまでこそ寺社参り&温泉というのはあたりまえのコースですが、かつては霊場、古刹と温泉の縁は意外にうすく、門前町と温泉地を兼ねているところは、少なくとも関東周辺では諏訪以外に思い当たりません。
湯前神社や温泉薬師が有名な温泉地もありますが、温泉場が先にあって、その効能が神格化されたケースが多いように思います。
いまとちがって都合のいい場所で温泉掘削ができなかったというのが最大の理由でしょうが、敬虔だった昔の人には霊場のお膝元でお湯を楽しむという発想はなじまなかったのかも知れません。
善光寺の戸倉上山田温泉、弥彦神社の岩室温泉など、いわゆる”精進落としの湯”は参詣地からはなれた道中にあります。
大山(阿夫利神社、大山寺)は、ふるくから関東屈指の山岳信仰(修験道)の霊場で、ふもとにある大山の里には多くの宿坊(参籠所)があって賑わいました。
このあたりは、いまでも神仏混淆の修験道の霊場らしい独特な空気が流れています。
江戸時代からの老舗「こまや旅館」は、おそらくそんな宿坊のひとつだったと思われますが、近年、温泉掘削に成功し、宿泊を休業して日帰り入浴のみで営業しています。
【写真 上(左)】 温泉櫓
【写真 下(右)】 館内
玄関前の狭い駐車場の脇に、誇らしげに「大山天然温泉」と書かれた温泉櫓がそびえ建っています。
館内はふつうの旅館とはすこし違った雰囲気があります。
暗くて狭く入り組んだ廊下のおくの浴場に、おばさんが案内してくれました。
外観はコンクリの無粋な佇まいながら、廊下や客室には気のきいた意匠もこらされていてそれなりの風情があります。
【写真 上(左)】 渋い洗面台
【写真 下(右)】 内湯(大岩風呂)入口
浴場は男女別でそれぞれ内湯(大岩風呂)と露天がありますが、内湯(岩+みかげ石枠石貼3-4人)は使っていないようで当日も空でした。
暗く古びた内湯に対して新設したらしい露天はとても綺麗です。
屋根と木塀と木立に囲まれ開放感はさほどありませんが、背伸びすると鈴川の渓谷が望めます。
【写真 上(左)】 空の内湯
【写真 下(右)】 露天入口
黒みかげ石枠石敷5-6人の露天がひとつで、独楽をかたどった石膏の析出付きの石の湯口から投入+側面熱湯注入。
槽内排湯はなく浴槽フチ全面からかなり潤沢なオーバーフロー。
館内掲示には「加温、非加水、非濾過非循環、消毒用薬剤使用なし」とあります。
【写真 上(左)】 脱衣所
【写真 下(右)】 露天-1
カラン6(たぶん源泉)、シャワーあり、シャンプー・ドライヤーはないですが料金からすると欲しいところ。
日曜13時で独占~5人。露天浴場自体広くはないので、5人入り込むとやや窮屈な感じ。
【写真 上(左)】 露天-2
【写真 下(右)】 湯口
適温のお湯は、無色透明で少量の白い浮遊物がただよいます。
弱塩味+弱苦味で弱いながら石膏泉系の甘い湯の香に饐えた?ような臭いが混じった個性的な温泉臭があります。
よわい硫酸塩泉系のキシキシとアルカリ泉系のヌルすべが入りまじる複雑な湯ざわりは通好みか。
湯口そばでは少量ながらアワつきがあり、硫酸塩泉らしい内側から温まるような充実した浴感&浴後感が楽しめます。浴後は肌に張りがでる感じ。
【写真 上(左)】 ざんざこのかけ流し
【写真 下(右)】 湯口&湯色
丹沢南麓には高アルカリでうすめの泉質が多いですが、ここのお湯は硫酸塩泉の特徴がよくでていて、むしろ丹沢の向こう側、道志や秋山のお湯に近いような感じがしました。
浴後、入る前に頼んでおいた釜飯コース(1,300円)を食べました。
炊き立ての釜飯に大山名物の豆腐(冷や奴)と小鉢数品がついてこの値段はまあまあリーズナブルかな。
指定した時間にあわせて炊き上げてくれますが、ついつい長湯・遅刻して釜飯が冷めてしまったのは無念 (^^;
料金1,050円はいささか高いような気もしますが、贅沢な加温かけ流しだし、時間制限もないので許容範囲かな。
紅葉がよさそうなエリアなので、晩秋の一日、大山参詣をかねてゆったりと過ごすのにいい施設かと思います。春の桜もよさそう。
Ca・Na-塩化物・硫酸塩泉 29.0℃、pH=9.5、湧出量不明(1,000m掘削)、成分総計=2.38g/kg、Na^+=369mg/kg、Ca^2+=452、Cl^-=879、SO_4^2-=500、CO_3^2-=8.17、HSiO_3^-=12.5 <H12.5.12分析> (源泉名:伊勢原温泉(台帳番号 秦野第22号))
<温泉利用掲示> 加水:なし 加温:あり 循環ろ過:なし 消毒用薬剤使用:なし
■ブランドグルメ
〔 大山とうふ 〕
山岳信仰で栄えた大山周辺は、各地を回り信仰をひろめる御師の根拠でもありました。彼らが食していた精進料理に豆腐があり、これに、霊峰大山の良質の水、御師たちに謝礼として送られた各地の大豆などが加わって、名物として定着していったものと考えられています。大山とうふは、豆腐そのものをさす場合と豆腐料理をいう場合があり、地元には豆腐料理店も多くあります。また、早食い競争などもある「大山とうふまつり」も開催されています。
(大山とうふまつり実行委員会HPなどを参考。)
〔 2010/03/27画像補強再UP (2005/10/11レポ (2005/05入湯)) 〕
E139.15.34.549N35.24.57.313
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■ 大平台温泉 「対岳荘」 〔 Pick Up温泉 〕
<大平台温泉 「対岳荘」>
(神奈川県箱根町大平台312、12:00~15:00(最終入場)、750円、0460-82-2094)
■ オフィシャルHP
■ 紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
■ 紹介ページ (るるぶ.com)
大平台の温泉街から少しはなれた国道1号沿いにある私学共済事業の直営施設(しがくのやど)。
大平台の温泉施設はほとんどが共同配湯ですが、ここは自家源泉をつかう貴重なお宿です。
【写真 上(左)】 上質感ある館内
【写真 下(右)】 中庭
国道沿いながら建物は奥まっているので喧噪はなく館内は別世界。
シックで質感のある和風の建物はよくメンテされていて居ごこちがよさそう。
階下に男女別の浴室と家族風呂。
家族風呂は日帰りで利用可かわからず、先客もいたのであきらめました。
【写真 上(左)】 浴場入口
【写真 下(右)】 脱衣所
浴室は黒みかげ石枠伊豆石貼10人弱の入りごこちのいい内湯ひとつとシンプル。
窓の外は早川の渓谷を見下ろし一面の緑。秋の紅葉は見事かも。
カラン6位、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。
日曜16時で前の国道は大渋滞なのに、独占~2人とゆったり。
【写真 上(左)】 浴槽
【写真 下(右)】 浴槽&景色
白い石膏の析出がわずかに出た石の湯口から30L/minほども適温のお湯を投入し、槽内注排湯はなく全量をざんざこにオーバーフローのかけ流し。
湯温は38℃ほどとかなりぬるめ。
泉温61℃の源泉に加水をかけて湯温調整していますが、ここまで湯温を落とさなくてもいいのでは?(分析書に浴槽温度42℃とあるので、ふつうはもっと熱いのかも。)
【写真 上(左)】 湯口
【写真 下(右)】 湯色
無色透明で微薬味無臭。
スペックほどの塩味が感じられないのは加水のせいか・・・?
やわらかな湯ざわりはあるものの、浴感は淡泊。おだやかにあたたまり、浴後は爽快感が出ます。
週末PMの国道1号線は渋滞の名所です。
この沿道には、函嶺(底倉)、太閤湯(宮ノ下)、塔之沢上湯大衆浴場、和泉・湯蔵・かっぱ天国(湯本)などの日帰り可施設があり、さりげにかけ流し率も高いのですが、施設が小ぶりなのとPが小さく停めにくいので意外につかわれていません。(で、「天山」に集中する。)
底倉に大きめの日帰り施設「ての湯」ができましたが、ここは高料金がネック。
そのなかで、対岳荘は広めで停めやすいPがあって、料金も箱根にしては手ごろなので、利用しやすい施設かと思います。
Na-塩化物泉 61.2℃、pH=9.3、湧出量不明、成分総計=1122mg/kg、Na^+=357mg/kg、Cl^-=448、SO_4^2-=152、HCO_3^-=18.9、メタけい酸=65.9、メタほう酸=8.99 <H9.1.23分析> (源泉名:対岳荘 第1号源泉(温泉村第123号))
<温泉利用掲示>
加水:あり(源泉(61℃)が高いため) 加温:なし 濾過循環:なし 消毒処理:なし
〔 2010/03/20UP (2006/08/10レポ (2005/11入湯)) 〕
E139.4.30.370N35.14.8.040
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■ 塔之沢温泉 「上湯温泉大衆浴場」 〔 Pick Up温泉 〕
<塔之沢温泉 「上湯温泉大衆浴場」>
(神奈川県箱根町塔之沢112、9:00~21:00、水休、500円、0460-85-7683)
■ 紹介ページ (@nifty温泉)
■ 紹介ページ (MAPPLE観光ガイド)
■ 紹介ページ (BIGLOBE温泉)
塔之沢温泉は、木食遊行僧として知られる弾誓上人が慶長十年(1605)に発見したと伝えられている古湯で、由緒正しい「箱根七湯」に数えられています。(「箱根全山」を参考)
【写真 上(左)】 塔ノ沢駅
【写真 下(右)】 塔之沢温泉街
ここにふるくから親しまれた浴場「上湯温泉大衆浴場」があります。
R1沿いにある民家風2層の建物。Pは数台分ありますが、宮ノ下から下りてくると左カーブを切ったところにいきなりあるのでえらくわかりにくいです。
また、建物となりのPは「一の湯」のものなので要注意。
週末、このあたりは大渋滞しますが、ここにわざわざ車を停めて入る観光客はすくないのでは?
【写真 上(左)】 脱衣所から浴室
【写真 下(右)】 浴槽-1
番台形式のつくりで左が男湯、右が女湯。2階には休憩所もあります。(別料金)
石鹸を持参するか、ない場合は貸してくれます。(石鹸でからだを洗ってから入るのがここのしきたりらしい。)
コストのかかる加温かけ流しのようなのでいたしかたないのかもしれませぬが、料金500円(450円から値上げされた)は施設内容のわりにはいささか高いように感じます。
脱衣所は狭め、こぢんまりとした浴場に4-5人のタイル貼浴槽ひとつとシンプル。
窓はちいさく全体に暗めの浴場ながら、よけいなものがなにもないのが好感。
【写真 上(左)】 浴槽-2
【写真 下(右)】 カランも温泉?
浴槽はたっぷりふかめで入りごこちのいいもの。
カラン4、シャワーあり、シャンプー・ドライヤーなし。
カランは温泉のような気もしましたが、どうかな?
年末PMで2-3人(2005年)。日曜14時で独占~2人(2010年)。
2005年に入ったときは同浴の2人とも常連さん(1人は地元、1人は湘南)、2010年も地元の方で、常連指数が高そう。
【写真 上(左)】 投入していないカラン
【写真 下(右)】 かなりの量のオーバーフロー
熱湯を側面注入でオーバーフロー、槽内排湯は確認できず。
泉温は39.6℃なので、加温のかけ流しかと思います。
他にカランもありますが、投入されていませんでした。
ほぼ無色透明のお湯はやや熱めで、白とうす茶の湯の花がただよいます。
湯中の指先がわずかに青白く発光しています。
弱芒硝塩味によわい石膏臭。この石膏臭は浴場内にこもっています。
しっかりとしたヌルすべのうらによわいきしきしととろみ。
このお湯の湯ざわりは絶品で、肌のうえをコロコロとなめらかに滑っていくようなイメージ。
力感とつよいあたたまりのある入りごたえのあるお湯で、湯本あたりのお湯にくらべるとキャラがきわ立っている感じ。
2005年のときは、湯本でもかなり力づよい「かっぱ天国」のつぎに入りましたが、こちらの力感のほうがあきらかに上でした。
こういうお湯はふつうにありそうで、じつはなかなかありません。
入るほどによさがにじみでてくるような格調高い名湯かと・・・。
つくりも客層もプロ仕様(^^;)なので、箱根のなかでも敷居の高い浴場かと思いますが、わざわざ入りに行くだけの価値あるお湯かと思います。
ps.近年、なんどか廃止の噂がでていましたが、↓の掲示をみるかぎり事態はそうとう深刻なようです。箱根の行き帰りに寄ってあげてください。
【写真 上(左)】 湯色
【写真 下(右)】 掲示
〔 脱衣所掲示 〕
この温泉は隣にある老舗旅館の「環翠楼」と同じ源泉を使用しており、箱根の公衆浴場では数少ない源泉掛け流しの温泉です。効能は箱根七湯の中でも群を抜いたものと言われています。
その温泉が、今、利用者の減少と後継者不足のために、存亡の危機に直面しています。
皆さん一人一人のクチコミによるPRが、この温泉の存続につながります。
どうか何時までも利用できますように、この温泉の良さを広めてくださる様、ご協力をお願いいたします。(以下、愛好者の声の紹介、略)
単純温泉 39.6℃、pH=9.0、湧出量不明、成分総計=278mg/kg、Na^+=63.2mg/kg、Ca^2+=6.60、Fe^2+=0.010、Cl^-=49.7、SO_4^2-=28.7、HCO_3^-=50.5、CO_3^2-=3.84、陽イオン計=70.7、陰イオン計=149、メタけい酸=57.3 <S62.11.25分析> (源泉名:湯本第50号泉)
〔 2010/02/25UP (2005/12・2010/02入湯) 〕
E139.5.44.533N35.13.44.962
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■ 宮ノ下温泉 「湯の宿 遊月」 〔 Pick Up温泉 〕
<宮ノ下温泉 「湯の宿 遊月」>
(神奈川県箱根町宮ノ下413、10:00~15:00(要時間確認)、550円、0460-86-1800)
■ 紹介ページ (じゃらんnet)
■ 紹介ページ (るるぶ.com)
箱根宮ノ下にある自家源泉(?)の温泉宿。
ここは月廼屋旅館(つきのや、日帰り不可)の別館(?)で、素泊まりメイン8室のこぢんまりとした宿です。
場所はえらくわかりにくいです。
湯本方面からだと、宮ノ下のT字路を小湧園方向に左折してすこし行った富士屋の社員寮の先のT字路を鋭角に左折し、すぐの三叉路を左の狭い路地に入ります。
以前レポした「たかぎ旅館」の前を通り、最初の路地(月廼屋旅館の手前、ポストあり)を右折した正面。
Pはそこに数台分ありますが、大型車でのアプローチはけっこうしびれるかも・・・。
このあたりは通称”上町”とよばれ、小規模な旅館や歓楽施設がまとまっています。
【写真 上(左)】 上町の案内板
【写真 下(右)】 右折の目印のポスト
行ったときはたまたま宿の人がいましたが、月廼屋にいることが多いらしく、TELは月廼屋にしたほうがベターかも。
【写真 上(左)】 館内
【写真 下(右)】 浴場入口
しっとりと落ちついた純和風の建物でなかなかに居ごこちがよさそう。
浴場は階段下の露天と1階の内湯があり、最初は露天(岩風呂)に案内(貸切可)されましたが、カルキ臭強めだったので、ひそかに偵察し、カルキを感じなかった内湯に替えてもらいました(^^;;)(ふつう日帰りだと露天らしい)
【写真 上(左)】 露天
【写真 下(右)】 露天の湯口
ちなみに、竹林に面した露天は暗めながら風情があるもの。
岩組屋根付4-5人の浴槽に岩の湯口から投入、槽内注排湯不明で切欠からの上面排湯。
残念ながらかなり強めのカルキ臭がありました。
【写真 上(左)】 内湯
【写真 下(右)】 まわりは竹林
内湯は年季入っていて、脱衣所の雰囲気からしてただならぬものがあります。
手前に洗い場、奥に石枠青タイル貼3人の渋~い浴槽。二面採光ながらまわりを竹林に囲まれているので暗め。
でも、それがかえって浴室に落ちつきをもたらしています。
カラン3、シャワー・シャンプーあり、ドライヤーなし。土曜12時で独占(貸切)。
岩の湯口からかなり熱めの源泉(たぶん)を15L/minほど投入+側面注入、側面パイプ吸湯+オーバーフローは半循環かと思いますが、カルキは感じられずお湯の鮮度感もあってなかなかにいいです。
また、別に源泉カランもあります。
ただ、小規模な宿だし、日帰り客も多くはなさそうなので、槽内循環はいらないようにも思いました。
【写真 上(左)】 内湯の湯口
【写真 下(右)】 源泉カラン
かなり熱めのお湯は無色透明に澄んで弱芒硝塩味にほぼ無臭。
とろみとヌルすべのあるすこぶる入りごこちのいいお湯で、よくあたたまります。
適度に濃度感もあって、宮ノ下(蛇骨)らしい入りごたえのあるお湯です。
隠れ家のような立地、渋い浴場など温泉マニアの琴線に触れるものがあり、一般人(^^;)を連れていったら「さすが温泉通」と感心されるかも・・・(笑)
空いていそうでお湯もなかなかなので、温泉マニアには「たかぎ旅館」とともにおすすめします。
Na-塩化物泉 76.0℃、pH=8.8、湧出量不明、成分総計=1429mg/kg、Na^+=391、Ca^2+=28.9、Cl^-=580、SO_4^2-=66.7、HCO_3^-=108、陽イオン計=459、陰イオン計=760、メタけい酸=182、メタほう酸=25.3 <H8.4.25分析> (源泉名:宮ノ下温泉(元温泉村第81号))
※源泉は蛇骨沢からの引湯で「月廼屋旅館」と同じと思われます。
■ブランドグルメ
〔 La Bazza 〕
はっきりいって、ここは「ブランド」ではありません。
それに正直、人にはあまり教えたくなかったのですが、もはや「食べログ」にも紹介されているので、観念して(笑) 紹介します。
もう何年前になるか・・・。
宮ノ下で湯めぐりの途中、猛烈に腹が減った。
とにかく喰えればなんでもよかったのだが、宮ノ下には飲食店がほとんどない。
たまたま目についたイタ飯屋らしい看板、やってるかどうだかわからない店がまえ・・・。
まあ、いいや、とりあえず偵察。
とまっている(というか、もはや動きそうもない)エスカレータを歩いて昇って、入口の扉をおそるおそるあける。
がら~んとした店内にお客はゼロ。
窓側のソファーには調理服を着たシェフらしき人が、やる気なさげ(失礼 ^^;)に座り込んで外を眺めてる。
「ヤバっ!」
まちがえたふり(^^;;)をして出ようとしたが、店の奥に所在なげにいたスタッフの女の子とばっちり目が合ってしまったので、しょうがなく「あの~、営業してますか・・・?」
半分、というかほとんど「すいません、休憩に入りまして・・・」という答えを期待しつつ・・・。
だが、答えはあっさり「はい、営業しています。」(笑)
あとで考えると、ランチがあったので時間は昼すぎだったと思う。
「あの~、営業してますか?」もないものだわな。。。
腹を据えて空席だらけ(というか、すべて空席)の椅子に座る。
ランチコースは意外にもけっこう安かった。
「どハズレでも、キズは浅くてすむ」と、やや落ちつきをとりもどす。
連れも同じ心境らしく、どうせハズレならいろいろ試しちゃえ、とばかりに別のコースを注文してる。
あらためて店内を見回す。
しかし、どうみても、この雰囲気はふつうじゃない。
打ちっ放しの天井、造作ほとんどなしの壁面。
洋系では、打ちっ放しスケルトンの店はめずらしくないけれど、そういうのとはちがう感じ。
あえていうと「廃墟系」。
客席の手前には古びた箱根のガイドブックや雑誌が積み重なっていて、
これがまたいい感じ(^^;)でB級感を盛り上げてくれる。
---------------------
たしかこのとき頼んだのは、トマトソースのパスタ&クリームソースのパスタのコースでいずれもシーフード系だったと思う。
ぜんぜん、期待していなかった。
さてさて、ヘビがでるか蛇がでるか、うどんのよ~なぶっといパスタか、スープのよ~なシャビシャビ薄ソースか、はたまた堅くて味気ない缶詰の具か・・・
しばらく待つと、ブツがやってきた。
一目みて、唖然とした。
こ洒落た平皿に質感をおびたパスタの盛り、品よくハーブをあしらったサラダ、おだやかにくすんだ風味よさげなパン。
バターの色艶も申し分ないし、しっかりオリーブオイルも添えられている。
これはどうみてもはずれイタ飯(これまでけっこう食べてる(笑))じゃない。
イタ飯の味の表現は得意じゃない(^^;;;)のでとばすが(→こっちをみてね)、とにかく値段をはるかに上回る内容だった。(ボリュームもばっちり)
とくにシーフードは小田原あたりで揚がった近海ものじゃないかと思うくらい、抜群の鮮度とふかい味わいをもっていた。
(いい意味で)店がまえと味にギャップのある店はそれなりにあるが、ここまで強烈なのはそうはない。
食後話した店の女の子によると、ここは元銀行(正確には信用金庫)で、あまり手を入れていないのでこのような店になっているらしい・・・。
あまりに不思議な店だったので、帰っていろいろ調べたが、まだそのときはほとんど情報がなかった。
でも、味さえよければ何でもOKのわが家。宮ノ下では貴重なPもあるし、その後、ここが定番スポットになったのはいうまでもありません。
さっき見つけた新事実(笑)
オーナーは、なんと「富士屋ホテルで12年間腕をふるったシェフ」らしい。
さらに新事実
仙石原&富ヶ谷(渋谷区)に支店ができてました。
〔 2010/01/31UP (2007/06/13レポ (2006/06入湯)) 〕
E139.3.37.311N35.14.23.267
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■ 箱根湯本温泉 「KKR箱根青風荘」 〔 Pick Up温泉 〕
<箱根湯本温泉 「KKR箱根青風荘」>
(神奈川県足柄下郡箱根町湯本茶屋185、時間要問合せ、500円、0460-85-5124)
■ オフィシャルHP
■ 紹介ページ (じゃらんnet)
■ 紹介ページ (MAPPLE 観光ガイド)
須雲川沿いの通称”滝通り”沿いにあるKKR(国家公務員共済組合連合会)系の宿泊施設。自家源泉かけ流しということで攻めてみました。
建物はなんということもないRC造の箱形ですが、館内はよくメンテされています。
階段をおりると浴場階。男女別の浴場と家族風呂があります。
家族風呂は日帰り入浴可かどうか聞きわすれましたが、当日は先客がいたので入らず。
【写真 上(左)】 男湯入口
【写真 下(右)】 脱衣所
浴場は露天つきと露天なしがあり、当日の男湯は露天なしの方でした。
須雲川の渓流を見おろす明るくきもちのいい浴場で、対岸にいまはなき天成園の飛烟閣がみえました。
【写真 上(左)】 対岸に臨むありし日の「天成園飛烟閣」
【写真 下(右)】 泉源?
浴室のすぐ脇に温泉櫓が建っていて、HPに「KKR箱根青風荘敷地内より湧出」とあるのでこれが自家泉源でしょう。
浴槽は黒みかげ石枠タイル貼4人位。岩の湯口+側面注入と思われますが、なぜかどちらからも注投入はなし(湯口から数秒間だけお湯がでたきり)。
底面吸湯口がありますが、これも引いておらず。オーバーフローはなくため湯状態ながら湯温はややぬるめで安定していたので、入れたてだったと思います。
【写真 上(左)】 男湯
【写真 下(右)】 女湯内湯
ちなみに女湯のほうは内湯(黒みかげ石枠タイル貼4.5人、熱め)、露天(鉄平石造2人、ぬるめ)ともお湯の投入がありかなりのオーバーフローだったそうなので、男女湯交互に投入しているのかも?。
カラン5、シャワー、シャンプー、ドライヤーあり。平日13時で男女湯とも独占。
【写真 上(左)】 女湯露天
【写真 下(右)】 男湯の湯色
きもち懸濁したお湯にはうす茶の浮遊物。
味不明で弱いながら石膏系のやわらかな湯の香が香ります。
ヌルすべと弱いとろみを帯びたやさしいお湯で入りごこち抜群。
ぬるゆながらよくあたたまり、イメージ的には「大和旅館」のお湯に似たものを感じました。
濃度感はないもののどこか後をひくような質のよいお湯で、かけ流し状態で入れたら、すこぶるきもちがよさそう。
【写真 上(左)】 男湯の湯口
【写真 下(右)】 女湯内湯の湯口
ここは日帰り受付時間が短く、しかも宿泊客優先ということなので、事前TEL必須かと・・・。
料金も安いし、OKだったら迷わず突入をおすすめします。
アルカリ性単純温泉 38.9℃、pH=9.1、湧出量不明、成分総計=0.259g/kg、Na^+=70.1mg/kg、Cl^-=56.5、SO_4^2-=33.9、HCO_3^-=38.2 <H18.4.21分析> (源泉名:湯本第16号)
<温泉利用掲示> 加温:あり 加水:あり 濾過循環:なし 消毒処理:なし
■ブランドグルメ
〔 「箱根暁庵」の蕎麦 〕
箱根の蕎麦屋はけっこう行きました。
やたらにお値段のいい店や雰囲気ばっちりの店はけっこうありますが(^^;)、これは美味い!と思った店は、正直あまり多くはありません。
第一級の観光地だし、箱根=そばというイメージ(「箱根そば」(”駅そば”で有名な小田急レストランシステムの店舗ブランド)の功績か・・・?)があるためか、どんなものをどんな値段で出してもそこそこ商売になってしまうという背景があるためかもしれません。(註:これはあくまでも個人的な推測です。)
ここは箱根湯本ホテル系列の箱根でも有数の有名店ですが、箱根にしてはそこそこ味がいいし、すぐに売り切れ閉店することもない(^^)ので紹介します。
HPによると「厳選された国内産の上質の蕎麦の実を石臼で自家製粉し、箱根・観音沢の水を使って、日々香り豊かな蕎麦を打っております。」とのこと。
箱根湯本にしてはPが広く、たたずまいもいいので箱根初心者におすすめです。
(ただし、アプローチの滝通りは道幅狭く、歩行者が多いうえに、タクシーが猛スピードで走り抜けるので要注意。)
〔 2010/01/18UP (2007/01/11レポ (2006/06入湯)) 〕
E139.5.52.200N35.13.29.720
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