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■ 佐久山温泉 「きみのゆ」

<佐久山温泉「きみのゆ」>(大田原市、10:00~21:00、600円(500円 17:00~)、0287-28-0374)
市の紹介HP

大田原市南部、喜連川町(現さくら市)との境に近いところに佐久山の集落があります。ここには以前から与一温泉がありましたが、そのすぐそばに2004年春オープンした日帰り施設です。「魚鶴」という式場が経営しているようで、式場のすぐよこにあります。

外観・館内ともこざっぱりとした飾り気のないつくりで、一時期の緑営グループの施設のよう。
土曜の夕方に行ったからか、館内は大盛況。すぐそばの与一温泉もかなり混んでいましたが、このあたりはさほど大きな市街もないのに、いったいどこからやってくるのか不思議です。

男女別の浴場は廊下の奥にあり、他に貸切の座敷つき小浴室が数部屋あります。(見学可だったのでお湯をみたところ、大浴場とほぼ同じ)

内湯ゾーンに内湯(みかげ石枠石敷25人以上、電気風呂付)、ジェット浴槽(3.4人位)と座湯。天井は高いですが、グレーの無機質な壁面と檜の梁が妙にミスマッチ。
露天ゾーンに露天(岩枠石貼10人位、打たせ湯、東屋付)とふたつの水風呂(陶製と石造、各1人)とサウナ。垣根のむこうにグラウンド・ゴルフ場と高圧送電線の鉄塔が見えるちょっと独特な風景。
セパレート型洗い場8、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり。土曜18時で20人くらいとなかなかの入り。

内湯は、丸い石の湯口からの熱湯投入で槽内注排湯はたぶんなく、右手からオーバーフロー。露天は岩の湯口からの投入+打たせ湯投入で、手前にオーバーフロー。ともに相当なオーバーフロー量と鮮度感があるのでかけ流しかと。

全体にかなり熱めのお湯は、緑茶色透明で茶色の浮遊物。弱重曹味+微たまご味。墨+樹脂系の極上アブラ臭(イオウ入っているかも?)が香ります。重曹系のツルすべが明瞭で内湯湯口そばではアワつきもあります。
等張性食塩泉ながらさほどの濃度感はなく、そこそこに温まりますが、むしろ重曹泉系の爽快な浴感が勝っている感じ。非常に入り心地のいいお湯です。
ぬがねさんが栃木湯楽の里(重曹泉)を例えに出されていましたが、たしかに栃木湯楽千本松温泉(含食塩-重曹泉)に近いイメージのお湯かと思います。

等張性食塩泉なのになぜか塩味がほとんど感じられず、分析書やパンフには「黒褐色に混濁」とあるのに緑茶色透明なので、加水を連想するところですが、館内には「当館の温泉は全て天然温泉であり、加温・加水は一切しておりません。源泉のまま使用しております。」「但し気温の低い冬期のみ、入浴に適した温度にするため2℃前後加熱しています。」と明示されています。

いいお湯なので満足感はありましたが、ぜひいちど”黒褐色にごり湯”に入ってみたいものです。(ものすごいアブラ臭がしそうな予感・・・)
大田原市はさりげにかけ流しの施設が多く、とくにこの佐久山エリアは「与一温泉」もかなりの逸品なので、要注目エリアではないでしょうか。

含硫黄-Na-塩化物温泉 55.0℃、pH=7.9、湧出量不明、蒸発残留物=9329mg/kg、Na^+=3420.0mg/kg、Ca^2+=166.2、Fe^2+=9.3、F^-=4.2、Cl^-=5284.0、HS^-=3.9、Br^-=19.7、SO_4^2-=224.1、HCO_3^-=273.8、陽イオン計=3628.1、陰イオン計=5809.7、メタけい酸=46.4、メタほう酸=177.2、硫化水素=0.6 <H14.7.19分析> (源泉名:佐久山温泉 きみのゆ)

(写真は貸切小浴室)

〔 2006年1月24日レポ 〕
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