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■ 川古温泉 「浜屋旅館」 〔 Pick Up温泉 〕



<川古温泉「浜屋旅館」>(群馬県みなかみ町(旧 新治村)、10:00~16:00、1,000円、0278-66-0888)
オフィシャルHP

「川古の土産はひとつ杖を捨て」といわれ、古くから湯治客で賑わった川古温泉は「浜屋旅館」の一軒宿です。猿ヶ京、水上からの両ルートがありますが、今冬は豪雪で雪崩があったらしく水上ルートは通行止めでした。

猿ヶ京の手前を北側に入り、名湯の噂が高い高原千葉村(日帰り不可)を右に見て、しばらく行った分岐を左手の沢に向かっておりていきます。
下りきると茂倉の集落があらわれ(このあたり道がわかりにくいので要注意)、さらに右手の上流に向かって少し走ると橋のたもとに「浜屋旅館」が見えてきます。
赤谷川沿いにはこれより上流に人里はないので、まさにどんづまりの秘湯です。
鉄筋箱形の建物は、秘湯の風情にやや乏しいですが、湯治の快適度からするとこういう建物の方が実用的かも・・・。



冬場のこことて館内に客の気配はなく、すべての浴場を贅沢にも独占でした。
ロビー階からELVで階下におりると浴場階。館内にはあちこちに分析書や温泉利用の注意書きが貼ってあります。
手前から女湯、男湯、混浴風呂の3つの内湯と、それぞれの内湯からハダカ移動可の混浴大露天の計4カ所。大露天の手前には源泉と湧水の飲泉所があります。各内湯にカラン、シャンプー、ドライヤーあり。
赤谷川の河床にほど近い大露天は、岩枠コンクリ敷30人以上の大ぶりなもので野趣があります。



女湯、男湯、混浴風呂はすべて木枠で玉石敷。大きさはそれぞれ5人、3人、4人ほどで木の湯口からの投入+底面注入。サウナ槽内排湯はなく、全量をオーバーフローのかけ流し。
大露天は石膏の析出の出た木湯からの湯滝状投入&岩の湯口の2ヶ所の湯口と、べつに熱湯の側面注入。槽内排湯は見あたらず、おそらく全量を川側の上面排湯口から排湯のかけ流し。




お湯はややぬるめで37℃くらいはありました。今はぬる湯の自然湧出泉(川古の湯)から、約40℃の掘削自噴泉(浜屋の湯)に切り替えているらしく、以前よりはやや湯温が高めになっているようです。
お湯はほぼ無色透明で白い湯の花が浮かびます。ほこほことした石膏味にかすかな金気味、石膏臭+微甘イオウ臭+僅微金気臭。硫酸塩泉らしいキシキシ感ととろみがあり、湯中の手足が青白く発光しています。



あたたまり感はさして強くはないものの、浴後ぬくぬくとしてなかなか冷めません。これにここちよい爽快感が加わってすこぶる上質な浴後感が味わえます。やませみさんも指摘されていましたが、石膏泉らしさだけなら、霧積、諏訪峡などのほうがきっちりと出ているような気もしますが、上品な質感はけっして引けをとりません。刺激の少ないおだやかな浴感が、”ぬる湯の名湯”の評価を高めているのだと思います。
どの浴槽も鮮度感がありますが、なかでも投入量の多い露天の湯口そばはアワつきもあって、いちばん鮮度が高いような気がしました。

いわゆる”新秘湯の宿”とはいささか趣が違うものの、お湯は抜群だし、湯治向きに機能的につくられたいいお宿かと思います。

(源泉名:浜屋の湯/館内掲示)
Ca・Na-硫酸塩温泉 39.9℃、pH=7.9、成分総計=1.37g/kg、Na^+=140mg/kg (29.62mval%)、Ca^2+=282 (68.58)、Fe^2+=0.02、Cl^-=106 (14.11)、SO_4^2-=850 (83.53)、陽イオン計=401 (19.0mval)、陰イオン計=894 (19.2mval)、メタけい酸=64.8、メタほう酸=11 <H15.6.12分析>

<温泉利用掲示> 加水なし 加温なし 濾過循環なし 消毒剤使用なし

〔 2006年6月13日レポ 〕
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