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■ 前野原温泉 「さやの湯処」

<前野原温泉「さやの湯処」> (板橋区、10:00~翌1:00、800円(土日祝1,000円)、03-5916-3826)
公式HP

12/20オープンしたての温泉スパ銭。すでにおかざきさん、怪傑にょろさん、よしかさん、桃猫。さんのレポあり。(はやい! (^^;; )
板橋前野町の住宅地にあります。都心方面からのアプローチは、渋滞&踏切のある川越街道経由より中山道経由のほうがスムースかと・・・。

外観は和風スパ銭的でわりあいふつうですが、建築家降幡廣信氏による館内のでき映えが秀逸。とくに食事処「柿天舎」は数寄屋造で、意匠を凝らした欄間や庭園に面した縁側など、すばらしいもの。ロビーからも鑑賞できる庭園は、苔庭や砂紋が描かれた枯山水を配した本格的なもので、作庭家小口基實氏の作。温泉施設というよりは、古寺の一画のような枯れた雰囲気さえただよわせています。
「柿天舎」は、いまのところ蕎麦(なかなか美味しかった)とつまみ程度ですが、今後メニューを充実させていくとのこと。これで食事が充実すれば、外人観光客には応えられない施設になるかも。

2階は女性専用お休み処。いくら女性優位の時代とはいえ、これじゃお父さんはかわいそうすぎ・・・?(笑)

浴室は男女固定制。露天をのぞむ明るく使い勝手のいい脱衣所。
内湯ゾーンはすべて真湯で、内湯「さやの湯」(みかげ石枠伊豆石貼8.9人、電気風呂付)、各種機能浴槽、座湯、熱気風炉(サウナ)、水風呂(壁面炭、17℃、カルキ臭ほとんどなしで快適)。天井は木目調で全体に質感が高いです。難をいえば洗い場がセパレート式じゃないところくらいか・・・。
カラン27、シャワー・シャンプー・ドライヤーあり、土曜13時で20~30人とキャパのわりにはえらく空いていて、何度か源泉露天独占状態になりました。

露天ゾーンに、メイン露天(鉄平石造10人位、東屋付)、源泉露天(同4.5人)、寝転び湯(9人)、壷湯(陶製1人×3)に薬草蒸風炉。浴槽はすべて温泉利用かと思われます。
源泉露天はみかげ石の湯口から加熱源泉を40L/min程度投入し、下段メイン露天へ流し込みのかけ流し。メイン露天は、源泉露天からの流し込み+石の湯口+底面注入で外縁側溝への上面排湯+底面吸湯。加水、加温、濾過循環、塩素系薬剤使用の掲示あり。
壷湯は木樋の湯口からの投入+底面注入でオーバーフロー。

源泉露天のお湯はすばらしいものです。
みどりがかった黄土色のにごり湯は透明度15cm。湯口では新鮮な金気系貝汁臭をベースに土類臭と微こげ臭。湯面では、金気系貝汁臭+土類臭が卓越し、裏に臭素臭やヨウ素臭が潜んでいるような気がします。鮮度がいいためか、アンモニア臭はほとんど感じられませんでした。強塩味にかなり強いだし味と、これに微苦味が混じります。
土類と鉄のキシキシに、湯口付近ではアワつきのぬるが加わります。

強い濃度感と肌に絡みつくような土類系の湯ざわりをもちながら、どことなく落ちついた上品なイメージのお湯は、東京近郊エリアの強食塩泉では貴重です。
すこぶる入り心地のいいお湯なので調子にのって長湯していると、やはり高張泉、身体中の水分をもっていかれてヘロヘロになるので要注意。
浴感的には「法典の湯」よりは土類と鉄が強く、重曹控えめなイメージのお湯に思えました。

メイン露天は、やや赤味の強いうすにごり、壷湯はうす紅茶色透明でともにうがい薬臭ですが、さほど鼻につく感じはなく、ともに相当な濃度感もあるので悪くはないです。
お湯のよさは、源泉露天(ダントツ)> メイン露天 > 壷湯の順かな。

退館は機械精算方式、お客に2度もバーコードを読みとらせる複雑なシステムで、案内員が2人も張りついていました (^^;
また、従業員の応対はおしなべて感じいいのですが、まだまだ不慣れなよう。今後しだいに改善されていくのでしょう。

チェーン系スパ銭の上をいく高質な日帰り施設です。
桃猫。さん情報によると元社長宅ということですが、建築にも相当な投資をかけていると思います。ところどころに置かれている猫足のアンティーク家具などは社長の趣味か?
かりにチェーン系スパ銭がこれをつくったとしたら、必要利益率からして、とてもこの料金では提供できないかと・・・。
よしかさんも指摘されていましたが、競合施設は緊急対応を迫られるのでは?

落ちついた雰囲気といい、絶品の源泉槽といい、「大人の○×」あたりでとりあげられたら、たちまち大ブレークの予感があるので、未湯の方はお早めに・・・。

Na-塩化物強塩温泉 41.0℃、pH=7.6、270L/min(1,500m掘削揚湯)、成分総計=23.91g/kg、Na^+=7842mg/kg (84.60mval%)、K^+=248.2、NH4^+=25.1、Mg^2+=250.3、Ca^2+=672.2、Fe^2+=4.0、Cl^-=14460 (98.81)、Br^-=68.2、I^-=21.6、HCO_3^-=228.2、陽イオン計=9043 (403.2mval)、陰イオン計=14780 (412.8mval)、メタほう酸=16.8 <H16.12.20分析>(源泉名:板橋前野温泉)

〔 2005年12月24日レポ 〕
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