シャープ & ふらっと

半音上がって半音下がる。 それが楽しい、美しい。
思ったこと、感じたことはナチュラルに。  writer カノン

頑張っているお母さん

2007-05-14 15:54:47 | 人とのつながり
私には、同い年の友達がいる。

以前、このブログで紹介したのだが、
理由あって、その後掲載を控えた方である。

しかし、私にとっては本当に良い友達だ。
昨日は、久しぶりにメールで話をした。
男女とか、既婚という意識のない相手である。


小学生の娘さんがいるお母さん。
しかし、心と身体の両方に病気を持ち、
朝から横になることの多い人だ。
だが、娘さんに対しては、
実にしっかりした母親である。

基本的なあいさつや、乗り物の中でのマナーなど、
常に言い聞かせている。
「あたりまえの事から教えないと・・」

そして、習い事なども熱心にさせている。
英会話、習字、公文式、バレーボール・・。
だが、教育ママではない。
「イヤな事を続けてても身にならない。
向かないと思ったらやめなさい、と言ってるんだけどね・・」

娘さんは、どれも頑張って通っているらしい。


朝がきついという。
貧血、めまいは当たり前の毎日。
それでも、お弁当を作らなければならない。

彼女の語る、「朝の、究極の大ボケ談」・・・

「豆腐を切ろうとして、手のひらの上に乗せたのね。
そのまま、何を考えたのか、スッと包丁を引いちゃって・・
まっ赤な豆腐を見て、我にかえったの・・・」

「卵を割ろうとして、お皿ではなく、
うっかり三角コーナーに落としちゃって・・。
その卵が、最後の一個だったのに・・・」

「パートに向かうのに、電車の中で寝ちゃって・・。
携帯が鳴ったんで出たら、店長が、
『遅れる時は電話ぐらいしなさい』と言うんで、
『はい、すみません・・』って言って切ったの。
でも、何で・・? 私、電車乗ってるじゃない。
で、外を見たら、終点で折り返して下り電車になってたの・・」


以前、これらを楽しそうに話してくれたのだが、
無理をしながら、家族のために働いている彼女を考えると、
心底から、笑い話として受け取れなかった。

だが、決して暗い表情は見せず、
愚痴もあっけらかんと話す彼女には、
私も、元気を貰うことが多い。
身体に気をつけながら、
毎日を頑張ってほしいと願っている。



昨日は、母の日。
母に対する感謝や、母をテーマにした話を探していたが、
ふと、とても明るく頑張り屋のお母さんを思い出したので、
一日遅れの、私からの今日の記事にしたい。

メールの「顔」

2007-05-09 16:06:42 | 人とのつながり
ここ何年かの間で、
メールやブログをしている方と何人か、お会いした。
しかし、その「順番」は人により異なる。

最初、メールで知り合って、
のちにお会いした人。

逆に、日常の暮らしの中で出会って、
あとからメールをするようになった人。

この二通りに分かれる。

しかし、ほとんどの人に共通しているのが、
「会った時と、メールでのその人が、一致しない」
ということだ。



前者の、「先メール」の方達は、
実際お会いしてみると、そのイメージとの差が大きい。
良いにつけ失望につけ、
ギャップを感じる時がある。

こんなしっかりしたメールの人が、
こんな慌て者だったなんて・・。

いつも長いメールの人なのに、
お話する時は無口だな・・。

といったパターンである。



後者の「後メール」の方達は、
先に会った分、メールへの期待度も高くなる。
そこからの意外な一面を見たりする。

あんなおとなしい人だったのに、
ずいぶん過激なブログを書く人だな・・。

メール興味なさそうだったけど、
いつもコマメに返信をくれるなぁ・・。

明るい感じの人なのに、
なんでメールは、こんな落ち込む話ばかりなの・・?

というパターンだ。



会って、話をした時の顔が、
当然ながら、「その人」だと思っている。
メールやブログは、その人の「もう一つの顔」にすぎない。
本当の「その人」を見たいから、会いに行くわけだし。

でも・・

数年前、
前者の「先メール」で知り合った人とお会いした。
いつも、寂しがりのメールばかりだった人が、
会った時は、とても明るくよく笑う人で、
(あ、やっぱりこの姿がこの人なんだな)と思った。

しかし、後日その人からメールが届く。
『ごめんなさい。あの日は精一杯自分を作ってました』
メールが、自分の本当の姿だと言い切った。

それ以来、
どちらもが、その人なのだと納得するようになった。


メールで、仲がこじれたことも、何度かある。
私も、このブログをはじめ、メールでは、
「自分ではない自分」を出しているのかもしれない。
いや・・、
こちらが、本当の自分の「顔」だとしたら・・。


みんな、メールの顔を持っている。
それが、本当の顔かどうかは、
自分にしかわからないのではないか。

日本で学び働くこと

2007-03-22 09:44:41 | 人とのつながり
新しい職場は、清掃業という性格上、
外国人のパートさんが多い。
男女とも、中国からの留学生が数人いる。

その中の一人と、話をすることができた。
Tさん。 20歳の女性だ。

昨日、デパートの新人研修が行なわれた。
清掃業である私達も、参加をする。
しかし、昨日はたまたま、清掃フロアからは、
私とTさんだけであった。

彼女は、まだ日本語をあまり読めない。
「研修案内」に書かれてある、「持ち物」を見落としたらしく、
写真もペンも忘れていた。
私は隣に座って、彼女とペンを共用することになる。

提出する書類など、記入項目がたくさんあったが、
そのつど教えながら、彼女も書き写していく。
そして、写真の提出になって、混乱する。
担当者から、
「今日中にスピード写真を撮って、三階にあがって印鑑貰って、
一階に降りて提出して、カードを受け取って・・・」

早口の担当者の言葉がわからず、困惑する彼女。
そこで、私が代わりに聞いて、
ゆっくり説明してあげることにした。

結局、写真を撮って、提出まで付き添った。
帰り道、話を聞くことになる。
Tさんは、中国・大連からの留学生。
日本に来てまだ一年。 日本語学校で学ぶ。
都内のアパートに、同じ留学生の友達と二人で住む。

「どうして日本語を勉強しようと思ったの?」と聞くと、
『大連では、日本語が一番人気あります』
「何が一番大変?」
『言葉と、あと・・お金が高い』
「日本は好き?」
『大好きです』

いろいろと聞いてみたかったが、
駅からの帰り道は反対方向だ。
なにより、ひとつの会話に時間がかかる。
でも、会話をすることの新鮮さを感じたひとときだった。

『ボールペンありがとうございました。失礼します』
実にしっかりした日本語で、彼女は帰って行った。


日本は、外国人が多くなった。
世界一難しい言語、とまで言われる日本で、
日本語を学び、働こうとする留学生。
それぞれの、国や家族が背景にあるとしても、
私は、大変なことだと思うし、
彼・彼女らを「偉いな」と感じている。

日本にきて一年。
Tさんにとって、私も「良い日本の人」であるよう、
頑張らないといけないと思う。
Tさんはじめ、心から、職場の留学生を応援したい。

「もし」という言葉に・・

2007-02-23 09:07:00 | 人とのつながり
「もし」という 言葉のうつろ 人生は 
 あなたに一度 わたしに一度



私の好きな歌人・俵万智さんの、
その中でも好きな歌のひとつである。

人が出会うことと、別れること。
それは、すべて「もし」の世界で成り立っている。


もし、あの時行かなかったら、
もし、あの一言を聞かなかったら、
もし、あのまま帰っていたら・・・

あなたには出会わなかった。


そして、
もし、あの言葉さえ言わなければ、
もし、あの時無理をしなければ、
もし、あんなメールさえ打たなければ・・・

あなたとは別れなかった。


二人の意思で決まっていた毎日。
何も邪魔されることなく、
自分たちが選んだ思い出の数々・・。

でも、すべては、
「もし」に左右されていました。


あなたに一度きりの人生。
わたしにも一度きりの人生。
その、ほんのひとコマだったけど、
決してうつろではなかったと、

そう信じていきたいです。



もうすぐ春が来ます。
新しい世界、新しい人がめぐってきます。
「もし」は、これからも訪れるでしょう。
あなたにも、わたしにも。

同年代女性を悼む

2007-02-05 10:00:38 | 人とのつながり
日本テレビの大杉君枝アナが亡くなった。
自殺らしい。

あまり、テレビも見ないので、
失礼ながら、大杉アナといわれても
どなたか知らなかった。

昨年10月に高齢出産。
それが原因で病気を患い、
悲観して・・ということらしいが。


大杉さんは、享年43歳。
1963年7月4日生まれである。

私と5日違いだ。

同い年の人が亡くなる・・というのは、
身内や知人でなくともショックである。
病気や事故もだが、
ましてや、自ら命を絶ったとなると・・。


大杉さんは、責任感が強く、
仕事にも厳しく向かう反面、
他人との潤滑油的な存在で、
周囲への気配りができる女性だったようだ。

私達の歳になると、
誰もが、何らかの責任者やまとめ役になる事が多い。
会社、地域、家族、友人・・
何もせず、自分ひとりで気ままに、というのは難しい。

自分の力や限界を超える出来事に、
ぶち当たってしまうことも何度もある。
自分の意思とは違うところで・・。

大杉さんは、
悩み事を打ち明けるタイプでもなかったという。
周囲も、それを悔やんでいる。



大杉さんの意思や、周囲の人々に対して、
私がどうこうは言えない。
ただ、
残念でなりません。

ご冥福をお祈りいたします・・・。

最高の演奏

2007-01-29 11:00:20 | 人とのつながり
一枚のCDを聴いた。
一曲だけ収録されている、ピアノ演奏曲。


音楽を学んでいる女性が、
自分の、ピアノ発表会の時の演奏CDを
貸してくれたものである。

力強い、でも流れるような美しい演奏は、
彼女が自ら選んだという、モーツァルトだった。
9分45秒という長い演奏。
しかし、すっかり聴き入ってしまった。


彼女の演奏を聴いたのは、初めてだった。
ふだんの、穏やかなイメージとは違う、
瑞々しく、あふれる若さを感じさせた。
生演奏でなくても、その響きと想いは伝わる。

ピアノはまったく弾けない私。
でも、聴いてみた正直な感想を、
すぐに彼女にメールで伝えた。


「素人まるだしのひどい演奏」と、
謙遜していた彼女だった。
 選曲をミスしたこと。
 連弾がきつかったこと。
 演奏が失敗だったこと。

しかし、
メールの返信には、最後にこうあった。
『過去、そしてこの先で最高の演奏でした』


最高の演奏。
おそらく、その思いと自信があったからこそ、
彼女はこのCDを貸してくれたのだろう。

選曲は正しかったですよ。
連弾、見事でした。
そして・・大成功じゃないですか。

あなたの、最高の演奏だったのだから・・。


ピアノは、演奏者と聴衆の心を結びつける。
『神様がこの世に与えた、最高の贈り物』と言った人もいる。
ヘッドホンから聴こえる、彼女の贈り物。
ぜひ、生演奏を聴いてみたいと、心から感じた一日だった。



写真は、私の好きなピアニスト、仲道郁代さん。
私と同い年で、ずっと応援している。
「素人」の彼女の写真は貼れないので、
仲道さんに、代わりに飾って戴いた。

ふたりとも、子供の大好きな、素敵なピアニストである。

輝くもの

2007-01-25 14:28:16 | 人とのつながり
誕生日やクリスマス、
バレンタインデー、ホワイトデー・・。

特別な日にプレゼントをあげるのは楽しいし、
貰うのはとても嬉しい。

しかし、何の記念日でもなく、
前ぶれもなくフッと貰ったプレゼント・・。
時として、それが大切な宝物になったりする。


喧騒の時間が終わり、
ふたりの空間が過ぎ、
夜の静寂の中で、それを見る。

思わぬプレゼント。
月明かり・・とはいかなかったが、
住宅街の、おぼろげな街灯の下で
私の心をとらえたもの。

そう・・。
あのとき、あなたがこっそり選んでいたものは、
これだったんですね。


ありがとう。
一生大切にします。

きらきらと輝く贈り物と、
選んでくれたあなたのことを・・。

男の炊事当番

2006-07-21 17:15:37 | 人とのつながり
私は、地域の活動として、ある団体に所属している。
今年4月からは、そこの代表責任者になっている。

毎年、夏のこの時期に会合が多く、週1~2回集まっている。
だいたい20~40代の男性ばかり、十数人。
いつも、ビールとおつまみを前にしゃべっているが、
夕食をとらずに来るメンバーが多い。
当然、腹も減る。

昨年は、宅配ピザなどを注文していたが、
これが意外と出費になった。
会の財政も圧迫された今年、
「炊事当番制」を設けた。

一回4,000円。
当番は、この金額内で、好きなものを調達する。
自分で調理しても構わない。
全部、コンビニおかずでも構わない。
とにかく、4,000円以内で、会合までに用意する。

「スーパーの惣菜」組が一番多い。
これも、人によって中身が違う。
焼き鳥に唐揚げ、コロッケなど、
ひたすら肉類ばかり買ってきた者がいた。
かと思えば、漬物だのオカラだのひじきだの、
ヘルシーそのもの、という者もいた。

奥様にすべて任せた者もいる。
その時は、我が家より立派な夕食のおかずが並んだ。
韓国出身の奥様を持つメンバーは、
激辛料理を並べた。でも、全員この時は食べ尽くした。

そば店主のメンバーもいる。
彼が担当した時は、おそらく4,000円を超えた料理が出た。
彼いわく、「あり合わせの物で、簡単に作りました」

中身や品数はさまざまだが、
要は、みんなのために考える、という気持ちが大切だ。
閉店間際のスーパーで、
残っているものを、ありったけかき集めて用意した者もいた。
夜まで、仕事が忙しいメンバーだったが、
とにかく、約束通り用意した、その気持ちが嬉しかった。

明らかな、精神的負担。
でも明らかな、精神的つながり。

今夜の担当だが、当番が急に欠席となったため、
私がすることになった。
このブログを投稿したら、さっそく買いに行くつもりだ。
私もスーパー組だが、肉、魚、野菜とまんべんなく用意する。
種類だけは豊富な責任者、で通っている。

五年後のあなたに

2006-06-08 17:35:40 | 人とのつながり
今日は、あなたの誕生日ですね。

5年前にお会いした時は、まだ19歳だったあなた。
一緒にお酒を飲むこともできず、
あなたは、門限までに帰って行きました。

でも、とても明るく、
前向きなお嬢さんだった、あなた。

そして、
お会いして間もなくの、6月のきょう。
二十歳の誕生日のお祝いに、
聴きたいといっていた、「ジョージ・ウインストン」のCDを贈りました。

あなたからの返事は、もうなかった。
でも、それでいいのです。
新しい出会いと、新鮮な日々に向かって欲しい。
若いあなたにとっては、
私との一日は、ひとつのステップですから。

欲しいと言っていた、彼氏はできましたか?
行きたいといっていた海外には、行ってみましたか?
優しい人ばかり、という職場で今も頑張っていますか?
いえ、もしかしたらもう、
新しい暮らしの中にいるのかもしれませんね。

私も、あなたに会えて本当に良かった。
2年間のペンフレンドさんであったあなたと、
あの日のあなたは、どちらも素敵な女性でした。
あれから5年。
早いですね。

野菜を戴きました

2006-06-03 15:05:21 | 人とのつながり
昨日、近所の銀行員が、野菜を届けてくれた。
大きな小松菜が4把。
一体、どういう事かと聞いたら・・。

この小松菜、市内で農業を営む、
地域活動の仲間が私にと、くれたものらしい。
その仲間というのは、4月24日の記事『同窓生』で書いた、
私の、高校の後輩だ。
この4月から、市内の団体の仲間になり、
話していくうち、お互い同じ高校の出身と知った。

先日彼に、
「うちの近所には八百屋がなく、野菜はスーパーまで買いに行っている」
という話をした。(本当である)  すると彼は、
「なんだ、それなら今度何かお持ちしますよ」と言ったのだ。

私の方は、すっかりそんな事を忘れていたのだが、
昨日、小松菜が穫れたので、
彼と私の家、両方を回っている銀行員に渡したのだという。

その銀行員というのも、共通の団体の仲間なのだが、
私と彼の「野菜の約束」は知らなかったらしい。
銀行員の彼も、同じく小松菜の束を戴いたという。

私の住まいは、典型的な商店街。
一方、後輩の彼は、農業地域。
同じ市内で、車でも10分ほどだが、
その様相はかなり違う。

商店と農家。
それぞれ、良い事も悪い事もある。
だけど、お互いの仕事のことは、よく知らないものだ。
この町に何十年と住んでいるが、
農家の人から、実際に野菜を戴いたのは初めてだ。
それだけ、農業の方とのお付き合いが、今までなかったといえる。

後輩の育てた野菜。
おいしく戴いて、お礼の電話をした。
「あんなに戴いて、申し訳ない。」
彼いわく、「いやあ、山のような量の中の、微々たるもんです。」
そして、「また今度、別の物を届けますよ。楽しみにしていて下さい。」

地域活動は、けっこう大変だ。
でも、こういう繋がりを持てることは、何より幸せである。