シャープ & ふらっと

半音上がって半音下がる。 それが楽しい、美しい。
思ったこと、感じたことはナチュラルに。  writer カノン

銀座のプライドは何処へ

2016-06-26 16:08:34 | 世の中あれこれ
先日、久しぶりに銀座を歩いた。
しかし、あまりの変貌ぶりに、
呆気にとられてしまった。

中国人観光客を中心とした、
いわゆる「爆買い」のツアーの人達だ。
以前から話には聞いていたが、
実際に目の当たりにすると、
かなりのショックを受ける。

大型観光バスが、中央通りに停車し、
ぞろぞろと観光客が降りてくる。
そして、銀座の・・いや、日本最高の目抜通りを、
歩道一杯に広がり、写真を撮り大声で会話し、
一流店の中に、ざわざわ入店していく。

銀座に出来た「ラオックス」や「ユニクロ」に、
人だかりができる。
店の前に座り込み、袋を開ける。

和光の建物をバックに、通行人を気にせず写真を撮る。
三愛の前にタムロする人で、中に入れない。
銀座ライオンは、居酒屋のような雰囲気になり、
とらやの店内では、タンクトップの女の子が、
マックのジュースを飲んでいる。


規制緩和で、中国や台湾からの観光客が増えた。
『高いレベルでの接客』を条例に掲げている銀座の各店も、
最初は、この観光客受け入れに積極的で、
銀座を知ってもらう良いチャンスと思ったようだ。
近年、衰退気味と言われている銀座が、
活性化出来ると思ったのだろう。

しかし、そこが『高い接客の街』だったのだろう。
中国、台湾の人達の、
良くいえばパワー、悪くいえばモラルを、
操縦出来なかったのだろう。
今は、老舗のデパートまで、
中国人相手に、大声で叩き売りのような販売をしているという。

当然、商売である以上、
国籍や爆買いを規制できないし、
全てが大事なお客様だ。
しかし最近では、銀座の老舗各店で、
日本人の常連客・お得意様からの苦情が多いという。
接客が粗雑になり、中国人客に振り回されている事や、
店の雰囲気が変わってしまったという事。
もっと単純なのは、
『店内に入れない』という声もあるという。


中国だろうが台湾だろうが、
海外の観光客が沢山来て、沢山買ってくれる。
それはとても喜ばしい事だと思う。
だが、銀座に関しては、
もう少し、風格や伝統を重んじて欲しいと思う。
さすがの中国人も、
「銀座は、ちょっとよそ行きの街だ。」と思う位でないと、
東京はどこも同じ顔の都市に映る。

今は、老舗も中国人の店員を配置したりしているが、
爆買いも、急速に下火になる可能性がある。
そして、2020年に世界各国の観光客が来た時に、
銀座が、恥ずかしい廃墟のような街になっていない事を願う。