止まれの標識

６日から春の交通安全週間が始まる。

交通安全なんぞ一年365日気をつけなければいけないし、
別に強化期間を設けても・・と思うのだが、
街に警官が出たり、地域の人がテントを出したりすると、
それなりに引き締まる効果はあるのだろう。

実は私は一度、
交通違反で罰金を取られた事がある。
そして、それが後日のヒヤリを免れた。


もう13年も前だが、
東京・立川市の玉川上水駅前で、
止まれの標識を無視してそのまま横断歩道を通過したところ、
隠れていた？白バイに追われて停止させられた。

その時全く違反した自覚はなかった。
初めて通った道で、周囲の建物など気にしていたので、
横断歩道自体気づいていなかった。
もちろん人がいれば止まったが、
誰もいなかったので通りすぎた、という感じだった。

白バイに止められた時も、
『近くで事件があったので目撃したら教えて下さい』
的なことで止められたのかな、と思ったほどだ。

警官は「一時停止の標識見ませんでしたか？」
私が本気でエッ？という顔をしたので、
「ここは初めてですか？」と聞かれ、
そうだと答えると、「初めてなら余計気をつけて下さい」

そして切符を切られ、
「どうぞ安全運転をして下さいね」と言われた。
物腰の柔らかな警官だったが
こっそり隠れて追っかけて来るなんて・・と、
良い気持ちはしなかった。

だがそれ以降、トラウマというべきか、
止まれの標識では、とにかく歩行者がいないとわかっていても
必ず止まるようになった。


それからしばらく経ったある日。

仕事で車を運転していた。
やはり初めての住宅街。
配達なので、家の表札など見ながら走っていた。

ふと視界に止まれの赤い標識が入る。
「いつものように」反射的に止まる。
そこへ自転車に乗った男の子が目の前を横切った。
もし止まらなかったら、確実にぶつかっていた。

あの白バイに止められる前までは、
それほど止まれの標識なんぞ意識になかった。
T字路や、明らかに車が来そうな交差点以外は、
せいぜい減速で通り過ぎていたのだ。


あの時捕まって良かった。
本当にそう思ったものだ。

ネズミ捕りのようなやり方は確かに賛成し難いが、
私のように、ハナから違反した自覚のない者には、
あとあとの事を考えると効果的なのかもしれない。
警官の点数稼ぎとか、小遣い稼ぎなどと言われるが、
違反しなければ良いだけだ。

あの時の白バイも、
隠れていたわけではなく、違反車がいたら注意するために
待機をしていた、と捉えるべきだろう。
自分の非を、相手のやり方にすり替えてはいけない。

写真がその、私が無視した玉川上水駅前の標識だ。
ストリートビューで見たが、
こんなにハッキリ『止まれ』と書いてあった。