シャープ & ふらっと

半音上がって半音下がる。 それが楽しい、美しい。
思ったこと、感じたことはナチュラルに。  writer カノン

卒業式への思い

2016-03-13 19:14:13 | 世の中あれこれ
卒業式シーズンである。
私も、34年前の今日3月13日に、
高校を卒業した。

私の母校はもうない。
都立高校の統廃合により、
2007年春に閉校となった。

高校への母校愛は強かったが、
無くなってしまったのはとにかく寂しい。
高校時代の思い出なんか何もない、
という人の母校が残っている現実に、
不条理を感じる時がある。

しかし、建物はそのまま残っていて、
地域のコミュニティセンターとして、
今も、学んだ教室が有効に使われている。
それだけでも良しと考えたい。

東北の被災地をはじめ、
過疎地などの学校の閉校により、
最後の卒業式というニュースを聞くたびに、
そこの子達の幸を願ってやまない。

母校を無くした人でないと、わからない。


さて昨日は、
会社近くの都立高校で、卒業式があった。
夕方4時頃、その学校の前を通った。
すると、門の前に20人ほどの母親がいる。
いや、生徒はいなかったが、
身なりからして、母親達である。

そこへ、一台の観光バスが到着する。
母親の一人が駆け寄り、運転手に合図をした。
バスは、東京ディズニーリゾートの、
有名オフィシャルホテルの車だった。

いわゆる、『謝恩会』に行くのだろう。
近年、保護者と先生がホテルの会場で、
謝恩会を開くのが主流だという。

しかし、小学校ならともかく、
高校にもなって、親が先生と謝恩会なんて、
そこまで皆さん繋がりが深いんですか?
と思ってしまう。
子供達はまあ、高校生だし、
親と一緒の席なんて嫌がるだろうから、
主役である卒業生不在でも結構だが、
高級ホテルでの謝恩会。
そういう時代なのかと思う。

私達の頃は、高校生にもなれば、
親同士の付き合いなど無かった。
私の母などは、卒業式の時に、
初めて私の親友のお母さんと顔を合わせて、
「最初で最後の」挨拶をしたという。

私も都立高だったので、
昨日の都立高の観光バスには驚きである。


でも、学校が無くなろうが、
親と先生が飲み騒ごうが、
卒業式は、一人一人の心にずっと残る。

なぜなら、
その日は、間違いなく主役だったからである。