シャープ & ふらっと

半音上がって半音下がる。 それが楽しい、美しい。
思ったこと、感じたことはナチュラルに。  writer カノン

ソプラノvsアルト

2009-11-29 04:28:14 | 音楽を聴く

ヘンデル『メサイア』を聴いた。合唱団にいた時にも歌った曲だ。

 

メサイアは、ソプラノよりもアルトのメロディが好きである。

宗教曲は、低音の支えの部分に美しい旋律が多い。

メサイアも、アルトの力が大きい曲だ。

 

ソプラノとアルト。

ソプラノはどうしても華やかなイメージが強いし、アルトは地味な印象を受ける。

テノールとバスの関係とは、少し違う気がする。

女声の差は、聴いていて大きいのだ。

 

合唱団にいた時、 ソプラノに大学生の女の子がいた。 (ちなみに東大の子だった)

この子が学業のため何ヶ月か休団し、 また復帰した時、

団の規則により、ボイスチェックのパート試験を受けた。

ところが、高音域が綺麗に出なくなっていた。 そしてアルトに決まったのである。

するとこの子は、

「ずっとソプラノでやってきたので、アルトなら行きません。 このまま退団します」 と言ったのだ。

これを聞いたアルトのパートリーダーが怒った。 「アルトに来るのが、そんなに屈辱的なことですかっ!!」

 

まあ、この子の気持ちも解らなくもないが、 アルト側の気持ちもよくわかる。

ソプラノとアルトというと、この子の一件を思い出す。

 

第9を歌った時、 アルトのソリストが言った。

「第9では、アルトのソリストは『ギャラドロ』と呼ばれています。 そのくらい、ラク~な歌なんです」

そう言って笑ったのだ。

たしかに第9のアルトソロは目立たない。

 

ところで、 私はテノール、妻はソプラノをやっていた。

今、高1の娘も合唱部に入っているが、 なぜかアルトなのだ。

パートまでは、遺伝は関係ないのか・・??

娘は言う。

「アルトは楽。ソプラノなんてしょっちゅう怒られてるしぃ。

屈辱的? ぜーんぜん。なんでそんな考えになるのかしら」

 

ギャラドロで、なおかつ怒られない。

アルトは得なのか・・?

 

いや、私は昔いた合唱団の会報誌に、

『差し入れのお菓子はソプラノから回される』とコメントしたら、

どちらの女性方からも大笑いされた。

でも、今でもそのイメージは持っている。

 

 

とにかくソプラノとアルト。どちらが重要などという話ではない。

両方なければ、合唱にならないのだから・・。

 


七五三とバイオリン

2009-11-15 12:20:38 | 懐しい話

今日は七五三だ。

11月15日が日曜日に重なり、 しかも、今日の東京は快晴である。

良い日になったようだ。

 

そういえば、 七五三の歌、というのは聞いたことがない。

地方によっては、何かあるのだろうか。

私の七五三・・は、五歳の時になるが、 もう41年前になる。(古すぎる話だが・・)

明治神宮に参拝し、千歳飴を引きずって歩く写真が残っている。

 

この日、親戚が大勢お祝いに来てくれた。

その席で、「バイオリンを聴かせて」とリクエストされた。

私は、4歳の時にバイオリンを始めた。 よく、こんなふうに親戚の前で演奏をしたのだ。

小学生の時は、家庭訪問で先生の前で弾いたこともある。

 

この、七五三の祝いの席で弾いた曲は忘れてしまったが、

親戚の一人が言った言葉は、今も覚えている。

『おばさんね、金婚式って曲が好きなのよ。

おばさんの金婚式の時は、ぜひそれを弾いてちょうだい』

 

金婚式という曲。

その後、それは マリーの「金婚式」だと知る。

結局弾けるところまでいかず、 おばさんとの約束は果たせずじまいだったが、

七五三と金婚式、というミスマッチした言葉が、 今も記憶に残っている。

 

「金婚式」は、ピアノでも演奏されるが、

私は、バイオリンの方が好きだな・・と感じている。

私の両親は、今年4月に金婚式を迎えた。

そして、 あの41年前のおばさんは、

金婚式を共にしたおじさんとともに、 今は眠りについている。

 

金婚式、弾ければよかった。 ちゃんと練習して、聴かせてあげたかったな・・。

今も、ふと思う。