シャープ & ふらっと

半音上がって半音下がる。 それが楽しい、美しい。
思ったこと、感じたことはナチュラルに。  writer カノン

フォークダンスの想い

2010-06-19 12:40:56 | 音楽を聴く

子供達と、ふとした事からフォークダンスの話になった。

しかし、 男子校を出た息子、女子高に通う娘は、

どちらもフォークダンスの経験がないという。

 

フォークダンス。

私は、ずっと共学だったので、 フォークダンスを踊る機会は多かった。

記憶にある一番の古い思い出は、小学3年生の運動会。

『グスタフスコール』だった。

手をつないだ男女4組が、それぞれ正方形の向かい合わせに立ち、

2組ずつが前進して、片足をチョンと出す踊りだ。

(ダンスを文章で表現するのって、難しい・・。)

その後は、6年生になって最後の運動会で、 『コロブチカ』を踊った。

そして中学になると、 林間学校(移動教室だったか)で、

『オクラホマミクサー』を踊る。

 

そして、高校も共学だった私は、 さらにその機会が増える。

体育祭や、文化祭の前夜祭というと、 必ずフォークダンスが登場した。

『マイム・マイム』か、オクラホマ・ミクサーだった。

高校ともなれば、当然『手をつなぎたい相手』がいる。

フォークダンスは、 合理的かつ芸術的に手をつなげる、絶好の手段だった。

 

しかし、マイム・マイムには欠点があった。

最後まで「両隣ずっと同じ相手」ということだ。

お気に入りの相手ならば、長く手をつないでいられるこの踊りは歓迎だ。

でも、もし逆だったら・・。

 

そして、次々に相手が変わるオクラホマミクサーにも欠点があった。

こちらは、一曲12~13人程度と代わる曲だ。

しかし、それだけに運・不運もあったりして、

『手をつなぎたい相手』に辿り着かない不満が出る。

 

高2の文化祭の時、 その不満を聞いた音楽の先生が提案する。

「それなら、全員と手をつなげるまで踊りましょう」

 

かくして、 前夜祭では、オクラホマミクサーを延々流し続けた。

だが、当時8クラス、男女とも180人ずつという我が校では、

全員回りきるところまで行かなかった。

でもこの時、『飽きた』という声は聞かれなかった。

延々と流れる曲は、次々に新しい相手がめぐって来る。

文句を言う者などいなかった。

マイム・マイムは1年生の時の文化祭で踊ったが、

もしかしたら、あの時も文句なんて出ていなかったのかもしれない。

フォークダンスって、そういう気持ちになれるのだろう。

 

 

マイム・マイムで、右隣でずっと手をにぎり続けたKさんは、

その後、私の子供と幼稚園が同じになりそこで再会する。

オクラホマミクサーで、一番最後に相手になったSさんは、

今、イギリスで暮らしているという。

 

フォークダンスは、ちょっぴり大人になった気がしたものだ。

異性との手の触れ合い。 相手への誠実な動作。

そして、指先の温かさから伝わる想い・・。

 

私は、幸せ者だったのかもしれない。