過去、このブログでも記したが、
銀座は外人ばかりの、雑然とした街になった。
老舗店が姿を消し、店構えが変わった目抜きの中央通りだが、
私が昔から行く店は、今もそこにある。
7丁目のヤマハ銀座店。
高校生の頃から、楽譜やCDを買いにわざわざ行った店だ。
品数が豊富とか、質が良いとか、そういう事ではなく、
銀座の音楽専門店に来たというだけで、
すごくお洒落な雰囲気に浸れたのである。
高校1年の時、
社会の授業で、グループ毎に一つのテーマを設け、
それを発表するという機会があった。
その時、同じグループだった男女6人で、
『株式会社日本楽器について』というテーマを選んだ。
現・ヤマハの旧名である。
そして、学校の帰りに6人で銀座まで行き、
このヤマハの店でいろいろ調べた事がある。
制服のまま、女子と一緒に銀座に行ったなどというのは、
あとへも先へもこの時だけだ。
スコアやCDを買っただけでなく、
ここのヤマハホールで、
私が好きなピアニストの仲道郁代さんのコンサートがあり、
サインを戴いた思い出の場所でもある。
しかし、昔はもっと使い勝手の良い店だった。
CDもスコアも、まとめて見やすく並べてあった。
ところが今は、薄暗い照明のフロアに、
どういう順に並んでいるのかわからないようなスコアが、
お洒落なようで雑然と置いてある。
まるで、今の銀座の街のようだ。
ともあれ、この店に来ると、
合唱団時代や、その後の音楽に関わった自分を思い出す。
何かを好きになり、夢中になった時代に、
足しげく通った店といえば、私はこのヤマハ銀座店なのである。
日常に追われ、趣味も没頭出来なくなった今だが、
店頭でスコアを手にすると、
自分の楽しみは、やっぱり音楽なんだと再認識する。
もう一度、合唱をやってみたいな・・。