NHK-BSを見ていたら、
偶然「空港ピアノ」という番組に出会った。
イタリア・シチリア島の空港の出発ロビーに、
一台のピアノが置かれている。
誰でも自由に弾いて良いのだが、
そのピアノに向かう人々を描く。
子供が寄ってきて2~3音叩くのは、
こういうピアノでは定番の光景だが、
大人がさりげなく座り、メロディーを弾き始め、
ロビーがしばし音楽に包まれる。
昔弾いた曲を懐かしみながら弾く若者。
音楽学校を卒業した人、
その逆にこれから進学する高校生。
音楽セラピスト、
今現在音楽を指導する人、
作詞家、
独学でピアノを弾いている人もいる。
様々な人々がロビーのピアノに向かい、
心で演奏する。
そして、弾き終えると、
周囲の人々から拍手が起こる。
一流のビアニストのコンサートに何万も出し、
くどい程のカーテンコールがピアノの真髄と、
そう思うのも結構だ。
だが、
素人が、弾こうと思って向かったピアノこそ、
心に響くものなのではないか。
さりげない15分ほどの番組「空港ピアノ」は、
音楽とは何かを、あらためて教えてくれる。