今日、60歳になった。
還暦である。
いや、それにしても、
還暦なんて、相当な年寄りの名称という気がしていたが、
実際に到達してみても、
自分で自分に違和感を感じる。
たしかに頭も体も、若い時と比べれば落ちているが、
そんなに自分が年寄りだなんて感じていない。
店では相変わらずお客さんから、『お兄さん』と呼ばれる。
喜んでいるわけではないが。
昔と比べれば、今の60歳はまだ若い部類だ。
私の周囲でも、3~4歳上の人が大勢いるが、
男性は皆若い、兄貴的な感じの人が多く、
女性は、まだ大学生くらいに見えるような人もいる。
そういう中にいると、
自分も精神的に老けないということか。
『村の渡しの船頭さんは 今年六十のおじいさん』
という童謡『船頭さん』。
この歌詞がずっと頭にあり、
60歳って大年寄り、人生終わり、のような感があった。
でも今は、60歳なんてまだ人生の半分のような気がする。
近所に『シルバー人材センター』がある。
ここは、60歳から入会可能だという。
しかし、実際にここに勤めている72歳の方に聞くと、
『最年少は私。』と答えられた。
ここはまだまだ、入門にも至らないようだ。
60代か・・。
音楽も楽しみたい。
色々な街も歩いてみたい。
そして、さすがに恋愛までいかなくても、
人を好きになり、心豊かに過ごせる人生も続けていきたい。
そう考えると、
還暦は、人生終わりどころか、
クラシックでいえば第三楽章というところか。
壮大なラストの第四楽章に向けて、
新しい旋律やリズムを刻み、
昂揚させるメロディが第三楽章にはある。
ならば、これからではないか。
第三楽章のタクトを振るのは、自分自身なのだから。