統一地方選挙たけなわである。
私の住む市も、23日が市議会議員選挙の投票日だ。
今週は選挙カーが走りまくっている。
おそらく、ヤマトや佐川の車よりも多く見かけているように思う。
選挙に、選挙カーやお願い電話は付きものだが、
そもそもこんなのは昭和の手段である。
ネットでなんでも情報が得られるこの令和の時代、
相変わらず選挙カーから名前を連呼する効果はあるのか?
もちろん候補者30人近い中から一人を選ぶのだから、
名前や政策のアピールは必要である。
しかし、名前の連呼は
『とにかくこの名前を書いて投票して下さい』と、
刷り込みを目的にしているやり方で、
有権者を小馬鹿にしたような印象を受ける。
逆に先日通った選挙カーは、
『・・の充実、福祉、学校、市役所の・・』
と細かなセリフが多く、結局どの候補者かわからず通り過ぎた。
新人の、若い候補者などは歩きながらマイクで喋る人も多いが、
これはこれで、段々近づいてくる圧迫感がある。
しかし、今年はこういう問題が世間でも浸透しているせいか、
今回の選挙カーは総じて静かなアナウンスが多い。
それから、ウグイス嬢ではなく本人が喋る車も多い。
中にはウグイス嬢よりも綺麗な声の女性候補者もいる。
電話で突然『○○党の△△です』も、正直迷惑だ。
私は商店なので、とにかく電話はすべて取らなければならない。
そこに選挙のお願いが来るとウンザリだ。
市議選だと地元の人なので、むげに切るわけにいかないし、
聞かざるを得ない。
だが先日のある候補者の電話は、
『コロナで苦しい戦いです。私は3人兄弟の長男として幼少から・・』
と身の上話を始めた。
それも本人ではなく、支持者が台本を棒読みしているようだ。
さすがに、「わかりました。忙しいので!」と言って切った。
市議などは何党でも良い。
ちゃんと市民の、ご近所さんの声を聞いて動いてくれる人ならば、
誰でも良いと思っている。
しかし、市議会だよりなどを見ると、
国の予算に異論だことの、働く環境がどうだの、少子化がどうだの、
市の枠から外れた質問をしている市議が多い。
隣近所の困り事も、国に要求しなければならないのか。
市内の、古くからの農家のある地域などは、
市議選を「4年に一度のお祭り」と待ち望んでいる人も多いらしい。
だいたい選挙などというのは、
投票してやって議員にしてあげる、
つまり他人の仕事の斡旋をしてあげてるのだ。
選挙カーの騒音や、仕事中の電話に文句も言えずに。
そう言いながらも、私は投票には、
国政選挙も市議選も、ほとんど欠かさず行っている。
私もまた、この不思議なシステムを
お祭りのように楽しんでいるのかもしれない。