シャープ & ふらっと

半音上がって半音下がる。 それが楽しい、美しい。
思ったこと、感じたことはナチュラルに。  writer カノン

選挙に思う

2023-04-20 22:53:15 | 世の中あれこれ

統一地方選挙たけなわである。

私の住む市も、23日が市議会議員選挙の投票日だ。

今週は選挙カーが走りまくっている。

おそらく、ヤマトや佐川の車よりも多く見かけているように思う。

 

選挙に、選挙カーやお願い電話は付きものだが、

そもそもこんなのは昭和の手段である。

ネットでなんでも情報が得られるこの令和の時代、

相変わらず選挙カーから名前を連呼する効果はあるのか?

 

もちろん候補者30人近い中から一人を選ぶのだから、

名前や政策のアピールは必要である。

しかし、名前の連呼は

『とにかくこの名前を書いて投票して下さい』と、

刷り込みを目的にしているやり方で、

有権者を小馬鹿にしたような印象を受ける。

 

逆に先日通った選挙カーは、

『・・の充実、福祉、学校、市役所の・・』

と細かなセリフが多く、結局どの候補者かわからず通り過ぎた。

新人の、若い候補者などは歩きながらマイクで喋る人も多いが、

これはこれで、段々近づいてくる圧迫感がある。

 

しかし、今年はこういう問題が世間でも浸透しているせいか、

今回の選挙カーは総じて静かなアナウンスが多い。

それから、ウグイス嬢ではなく本人が喋る車も多い。

中にはウグイス嬢よりも綺麗な声の女性候補者もいる。

 

電話で突然『○○党の△△です』も、正直迷惑だ。

私は商店なので、とにかく電話はすべて取らなければならない。

そこに選挙のお願いが来るとウンザリだ。

市議選だと地元の人なので、むげに切るわけにいかないし、

聞かざるを得ない。

だが先日のある候補者の電話は、

『コロナで苦しい戦いです。私は3人兄弟の長男として幼少から・・』

と身の上話を始めた。

それも本人ではなく、支持者が台本を棒読みしているようだ。

さすがに、「わかりました。忙しいので!」と言って切った。

 

市議などは何党でも良い。

ちゃんと市民の、ご近所さんの声を聞いて動いてくれる人ならば、

誰でも良いと思っている。

しかし、市議会だよりなどを見ると、

国の予算に異論だことの、働く環境がどうだの、少子化がどうだの、

市の枠から外れた質問をしている市議が多い。

隣近所の困り事も、国に要求しなければならないのか。

 

 

市内の、古くからの農家のある地域などは、

市議選を「4年に一度のお祭り」と待ち望んでいる人も多いらしい。

だいたい選挙などというのは、

投票してやって議員にしてあげる、

つまり他人の仕事の斡旋をしてあげてるのだ。

選挙カーの騒音や、仕事中の電話に文句も言えずに。

 

 

そう言いながらも、私は投票には、

国政選挙も市議選も、ほとんど欠かさず行っている。

私もまた、この不思議なシステムを

お祭りのように楽しんでいるのかもしれない。

 


Energy flow

2023-04-04 11:36:55 | 音楽を聴く

坂本龍一さんが亡くなった。

 

氏の作曲した『Energy flow』は、

聞いただけで泣けてくる曲だ。

わずか5分で作曲したという曲らしいが、

このメロディーから受ける思い出は

誰の胸にも一生残るものだ。

 

この曲が作られたのが1999年。

CDもスコアも買った。

この曲をピアノで弾いてもらおうと、

音大のピアノ専攻の女性に頼んだ事がある。

2007年だった。

 

しかし、1986年生まれの彼女はこの曲を知らなかった。

そこでスコアを見せたところ、

『こんなに音がぶつかる曲は初めてかも』と言った。

坂本龍一氏は

『この曲がなぜヒットしたのかわからない』と言ったようだが、

おそらく、ご自身では大した出来栄えではなかったのだろう。

音がぶつかる作品となった所以だ。

 

でも、それが日本人の心を打ったのだと思う。

希望のある元気な今風の曲も良いが、

静かに、涙するメロディーに終わるこの『Energy flow』は、

大人の旋律という思いを抱く。