シャープ & ふらっと

半音上がって半音下がる。 それが楽しい、美しい。
思ったこと、感じたことはナチュラルに。  writer カノン

30年になる

2015-08-12 18:19:35 | 世の中あれこれ
東京発大阪行きの日航ジャンボ機が

長野県佐久市で消息を絶ちました


夜8時。
テレビはついていたが、家族の誰も見ていなかった。
しかし、臨時ニュースを告げるチャイムが聞こえ、
何かあったのかと、テレビに目をやった。

そして表れたテロップが冒頭の文字だった。


今でも、この時のチャイムと、
このテロップは忘れる事が出来ない。

そのあとのテレビは、この事故の報道だけだった。
混乱の羽田空港の中継では、
灰皿か何かを倒した音が激しく響く。
どこにマイクを向け、何の映像を撮るかも決められず
突然スタジオにマイクが向けられ、
水を飲んでいる司会者が映ったりもした。

南相木村、御座山、ぶどう峠。
初めて聞く地名が、右往左往している。
『まだ墜落現場はわかりません』
何度も同じ言葉が飛び交う。

ようやく羽田空港に、
乗客の名簿が貼り出された。
NHKのレポーターが、一人一人の名を読み始めた。
しかしあまりの数に、途中でこう言った。
『まだ続けますか?』

スタジオの司会者が、
『今、皆さんが一番知りたいのは乗客の方のお名前です。
そのまま続けて下さい』と促した。

このレポーターの一言は、NHKらしい報道の姿勢だと、
後日非難される事になる。



その後の深夜、
うちの上空ではヘリコプターの音が何度か聞こえた。
この、ヘリの音も忘れられない。


あの日から30年経った。
当時私は22歳。
そして今、娘が22歳になる。

それだけでも、長い月日が経ったと思うが、
つい先日のような出来事に感じる。

暑い夏だった。