AMASHINと戦慄

~STARLESS & AMASHIN BLOG~
日々ブログレッシヴに生きる

鳥取旅行記その5 ~大山と植田石造空間~

2012年08月31日 | 名所ガイド、巡礼記
家畜くさいトム・ソーヤ牧場から脱出した我々が次に向かった先は、壮麗きわだかなる大山を見晴るかす大地に凛と佇んでいるという植田正治写真美術館。
ご存知私は写真展などに足を運ぶ趣味など全く持ち合わせてないし、写真を撮る目的だけのためにどこかへ出かけていくといった熱心なカメラ野郎でもない。いまだに壊れかけのコニカミノルタのデジカメ使ってるし。
大山周辺マップに載ってたこの美術館のちょっとアンティークな建築フォルムがおもしろかったので、せっかく鳥取くんだりまで来たんだし大山撮影も兼ねて行ってみたろかという気になったのだ。

鳥取の片田舎の延々と広がる緑一色の田園地帯に、威風堂々と聳え立っている奇妙奇天烈な灰色の石造建築物。
ここが植田正治写真美術館である。



【植田正治さんって?】
1913年、水木しげる先生と同じ鳥取県境港市生まれの写真家。

地元に留まりつづけ、山陰の空・地平線・砂丘を背景として、被写体をまるでオブジェのごとく配置した植田氏の演出写真は、写真誕生の地フランスでも日本語表記そのままにUeda-cho(植田調)という言葉で世界からも高い評価を得ているとのこと。2000年7月4日死去(享年88歳)


いや、まぁ写真うんぬんは置いといて、先ほどのガキがひしめく炎天下の中の動物園とはうって変わって、この空調の行き届いた石壁の広々としたアートフルな落ちついた空間が、私に一時の平穏を与えてくれた。
ここで一日中、午後ティー飲みながら心行くまでクトゥルー本を読めたらどんなに神秘的で最高だろう。



壁面に世界規模の巨大レンズが埋め込まれた映像展示室では、植田氏の生い立ちやライフワークを紹介するプログラムが上映されていたが、正直気を失いかけてしまった。
この部屋自体が巨大なカメラの内部となっており、カメラの光学原理を体験できるという仕組み(外の大山風景がレンズを通って部屋の壁に逆さに映し出されるというもの)になっとったが、アイデアは壮大でおもしろいとは思うが、まぁたいしたことはなかった。



まぁでも、展示写真をずっと見てると不思議なもので、だんだんこの植田マジックにはまってきている自分がいて、おもわず物販の植田グッズを購入。


このオブジェ的演出写真は、なんとなくヒプノシスを髣髴とさせるものがあり、前衛的プログレバンドのアルバムジャケットにも合うのではないかと。


さらば、大山。ありがとう、鳥取。



この後、ちかくのインター乗り場に行ったら、「ETC限定IC」とかぬかしとって「なんや、一般車両に非情なこの国のやり方は・・・これっていじめとちゃうか?」と憤りを感じながら車を走らせてると、いつの間にやら大山麓のわけわからん山道に迷い込んでしまい、どえらいタイムロスをくらって半泣きになった。
高速にのってサービスエリアで昼飯にありつけたのは15時をまわった頃だった。


鳥取旅行記 おわり。


今日の1曲:『飽和』/ Lily Chou-Chou
コメント
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