AMASHINと戦慄

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土佐の残虐王

2023年06月12日 | 名所ガイド、巡礼記
個人的には、日本のハードロックバンド人間椅子の2ndアルバム『桜の森の満開の下』のジャケットで馴染み深い、幕末土佐の天才絵師”絵金”。


絵金が生まれた土佐、高知県では、毎年夏になると、県内各所の神社の境内や商店街の軒下に絵金の屏風絵が飾られ、提灯やロウソクの揺らめく火で浮かびあがらせるという、大変魅力的でおどろおどろしい行事が開催される。
私もいつかこの行事を現地まで観に行きたい!と、常日頃思っておるのですが、なかなか行く機会がなくって・・・


そこで!大阪のあべのハルカス美術館が、その高知の夏祭りを疑似体験させてくれる?『絵金展』を開催してくれたので、先週の土曜、色々大阪で寄りたいところもあったので、天王寺まで馳せ参じた。





あべのハルカス。
ここもなんだかんだ数年前の人間椅子のライブで訪れた時以来かな。



入ったビルの入り口を間違えて、催し会場まで辿り着くのに苦労した。
絵金さんも生前、まさかこんなビルの高層階に自分の絵が展示されるなんて、思ってもみなかったろうな。
しかも今回高知県外の展示は、なんと半世紀ぶりなんだとか。


受付カウンター。いざ絵金展へ!



カウンター後ろの丸フレーム絵金。



血しぶきが飛び、生首がころがる絵金の残酷絵の現物。
もちろん撮影はNG。
いやー、やっぱり迫力ありますよ。
各作品の解説を読むと、いろんな昔の言い伝えによる侍同士の復讐劇や、男女関係のもつれによる殺傷事件、四谷怪談、中には痴話喧嘩の仲裁をしてるシーンとか、とにかく穏やかでない、ただ事ならぬ風景がその絵金の画力によって色彩豊かにダイナミックに描かれている。

コミカルなタッチの絵巻物なんかもあって、土佐の年間風俗を表したものだとか、震災時の町の様子を記録したものもあって、なかなか興味深かった。
その中で、なぜか蛸が地上の畑の作物をドロボーしてるファンタジックな場面が描かれてる画はユニークで面白かった。


そして、ここから撮影OKの絵金祭りコーナー。
けっこうな人だかり。みんな残酷な絵が好きなんだなぁ~




高知の神社では参道に「絵馬台」というやぐらを組んで、芝居屏風を飾る。



場内の照明も提灯が明滅したり、ブラックライトを施したりと、美術館ならではの祭りの雰囲気を出そうと工夫を凝らしてくれている。



てながあしなが?







絵馬提灯型の絵金コーナーもあった。

石川五右衛門釜茹の連図が大変興味深かった。



はい、出来上がり。












SNS投稿キャンペーンやってて、その場で投稿してカウンターで絵金チロルチョコをもらう。



絵金プリクラ。今回は見合わせた。



いやいや、インスタ映えする写真もいっぱい撮れたし、物販で散財してナイスな絵金アイテムもゲットできたし、行ってよかったと思う。


でもやっぱ現地のあの幽玄なる祭りの雰囲気は、50%も出せてなかったのではないか。
まぁ美術館施設の整った内装では限界があるわな。
絵金の絵は、やっぱロウソクの灯りで鑑賞したかったってのもある。
防火防災の安全上、それは無理なんだけどね。


なので、家帰って物販コーナーでゲットした屏風ポストカードで、ひとりおうち絵金祭りを開催してみました。
手頃なロウソク立てがなかったので、画鋲を代用しております。




あべのハルカス『絵金展』は今週末まで。

興味ある方は是非。

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