新・日記どす(DOS)

写真は「ビートルズ」のヘルプごっこ(笑)~音楽からB級スポット訪問記まで、幅広くいろんなことを…笑いをこめて…綴ります~

名古屋市美術館の特別展「「シャガール 三次元の世界~キャンヴァスから飛び出す恋人や動物たち~」

2018-01-13 00:00:50 | 博物館・美術館
私…なんだか



休日は

B級スポットをみつけては
ウロウロしてるよーに思われがちですが…



さりげなく…笑




絵画鑑賞

大好きなんですよ!!!



もし…
自己プロフィールで
「趣味」という欄があるとすれば



「絵画鑑賞」

…と書くくらい???



「絵画鑑賞」好きなんですよ!!







…ってことで




名古屋市美術館で開催されている


特別展「シャガール展 三次元の世界~キャンヴァスから飛び出す恋人や動物たち~」


に行ってきました…

















このシャガール展


今回は
絵画のみならず
彫刻と陶器などの立体作品を合わせての展示




実は…私…
シャガールは
以前…

ピカソと並列した特別展示で
絵画は観たことがあっても
彫刻と陶器などの立体作品を観た憶えがなくて…






…で驚いたことは

シャガールが
60歳を過ぎて…60歳半ばになって初めて
陶器…そして…その2年後に彫刻と立体作品に取り組むようになったとか…






私自身に返してみると
人生…50歳を過ぎて
もう…ぼちぼち人生の下り坂だよな…なんて思ってましたが…



このシャガールの生きた年譜を…そして
陶器…彫刻の作品群をみて…




人生…まだまだだな…
これからも…イロイロありそうだな…って
ポジティブに思った次第!!




はい…
単純に…笑…元気づけられました!!




シャガールと言えば…


正直キュビズムで理解しにくいかな…なんて思われがちですが
生きた時代と作品を照らし合わせることによって
実に…伝わりやすい…
想いを…ストレートに表現している作品がほとんど…



心理四原色の色遣いが…もう圧巻でして

なんといっても
シャガールはブルーの色遣いがお見事!!
…といった印象をもってたのですが
今回の展示でさらに感じたのが

「レッド」さらには「グリーン」


これらがインパクトを与えるのに
十分で…
描かれている世界は


訳の分からない動物たちが突然キャンパスに描かれたり
そこに恋人や花束…
それら感じていることを1枚のキャンパスに組み入れちゃうという
摩訶不思議な世界観…


ただの幻想的な絵と…一言では言い表せない世界観



それは

絵から
「愛」「幸福」
あるいは
「別れ」「ユダヤ人としての迫害」「孤独」


そういった感情が絵画からあふれ出しているから…







さてさて
告知の案内看板にも載っていた
こちらの絵…








「誕生日」


今回の「シャガール展」で最初に見られる作品…



絵の解説では
浮遊しているかのように
よじれている男性がシャガール本人で、
黒いドレスを着ている女性が近い将来妻になるベラ

シャガールの誕生日にベラが花束をもって、
シャガールが振り向きざまにベラにキスをする場面を絵画にしたそうな…



いやあ…
この作品を始めとして




いたるところで
奥さんになる…奥さんになったベラさんが
シャガール本人と接吻をしている場面…
これは…立体作品でも描かれていまして…



絵画から…
陶器から…
彫刻から…


伝わってくる…
情熱的な愛…



重力を感じさせない独特のふわふわ感…
脈絡なく登場する
ロバや牛や鳥などが1枚のキャンパスに同時に描かれてる不思議な世界観


その中から
伝わってくる「愛」





絵画を観て

感じたことは



「今、感じている…幸せ…あるいは、嫌なつらい出来事でも…心にあること、残っていることを、1枚のキャンパスに同時に表現しちゃってる…」

…って
フツーの他の画家では同じ1枚のキャンパスには…
描かないような
世界を描いちゃってるということ…





フツーの画家なら
幸せな恋人たち(自分自身)を描くならそれで1枚の絵画…


沈んだ気持ちを描くなら…それで1枚の絵画…


…と描くと思うんだよね…



ここに写真で
掲載できないのが残念だけど





「回想」という油彩画がありまして
4つのシーンが描かれていて
そのシーンをシャガールが回想してるのが手に取るようにわかる!わかる!!


花嫁…そして…よく描かれる愛の象徴である「花束」

しかし分割された場面では…
故郷ヴィテブスクが…ユダヤ系の街で
ナチスによって…壊滅された街の悲しい光景(心象風景)など
4つの象徴的な印象的な色遣いで…
それも…それらの場面が…切り離されてはなくて
繋がっていて…思わず見惚れる
じっと立ち止まって
シャガールに成り代わって回想しちゃいたいほどの感動的な1枚の絵画でした…




もう1枚
私が…


心に残った作品を紹介すると…



「天蓋の花嫁」




大きな花束の左側に描かれている
花嫁と花婿は…祝福されて…というよりも…
幻想的な世界を浮遊するように…やがては…天に昇るように縦に伸びている
注目すべきは…二重肖像になった花嫁の顔
亡きベラと当時のパートナー、ヴァヴァの顔が…真っ二つで半分ずつ描かれているのである…
それをまとめて抱きしめているシャガール本人…




フツーなら
亡きベラを追悼の意をこめて描くなら…
ベラだけの絵を…



今の幸せを描くなら
この時点でのパートナー、ヴァヴァだけを描くと思うんだよね…




亡き前妻と、この時点での
妻を同じ1枚のキャンパスの中に描いてしまうこの感覚…




正直言って
驚きました!!!








最後に展示してあったのは

「ヴァヴァの肖像」


この後妻のイギリス人の女性が居なければ再び作品を作ろうと言う気力が湧き出てこなかったんじゃないだろうか…



この頃は
亡きベラは…よき思い出となり
ヴァヴァに寄り添って
…愛のある人生のラストを過ごしたんじゃないかと…

大理石の「ヴァヴァ」は実に穏やかな表情で




シャガールが愛に包まれた生涯



この特別展は
ハッピーエンドでした!!





ユダヤ人として生まれた故郷の崩壊…
亡きベラの死…




悲しい時は
その想いが溢れる…心に突き刺さる絵を…



幸せなときは
抱き合う二人
結婚式
花束

そして…幻想的に描かれた動物たちが
祝福しているような絵画



心の想いをストレートに
配置等構わず思いのままに
表現したシャガール



その過ごした時代の作品を
時系列に立体作品とともに眺めることによって



自叙伝の伝記ものの映画をみたような
感動に包まれたのでした…