1日空いちゃいましたが、
まだ続けます~。
タチの悪い団体に知らずに参加して、
初顔合わせに出たときの話でした。
大量のアンサンブルに、アンダーキャストの発表?
ここは、どんな所なんだ??
と混乱しているうちに、
いよいよもって、驚きの発表が・・・。
たとえば、私の役が「メアリー」だったとすると、
「メアリー役のアンダーキャストは、
Aさん、Bさん、Cさん、Dさん。
この方たちは、メアリーの台詞を、
覚えておいてください」
と、こんな感じで、どのメインキャストにも、
アンダー、つまり代役の人の名前が、
ずらりと読み上げられたのです。
いやいやいや、
普通、アンダーなんて、いても1人。
大劇場のロングラン公演だって、
そんな沢山作らないって!
と、ドン引きしている私をよそに、
名前が呼ばれた人たちは、
嬉々として、メモったり、
メアリーの台詞にマルをつけたり。
「私、メアリーだって!」
とお隣とおしゃべりしたり・・・。
そうか!
その姿を見て、やっとわかりました。
要するに、メアリーならメアリーの台詞を、
覚えようとすることで、
自分がその役になったような、
錯覚をおこすんですね。
そして台詞を覚える、
という作業をすることで、
満足感が持てる。
自分の役には台詞がないので、
「ユメ」を見られるんです。
まず叶うことのない「ユメ」を。
いやぁ・・・、
これを考えた人の見事な悪知恵に、
ある意味、感心してしまいました。
しかし、面と向かって、
「私、望子さんのアンダーなので、
今、台詞覚えてます!」
なんて言われるのは、
あまり気分のいいもんじゃありません。
だって、アンダーというものは、
本役(この場合、私)が、
大事故か重病にでもならない限り、
必要ないんですから。
もしかして、階段から突き落とされるんじゃ
なんてビビりましたが、
ご本人は、なーんにもわかってなくて、
いたって無邪気に言っただけ。
つまり、この「幻のアンダーキャスト」は、
何も知らないアンサンブルの新人さんたちには、
効果絶大だったんです。
そして、そんな錯覚のまま、
新人さんたちは、
次なる仕事へと駆り出されていきます。
(写真はイメージです)
(つづく)
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