舞台にいる5人がそれぞれ、
さりげなく、ドアに注目しながら、
たぶん全員が考えていたのが、
これ以上開いたらどうするか??
私も、写真のように、
泣き崩れる安達先生を気遣いながら、
頭の中はフル回転。

役柄として、向こうにいる2人は、
絶対にドアにはさわれない。
安達先生も、当然、無理。
泣きながらドア閉めたら、
そこですべてが終わってしまう(笑)
さわれるとしたら青田先生か私だけど、
距離的に考えたら、
私が閉めるしかないな。
と腹をくくったところで、このシーンが終了。
ラッキーなことに、ドアは、
うすく開いたところで、止まってくれました

*
それ以来、安達先生は、
ドアを叩いているように見せて、
ドアの周りを叩いておりました(笑)
軽く叩けばいいじゃないか、
と思われるかもしれませんが、
気持ちを込めて叩くときに、
全く力を入れずに叩くっていうのは、
できることはできても、
集中力が切れちゃうんですね。
だから、こういう危ない状態の時は、
叩く場所を変えて、
力いっぱい叩く方がいいんです。
ちなみに私が安達先生をやった舞台で、
ドアが壊れたときは、
左手でドアノブを持ちながら、ドアを叩きました

*
こうやって全体を見ると、
このマルで囲った、
たったこれだけのドアなんです。

正面から見ると、これ。

この作品はどこでもたいがい、
このようなセットになるのですが、
ちょっとのぞけば、相手が見えちゃう、
そんなドアの両側で、
懸命に演じる役者と、
壁があるものとして、
普通に見てくださるお客様。
当たり前のようでいて、
ものすごい想像力の共有というか、
一種の共犯関係。
やっぱり、どんなにトラブっても、
この感覚がいいんでしょうね。
(つづく)
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