望子のただいま稽古チュッ!

稽古、公演、プライベート
・・・オバサン役者、木村望子の日々。

舞台の裏のウラ話<恐怖の崩壊事件・その4>

2020-05-28 16:11:16 | 舞台・ウラ話

舞台にいる5人がそれぞれ、
さりげなく、ドアに注目しながら、

たぶん全員が考えていたのが、


  これ以上開いたらどうするか??


私も、写真のように、
泣き崩れる安達先生を気遣いながら、
頭の中はフル回転。


役柄として、向こうにいる2人は、
絶対にドアにはさわれない。

安達先生も、当然、無理。
泣きながらドア閉めたら、
そこですべてが終わってしまう(笑)

さわれるとしたら青田先生か私だけど、

距離的に考えたら、
私が閉めるしかないな。

と腹をくくったところで、このシーンが終了。


ラッキーなことに、ドアは、
うすく開いたところで、止まってくれました

     *

それ以来、安達先生は、
ドアを叩いているように見せて、
ドアの周りを叩いておりました(笑)

軽く叩けばいいじゃないか、
と思われるかもしれませんが、

気持ちを込めて叩くときに、
全く力を入れずに叩くっていうのは、

できることはできても、
集中力が切れちゃうんですね。


だから、こういう危ない状態の時は、
叩く場所を変えて、
力いっぱい叩く方がいいんです。

ちなみに私が安達先生をやった舞台で、
ドアが壊れたときは、
左手でドアノブを持ちながら、ドアを叩きました

     *

こうやって全体を見ると、
このマルで囲った、
たったこれだけのドアなんです。


正面から見ると、これ。



この作品はどこでもたいがい、
このようなセットになるのですが、

ちょっとのぞけば、相手が見えちゃう、
そんなドアの両側で、
懸命に演じる役者と、

壁があるものとして、
普通に見てくださるお客様。


当たり前のようでいて、
ものすごい想像力の共有というか、
一種の共犯関係。

やっぱり、どんなにトラブっても、
この感覚がいいんでしょうね。


    (つづく)




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