端布に恋した私

小さな端布を 縫い集めてつくるパッチワークは 
私の楽しい趣味の一つです。

蚊 帳

2014-07-21 | 思うこと

 

   

         蚊帳すてて    昭和が一つ    消えゆけり       伊藤 信昭

 

月曜日の朝の新聞の楽しみは 歌壇と俳壇です。 

インクの香りをかぎつつ さーと広げて読みます。

ゆっくり時間を見つけて 再度目を通すのは 午前中だったり お昼ご飯の後だったり 夜寝る前だったり 翌日だったりします。

この夏 横着ものの私 思い切り蚊にかまれてしまいました。 蚊取りの準備を怠けていました。

見た目によらず 皮膚が弱く 爪をかけて思いっきり掻けば 一夏中の 傷になります。

そうです 子供のころは 蚊帳でした。

6畳の部屋に 蚊帳を吊り 姉弟3人で 寝ていました。  貧乏暮らしの我が家ですから 安物の蚊帳だったのでしょう。

寝相悪く 端の方の垂れているところで涎など垂らして寝たことなら 朝は大変でした。

顔の青い染料を 母に蒸しタオルでとってもらっていました。

蚊帳に入るときの 要領は父が厳しく注意していました。 蚊帳と向き合い正座し 2 ,3 回裾をふりふりして さーと入る これが基本でした。

蚊帳の中は 別世界のように感じられ 子供の想像力を 広げていました。

骨董市などで 麻のぼかしの上等の蚊帳を見るたび 幼いころの 我が家の貧乏を 確認しています。

今朝の俳句の作者 まだ蚊帳を大事に保管しておられたのでしょうか。 齢を重ねて 身辺の整理をしなくてはと考えられたのでしょうか。

沢山の思い出を思い返しておられるのが しのばれます。

蚊帳を張って寝る 夏の夜を知る世代も 少なくなりました。

友達の 加代子さん 蚊帳を柿渋で染めて 洋服にリメイクした残りの端布 素敵な花にして 頂きました。

蚊帳を張り 家中を開け 月明かりを眺めていた あんな昔が 懐かしく思い出されます。

コメント (4)
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