端布に恋した私

小さな端布を 縫い集めてつくるパッチワークは 
私の楽しい趣味の一つです。

火 種

2020-12-19 | 趣味

子供ころ 隙間風の多い貧乏長屋でしたが 寒い寒い冬の朝 

子供が布団から出るころには火鉢に 真っ赤な赤い火が用意されていました。

昨晩の 灰に埋もれた種火は新しい炭に 燃え移っていました。

正月前には 大きい炭俵が用意され 炭籠に入れて 用意するのは

私の役目でした。

用意された火箸の 輪に息をかけ 輪が動くのは 父の唯一つの 手品でした。

八十歳を過ぎて 難問を抱え 悶々として あんなに夢中になっていた

針仕事も白けています。

先日 ふとしたきっかけで ぼろ布を広げ 小物を作り 友達にプレゼントしたら

思いがけず 喜んでいただき 気分だけは少しやってみようと 火がつきました。

人間 一人では生きていけないと つくづく思っています。