超人日記・俳句

俳句を中心に、短歌や随筆も登場します。

#俳句・川柳ブログ 

<span itemprop="headline">歌曲と縄文とグルジア料理</span>

2010-05-17 00:59:33 | 無題
今日は珈琲を飲み、野ばらの入っているシューベルトの歌曲集を聞き、ブック・オフで買った梅原猛氏の「森の思想が人類を救う」の前半を読む。縄文文化の名残りを留めているのがアイヌと沖縄の人々だという。
アイヌのイオマンテの熊送りの儀礼は、熊はあの世から肉という土産を持ってこの世に遊びに来ていて、人間に肉や団子や酒で歓待されて送り返されると、今度は別の熊がこの世に土産を持って訪れるという発想に基づいている、という。沖縄には海の向こうのニライカナイという楽園があって死んだら魂はそこに行くという。どちらも魂がこの世とあの世を循環するという思想があって、それが日本人の信仰の源流にあるという。私も沖縄に訪れたとき、御嶽という聖域の森を見て、神社の鎮守の杜の原郷をみた思いをした記憶がある。沖縄の人とアイヌの人が縄文人の直系であるという確証はないが興味深い話である。
その縄文のアニミズムの上に、最澄の「山川草木悉有仏性」や親鸞の「還相廻向」が花開くのだが、本を閉じて、友人と待ち合わせた吉祥寺のグルジア料理も扱うカフェ・ロシアに行く。グルジア料理のコース・セットを頼んだが、ナスにクルミのペーストを挟んだ料理、ニシン(?)の刺身、ニシンのジャーキー、キャベツの酢のもの、チーズ入りのピタパン、メインに蒸し鶏を食べ、汁粉のような甘くて粉が底に残るグルジア・コーヒーを飲んだ。
その場で友人にエチオピアのジャズとか、ジム・オルークとか、オーネット・コールマンとか、富田勲のニュース解説のテーマ音楽とか、カエターノ・ヴェローゾとジルベルト・ジルなど内容の濃すぎる曲の入ったMDを解説付きでもらう。そのあと、公園口のクラシック喫茶で談笑し、大学時代、思想家の顔をデザインしたTシャツを着て歩き変わり者扱いをされた失敗談などを話す。
縄文文化の名残りとされる刺身がロシア・グルジア料理に出てきて奇妙な縁を感じる。ひょっとしたらシベリア辺りで二つの話題が出会うのではないかと夢想する。そういえば、梅原猛氏の縄文論はエリアーデの「シャーマニズム」を想起させる。


コメント
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