明日の葉っぱ(8×8)=69

思いつくまま 気のむくまま書いてます。

コウキシン

2020-02-19 21:17:00 | 散文 詩 

長い長い坂道の上で

白いレースの日傘をもった

その人は


あの子の

手を引いて

僕を待っていた。


入道雲が噴火煙のように

坂の上から湧き立つ


長い長いアスファルトの坂は

陽炎の向こう


白いサマードレスのその人は

異国人のようで

水彩画の微笑みで僕の来るのを

待っている。


「こっちよ


あの子が手招きする。


知らない道

知らない町

ここまでは

来たことのない道



白日夢のような

夏の日の午後


追いついたと思えば

離されて

まるで蜃気楼


不釣り合いなコントラスト


あの子は夏の妖精

あの人は天使

僕は迷い込んだ旅人


行先を告げずに

先を急ぐ二人

好奇心が加速する


ジャスミンの花の香り

散らして

緑の木陰で

僕をみて微笑んでいる


僕も

微かに

ぎこちなく

微笑み返す


汗ばんだ額の汗を

ぬぐいもぜすに










強い気持ち 強い愛 小沢健二

2020-02-19 13:15:00 | 僕の音楽日記




90年代後期から2000年代に突入していく音楽シーンには
僕は気持ちがついていってなかった時期。

色んなジャンルが出尽くした感の中
それぞれ
オーディエンスが
チョイスできる環境は整えつつあり、
「これが好き」「これが嫌い」
「これ聞く」「これ聞かない」
好む好まざる中
それでも音楽は流れてくるし、
否応なしに耳に入ってくる。

自分にとって心地よい音楽なら
聞き耳たてて、手を止めて
立ち止まって
聞いてしまう

良いフレーズ
良い歌詞
キャッチーな、自分にとって
キャッチーな
ところに引っかかれば
それはもう
自分にとってはいい歌いい曲。

小沢健二さんの
「カローラⅡにのって」のヒットの後のシングル曲の
つぎにヒットしたという
「強い気持ち 強い愛」

ダンサブルな曲調でブラス
ストリングスが少し70年代の香りを
醸し出している

やはり作曲は筒美京平さんだ!
歌唱音域はやや低めだけど
歌いづらい曲のような気もするけど
ハイトーンボイスを潜めながら
低音から高音までうまく歌いこなしている小沢健二さん

さすが音楽家の血筋をうけて
いるだけのことはある。



強い気持ち
強い愛
心をギュッとつなぐ
幾つもの悲しみを残らず
捧げあう
今のこの気持ち
本当だよね…





このフレーズで決まってる感じ。強い気持ち
強い愛

愛を語るにはまだ
この若造が…
なのだが…
愛の形は人それぞれ
愛の歌を軽々しく
歌うのも
90年代以降の音楽シーンでは
オールオッケーなのだ。

60年代
70年代
での「愛」は重たく
崇高な価値をもつ
そんな雰囲気を醸し出していた
「愛の歌」は
演歌の専売特許だったし、
フォーク、ニューミュージックでも
なかなか
「愛」を軽々しく歌う、聞くのには
多分抵抗があったと思う。

嘘っぱちな「愛」の重さは
それこそ
曲調でどうにでもなるとばかりに

歌われていったのだ。



強い気持ち…
はきっと
強い愛に
裏打ちされたもの
だと
信じたい。

それは
僕には
難しいことで

まず、強い気持ちが持てない…
軟弱で女々しい
僕は
強い気持ちを維持できない

「愛」という言葉も重くて
持てない感じ。

なにせ、お坊ちゃん育ちなので

橋の下で拾われ、
箸より
重たいものを持ったことがない
わけで…

重たいものは
物でも
愛でも
なかなか持ちきれないわけで…


きっと、強い気持ちでいられたら
もっと僕の愛は
強いものになるのだろうと思うのだが…

軽さの中に重さがある
小沢健二さん。