不況下で明暗分かれる外食チェーン 低価格だけではない「勝ち組の新常識」(ダイヤモンド・オンライン) - goo ニュース
(前略)昨年後半からの客足減により、「吉野家」(吉野家ホールディングス)は09年2月期通期の営業利益が前年から約42%も落ち込んだ。「すき家」「なか卯」などを展開するゼンショーも、09年3月期通期の業績予想を下方修正しており、同約54%の営業減益に陥る見込みだという。
とはいえ、不況下の低価格志向により、直近では客足が伸びている。そのため吉野家は、4月上旬から下旬にかけて牛丼などを50円引きで販売、ゼンショーもこれに対抗して、牛丼とカレーの価格を20~50円引き下げるなど、各社はお客の囲い込みに躍起になっている。
だが、「安易な低価格戦略や大規模な出店計画に無理がないかは、気になるところ」(業界関係者)というのがホンネである。
ファーストフード店がコーヒーに力を入れ始めたため、スターバックス、タリーズ(タリーズコーヒージャパン)、ドトールコーヒー(ドトール・日レスホールディングス)などのコーヒーショップも油断はできない。
たとえばマクドナルドは、高級豆のみを使用した「プレミアムローストコーヒー」など、昨年から100円台前半で飲める高級志向のコーヒーを手がけ始めた。
これに対抗して、各コーヒーショップはメニューの見直しや値下げを検討している。だが、「今後ファーストフード店とコーヒーショップは、朝食マーケットで“ガチンコ勝負”に陥り、コーヒーショップからお客が分散してしまうのでは」(業界関係者)という不安が募っている。
不況になれば外食需要が落ち込むことは、想像に難くない。だが、「同じ不況下でも、戦略のよし悪しにより、各社の明暗が確実に分かれ始めている」(鮫島室長)のは確かだろう。
もはや、安いだけではお客は振り向いてくれなくなった。安さとクオリティの両立こそが、「外食チェーンの新常識」になり始めたのだ。
(ダイヤモンド・オンライン 小尾拓也)