あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

取ったー

2006-03-23 19:08:37 | 術者、勉強になった症例
今日は、ついに待ちに待ったあの日がやってきた。朝、CABG患者の麻酔かけているとBB先生がニヤニヤしながらグッドニュースを運んできてくれた。
「聞いたか?、今日はお前の童貞卒業の日やー」とのお言葉、もしやと思ったらやはり、ついに内胸動脈採取のチャンスがきた。今月の初めに許可をいただいてはいたが、なかなか両側内胸のCABGも無く見送り状態であったが、今日の方は小太りのおばあちゃん、脂肪のなかにIMAが浮かんでいて、ビギナーには最高の症例である。うちの上司いわく、IMAとSVGの取りやすさは相反するとのこと、SVGは脂肪が無いほうが取りやすいが、IMAは脂肪が無いと胸骨にひっついて取りにくいのである。BB先生のご指導を受けながら何とか採取、気がつけば一時間近くたっており、タイムリミットギリギリであった。樋上先生のDVDを何べんも見てイメージは抜群であったが、樋上先生のように中枢側までハーモニックでは出来ず、電メスのお世話になった。ついでにCABGの前立ちもやらせてもらったが、CXの助手はむずかしかった。
BB先生の最初のアドバイスは、なんと、、、自分がIMAとるときはIMA取るほうの胸骨を厚めに切ると取りやすいと、ただし反対側は開胸器に近くて取りづらくなるが、アメリカにいたときは、やつらは平気でそういうことをしてたらしい。自分がとりやすければそれでいい、相手は関係なし、しかもライバルを落とし込めるといった、非常にシビアな世界である。やっぱアメリカって、こえー。
今日の反省点は末梢の分岐のあとで事なきを得たが、少し焼けどさせてしまったと思われる、調子に乗ってハーモニック当てすぎたかもしれない。
とりあえず今日は合格?ということにさせてもらい、また、次も失敗しないようがんばるのである。また樋上先生のDVD見よおっと。