あぽいち

温泉とヨガ、たまに心臓外科医

今週もアピール

2010-03-31 01:01:24 | Weblog
先日、ボスと出張手術にお供しまして、帰りの列車の中で、いろいろとアピールして、CABGのうんちくをいろいろ教えていただきました。話の流れから、今週も、またOFFCABGの症例を担当させていただくこととなりました。
全身の動脈硬化のひどい方で、LADは心尖部しか隙間が無く、LITAの先端でかろうじて届く程度でした。また、ターゲットのCXは完全に心筋内走行で根元しか出ておらず、ボスにせっせせっせと掘っていただき、吻合しました。
非常に勉強になりましたが、4本の予定が血管が悪く2本となってしまい、やや物足りな感が残りましたが、練習の成果でしょうか、先週は1本で30分かかっていましたが、今回は19分と13分で吻合できました。先週の反省点をふまえ、ボスに注意された点を重点的に見直して練習しましたので。
吻合は基本で、練習を積み重ねれば、ある程度は誰でもできるようになると思います。
バイパスでほんとに難しいのは、血管を出して、切開を入れるまでだと思います。
埋まってたり、ボロボロだったりいろいろです。
血管を綺麗に出せないと、真ん中がわからず、真ん中がわからないまま切って、吻合が難しくなって、吻合が難しいで、出血したり追加吻合したり、最後は開存率が悪くて、PCI繰り返して、透析になってと泥沼です。ちょっと極端ですがね。
でも、ボスいわく、バイパスの基本は内胸動脈の剥離にあると申します。
つまりは、デリケートな内胸動脈をいかに短時間で綺麗に取れるか、血管の扱いが雑ですと、出血するし、余計な雑物が残るし、焦げるわ解離するわ、しまいにはグラフトデザインを変えなくてはならなくなります。
内胸動脈を綺麗に30分以内で取れればバイパスをやる資格があると申しています。
たしかにその通りと思われる。
また、次のチャンスを生かせるように練習に励みたいと思います。