週末の重賞回顧をいたします。
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まずは阪神のアーリントンC。勝ったのは、ルーラーシップ産駒ディスペランツァ。中団待機で脚を溜めます。逃げたポッドテオの前半3ハロンのラップは35秒8と超スローの流れに。当然ながら、直線に入ると瞬発力勝負になりました。まず、逃げ粘るポッドテオの横からリアルスティール産駒アレンジャーが先頭に立ちますが、大外からグレーターロンドン産駒チャンネルトンネルとディスペランツァの2頭が猛然と追い込んできます。そのうち、ディスペランツァが1/2馬身抜け出して勝利。良の勝ちタイムは1分34秒1。2着にはアレンジャー、ハナ差の3着にチャンネルトンネル、さらに1/2馬身差の4着には、後方から追い込んできたロードカナロア産駒ワールドエンド。
勝ったディスペランツァは、マイル路線に転じてから2連勝で重賞初勝利。NHKマイルCでも十分に争覇権にあると思います。それにしても、モレイラ騎手は先週が阪神牝馬Sと桜花賞、ここでまたアーリントンCと重賞レースの騎乗機会3連勝という離れ業。恐れ入ります。
2着のアレンジャーは、好位置から粘り込んだ内容。アレンジャー自身も上り32秒9ですので、よく走っていますが、それよりも切れ味のある馬がいたということ。3着チャンネルトンネルはもう勝ったと思った瞬間に、外からモレイラ騎手のディスペランツァに差されての3着。この馬も幼さが消えて、地力を見せてくれました。本番が楽しみ。
次はアンタレスS。勝ったのは、ダノンレジェンド産駒の6歳牡馬ミッキーヌチバナ。中団待機で脚を溜めます。逃げたテーオードレフォンの前半1000mのラップは1分1秒5とややスローな流れに。直線に入るととまず、2番手からキングカメハメハ産駒スレイマンが先頭に立ちます。この外からキズナ産駒ハギノアレグリアスとミッキーヌチバナの2頭が迫りますが、そのうちミッキーヌチバナが前のスレイマンを交わしてクビ差で勝利。ダート良の勝ちタイムは1分51秒2。2着スレイマンから1馬身1/2差の3着にはハギノアレグリアス。
勝ったミッキーヌチバナは嬉しい重賞初勝利。6歳になって本格化しましたが、父ダノンレジェンドの産駒は、古馬になってからも成長が止まらないのが特徴。ここからの活躍が楽しみであります。
2着スレイマンは、すでに重賞級の地力を見せてくれました。ジェンティルドンナの半弟という良血で、重賞勝利も近いと思います。1番人気で3着ハギノアレグリアは、3月のダイオライト記念の激走の疲労が少し残っていたのか、ラストの叩き合いで伸びきれませんでした。
そしてGⅠ皐月賞。勝ったのは、キズナ産駒ジャスティンミラノ。好スタートから5番手追走へ。逃げたメイショウタバルの前半1000mのラップは57秒5と速く流れる展開に。直線に入るとまず、3番手からパレスマリス産駒ジャンタルマンタルが抜け出します。これを追いかけて、ジャスティンミラノとアルアイン産駒コスモキュランタが猛然と迫り、ゴール手前でジャスティンミラノがクビ差だけ前に出て勝利。良の勝ちタイムは1分57秒1(コースレコード)。2着にはコスモキュランタ、1/2馬身差の3着にジャンタルマンタル、さらに1馬身1/2差の4着には、後方から追い込んできたスワーヴリチャード産駒アーバンシック、クビ差5着には、中団から差してきたシユーニ産駒シンエンペラー。
勝ったジャスティンミラノは、デビューから3連勝でGⅠ皐月賞を勝利。初の右回り、初の超ハイペースも関係ありませんでした。4コーナー手前でジャンタルマンタルに置いていかれる場面がありましたが、直線に入ってから再度スピードに乗って差し切るあたりはさすがという感じ。やはり、広い府中の馬場の方が向いていると思いますので、ダービーは不動の本命になると思います。
ちなみにジャスティンミラノの調教に日頃から乗っていたのは、10日に亡くなった藤岡康太騎手でした。友道調教師・戸崎圭太騎手ともに、インタビューの第一声は「康太が後押ししてくれた」「康太が見守ってくれた」。レース直後には、お二人が号泣する姿がTV中継でも流されておりました。自分も貰泣きをいたしました。
2着のコスモキュランタは惜しいレースでした。勝ち馬とは、位置取りの差だけと言っても良いので、ダービーでの巻き返しに期待しましょう。それにしても、モレイラ騎手は先週が桜花賞を含め重賞2勝で、今週も重賞1勝+GⅠ2着ですから、恐ろしい限りでありました。
3着ジャンタルマンタルは、直線半ばではもう勝ったと思ったくらいの悔しい敗戦。それでも、やはり2000mは少し長いのかもしれません。恐らく次走はダービーだと思いますが、NHKマイルCならば必勝態勢で臨めるはずですが・・。4着アーバンシックは唯一、後方待機組からの入着で、地力の高さを見せました。ダービーも面白い存在だと思います。
1番人気で6着となった牝馬レガレイラは、14番手の位置取りが敗因。上り3ハロンは、エコロヴァルツと並んで33秒9と最速でした。この日の中山は超高速馬場でしたから、もう少し積極的な位置取りであったならば・・。やはりルメール騎手が乗れなかった時点で厳しかったということ。