表題の「2021年生まれ 世代別サイヤーランキング」とは、大激戦だった2023年のJRA2歳リーディングサイヤー争いの続きであります。すなわち、昨年のダービー翌週から始まるJRA新馬戦から、今年のダービー当日までの3歳戦すべてにおける種牡馬成績ランキングを指します。
「世代別サイヤーランキング」は、産駒一世代だけの種牡馬ランキングなので、ベテランの種牡馬も、新種牡馬も、基本は同じ条件での比較になります。今後の種牡馬トレンドを見ていく上、旬な指標になるもの。
本日はその中間成績の報告です。
2021年生まれ 世代別サイヤーランキングの中間成績(4月14日時点)は以下のとおり。
第1位 キズナ 勝利数67勝 AEI 2.34 賞金12億29百万円
第2位 エピファネイア 勝利数48勝 AEI 1.86 賞金09億11百万円
第3位 スワーヴリチャード 勝利数31勝 AEI 2.38 賞金06億41百万円
第4位 モーリス 勝利数37勝 AEI 1.73 賞金05億65百万円
第5位 ロードカナロア 勝利数40勝 AEI 1.57 賞金05億32百万円
第6位 ドルフォン 勝利数37勝 AEI 1.26 賞金04億97百万円
第7位 ダイワメジャー 勝利数18勝 AEI 2.08 賞金04億71百万円
第8位 リアルスティール 勝利数39勝 AEI 1.58 賞金04億68百万円
第9位 ニューイヤーズデイ 勝利数33勝 AEI 1.25 賞金03億75百万円
第10位 ドゥラメンテ 勝利数23勝 AEI 1.03 賞金03億58百万円
第11位 ブリックスアンドモルタル 勝利数24勝 AEI 1.00 賞金03億55百万円
第12位 ルーラーシップ 勝利数28勝 AEI 1.44 賞金03億41百万円
第13位 レイデオロ 勝利数28勝 AEI 0.83 賞金03億15百万円
第14位 ゴールドシップ 勝利数17勝 AEI 1.25 賞金02億92百万円
第15位 パレスマリス 勝利数07勝 AEI11.61 賞金02億71百万円
第16位 マジェスティックウォリアー 勝利数23勝 AEI 0.85 賞金02億62百万円
第17位 ヘニーヒューズ 勝利数19勝 AEI 1.30 賞金02億52百万円
第18位 デクラレーションオブウォー 勝利数14勝 AEI 0.85 賞金02億34百万円
第19位 カリフォルニアクローム 勝利数20勝 AEI 0.91 賞金02億30百万円
第20位 リオンディーズ 勝利数14勝 AEI 0.78 賞金02億28百万円
「2023年の2歳リーディングサイヤー」争いでは最後の最後で、キズナがエピファネイアを大逆転で破りましたが、皐月賞終了時点での「2021年生まれ 世代別サイヤーランキング」も、上位4位までは暮れの順位と変動はありませんでした。
2024年4月14日時点での第1位は、キズナ。順調に勝ち数を67勝まで伸ばすとともに、ついに念願の3歳クラシック制覇をジャスティンミラノで実現しました。その他でも、クイーンズウォークのクイーンS、ジャスティンミラノの共同通信杯、シックスペンスのスプリングSの重賞制覇があり、獲得賞金では第2位のエピファネイアに3億円以上の差をつけている状況。このあとも、オークス・ダービーに有力馬を複数参戦させる予定ですので、大差で世代別リーディングサイヤーとなる可能性が高まっています。ここをきっかけに、種牡馬キズナは、ディープインパクトおよびキングカメハメハの跡を継ぐ大種牡馬へ飛躍していくのかもしれません。
第2位には、エピファネイア。エピファネイアもステレンボッシュが桜花賞を制覇するとともに、イフェイオンがフェアリーS、ダノンデサイルが京成杯、ビザンチンドリームがきさらぎ賞を勝って、素晴らしい成績をあげています。トップのキズナの成績が凄すぎるだけで、通常の年ならばエピファネイアがダントツ1位でもおかしくありません。オークス・ダービーでの逆転を期するところ。
第3位は、新種牡馬のスワーヴリチャード。昨年にレガレイラでGⅠホープフルS、コラソンビートでGⅡ京王杯2歳Sを勝ったあとも、スウィープフィートでチューリップ賞を制するなど勢いは止まっていません。AEIは2.38とトップのキズナを上回る実績となっています。スワーヴリチャードも、オークス・ダービーに有力馬を出走させる予定なので、まだまだ一発逆転の可能性は残されています。
第4位のモーリスは、ダノンマッキンリーがファルコンSを制して、NHKマイルC制覇を狙っているところ。AEIも1.73と高いレベルを維持していて、一時期よりも安定的に産駒が活躍しています。
新種牡馬の成績を見てみましょう。第3位のスワーヴリチャードのほか、第9位のニューイヤーズデイ、第11位のブリックアンドモルタル、第13位のレイデオロが新種牡馬であり、4頭もベスト15に入る年は珍しい。特にスワーヴリチャードは、勝利数、AEI、賞金額ともに素晴らしい成績。スワーヴリチャードは、昨年3月に亡くなった父ハーツクライの後継種牡馬の座を確固たるものにしたと言って良いでしょう。
なお2022年のJRA2歳リーディング第1位で、2023年はJRAリーディングサイヤーに輝いた大種牡馬ドゥラメンテが、この時点でようやく第10位に顔を出してきました。フラワーCを勝ったミアネーロはオークスの秘密兵器と言われており、3年連続でオークス制覇を実現することで何とか意地を見せたいところ。
ちなみに【ご参考データ】として、
2023年 JRA2歳種牡馬成績トップ10位の最終結果 は以下のとおりです。
第1位 キズナ 勝利数32勝 AEI 1.76 賞金4億42百万円
第2位 エピファネイア 勝利数33勝 AEI 1.56 賞金4億15百万円
第3位 スワーヴリチャード 勝利数25勝 AEI 2.32 賞金4億02百万円
第4位 モーリス 勝利数22勝 AEI 1.80 賞金3億38百万円
第5位 ドルフィン 勝利数25勝 AEI 1.32 賞金2億70百万円
第6位 ロードカナロア 勝利数21勝 AEI 1.66 賞金2億69百万円
第7位 ダイワメジャー 勝利数12勝 AEI 1.71 賞金2億49百万円
第8位 リアルスティール 勝利数19勝 AEI 1.68 賞金2億39百万円
第9位 ブリックスアンドモルタル 勝利数16勝 AEI 1.24 賞金2億21百万円
第10位 ニューイヤーズデイ 勝利数16勝 AEI 1.18 賞金1億91百万円
「2021年生まれ 世代別サイヤーランキング」の最終結果は、日本ダービーが開催される2024年5月26日に確定致します。
次代のスーパー種牡馬の誕生がなるか否か、大変楽しみであります!