久しぶりに将棋をテーマにいたします。
将棋界のトップ棋士が集うリーグ戦であり、また藤井聡太名人への挑戦者を決める闘いでもある「A級順位戦」が佳境を迎えています。
A級棋士10名による一斉対決となった1月31日の対局の結果、藤井聡太名人への挑戦者を決める争いは、6勝2敗の豊島将之九段と5勝3敗の永瀬拓矢九段、同じく5勝3敗の菅井竜也八段の3名に絞られました。次の最終対局で、豊島九段と菅井八段は直接対決となりますので、これに豊島九段が勝てば名人挑戦者に決定。また菅井八段が勝ち、永瀬九段も最終対局の中村太地八段に勝てば、3名によるプレーオフへ突入することになります。
熾烈な闘いとなっているのは、挑戦権争いだけではありません。10名のうち下位2名がA級から陥落する仕組ですので、このA級残留争いはもっと熾烈な闘いとなっています。
まず、現在3勝5敗同士の斎藤慎太郎八段と佐々木勇気八段が次の最終対局で直接対決となりますので、佐々木八段は負ければ3勝6敗でA級陥落が決まり、斎藤八段も負けると、他の棋士の結果如何ではありますが、A級陥落の可能性が大となります。
実は、このA級残留争いは、同じ成績で並んだ場合、リーグ戦開始時に予め決められた「順位」によって下位の方が陥落するルールになっています。そして予め決められた「順位」は、前期の成績によって決まります。
今回の残留争いでは、3勝6敗で何名かが並ぶ可能性があります。また、陥落する2名のうち、1名が3勝6敗、もう1名が4勝5敗で数名が並ぶ可能性もあります。
最終対局を残す現在、3勝6敗で並ぶ可能性がある棋士は、現在3勝5敗である広瀬章人九段(順位2位)、斎藤慎太郎八段(順位5位)、稲葉陽八段(順位7位)、佐々木勇気八段(順位9位)の4名。
また4勝5敗で並ぶ可能性がある棋士となると、渡辺明九段(順位1位)、佐藤天彦九段(順位8位)、中村太地八段(順位10位)、広瀬章人九段(順位2位)、斎藤慎太郎八段(順位5位)、稲葉陽八段(順位7位)、佐々木勇気八段(順位9位)の7名。こうなると、挑戦者争いをしている3名以外は、全員が残留争いをしていることになります。まぁ何と熾烈な闘いであることか!
現実的には、現在3勝5敗の4名は、負けてしまえばもう絶望的。また、現在4勝4敗の棋士でも、順位が低い中村太地八段や佐藤天彦九段は、最終対局で負けてしまうといきなりピンチになってしまいます。
A級順位戦の最終対局は、2月29日(木)に静岡県静岡市の「浮月楼」にて一斉対局で行われます。「将棋界の一番長い日」の激闘を楽しみにいたしましょう!