豊島竜王は、天下布武を目指す「織田信長」、渡辺明名人は、それを阻止する戦国最強の「武田信玄」、そして藤井聡太二冠は、のちの天下人である「徳川家康」、それでは、四強の最後の一角、永瀬王座は?
ついに決めました。「北条氏康」です!
え! 何それ? 誰それ? などと言うなかれ!
北条氏康は、武田信玄や今川義元と同世代、小田原北条氏の第三代当主で、甲斐・駿河と三国同盟を結んで、越後の上杉謙信に対抗した戦国武将です。今川義元が倒れたあとは、対武田信玄のために、三河の徳川家康と連携しつつ、一方で駿河をめぐっては、徳川とも競合いを続ける関係で、ここはまるで、藤井聡太二冠と永瀬王座との関係にそっくりです。
また、天下一の名城である小田原城の主であり、上杉謙信が怒涛の攻撃を仕掛けてきても、小田原城ならば籠城という鉄則を守って、けして、むやみやたらに攻撃を仕掛けることはありませんでした。千日手で籠城し、長期戦へ持ち込む闘い方も、永瀬王座そっくりです。
少し地味な戦国武将に思えるかもしれませんが、小田原北条一族は、もし秀吉の天下統一が無かりせば、東日本に広大な独立国家を作り上げたのでは?と言われる一族であり、北条氏康はその中興の祖とも言うべき、幻の天下人。将棋界の四強の一角を例える戦国武将として、相応しい存在だと思います。
ところで、本日から王将戦七番勝負第2局が行われます。会場は大阪府高槻市の山水館。武田信玄 対 北条氏康の熱戦(あるいは捩じり合いか?)を期待致しましょう!