N の 祝祭日

映画、読書などのメモ

祈りの幕が下りる時

2018-03-05 | 

 

★祈りの幕が下りる時(講談社文庫)
著者:東野圭吾
出版社: 講談社


加賀は体格がよく、精悍な顔つきをした人物だった。
三十歳前後だろうか。彫りが深く目つきが鋭い。
いかにも正義感が強そうな印象を受けた。
差し出された名刺には、
警視庁捜査一課という職場名が記されていた。
(本文より)


映画《麒麟の翼》での阿部寛そのものである。
阿部寛の姿が頭から離れず、本を読んだ。


登場人物の視点がそれぞれに重なりあい、
《過去の記憶》が濃密に炙りだされる。
《人の想い》が重なることで
《物語の時間》が生まれることを改めて認識。
ねっちりした人情物を読んでいる感覚。
浪花節みたいな。
東野圭吾はやっぱり大阪人やなぁ。


とくに東野ファンというわけではないが
《東野圭吾恐るべし》と再び納得した一作。


ちなみに、
いままで読んだ東野作品の中では、
『容疑者Xの献身』が深く身震いする。 



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