A&K の NOTES

あちこちスケッチ行脚 。映画館で映画を見ることが楽しみ。いつか何処かでお会いしましょう。

塩田千春展−流れる水 ー

2009-08-26 | 展覧会

 

 

★塩田千春展−流れる水 ー
入善町下山芸術の森 発電所美術館

塩田千春さんの作品は、以前、大阪の国立国際美術館で見ています。
塩田さんの作品は「生と死の表現」と紹介されていますが、
まさにかなり直接的に「生と死」と向き合う事を要求してきます。
都会の中の展示空間ではインパクトある表現性を発揮してくれます。

 

今回の展示空間は発電所美術館。
北陸の田園の中、
しかも旧発電所ということでいろんな装置がそのまま残る非常に素朴で荒々しい空間です。
塩田さんの作品がどういうメッセージを発してくれるか興味がありました。
この発電所美術館へは過去に数回訪れているので、
(斎藤義重はよかった。感動した!)
展示空間の有り様と辺り一帯の自然はよくわかっています。
美術館として再出発するまえの建物を写生した記憶もあります。


想像したとおり、
あの天井の高さを利用し、
ベッドをいくつも重ね積み上げた上り竜のようなインスタレーションでした。
まわりの空間に負けずと荒々しく、
そして痛々しさも出ていて、
「おお!」いかにも塩田さんの作品だと思いました。
係の人が頃合いを見計らって装置を作動させる、
真上辺りから流れるシャワーのような水にも驚かされます。


ある種の強烈な感情を引き出してくれます。
が、今までの都会の展示空間で感じる「生と死に向き合う」感覚ではありませんでした。
発電所内の装置と同化し、廃材の積み重ねのような感覚。
正直この感覚には困りました。

 

この作品が、発電所ではなく、
都会の孤独が漂う空間であれば違った感情が生まれたことでしょう。

 

河岸段丘の上に建てられた展望台に上がり、
黒部扇状地を端から端まで眺めました。
奇麗に区画整理された田んぼが実りの色に変えようとしていました。
朝日岳、白馬連山の稜線がくっきり。
爽快な風を全身で受け止め、しばし我を忘れた瞬間でした。 

スケッチに来よう。

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 善き人のためのソナタ  | トップ |  ロベール・ドアノー写真展 ~... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

展覧会」カテゴリの最新記事