死神の浮力
2020-04-15 | 本
★死神の浮力
著者:伊坂幸太郎
出版社:文藝春秋
もし、自分の大切な家族や人が突然いなくなったら
たとえば、もし我が子が、凶悪な犯罪の犠牲になったら、
と、想像するだけでも耐え難いこと。
もし可能ならば、できるだけの反撃を加えたいと正直に想う。
物語はそんな人間の心情を題材に、ユーモアを交えて、恐怖や不安や希望を描いている。
死神千葉の再登場。
彼の任務は、対象となる人間と7日間行動をともにし、
その人物を死なせてもいいか否かを判断するということ。
前回よりもかなりハードでドライになっていると感じたが、
ハートフルな死神であることことに変わりはない。
前作映画《死神の精度》の金城武さんの姿や台詞回しが頭から離れず。
読書中もちらちら。
面白く読んだが、
ガチで感想をを言うならば、
《もうすこしテンポ良く》を期待したい。
いろいろコネタを挿入して無理矢理引き延ばしているのでは。
でも7日間の猶予があるんでしかたないか。
そこがこの物語のキモでもあるし。
いろいろ伏線を貼付けるのが、
伊坂さんの特徴でもあるし。