映画を観た。
★ウォールフラワー
原題:The Perks of Being a Wallflower
監督:スティーヴン・チョボスキー
出演:ローガン・ラーマン、エマ・ワトソン、エズラ・ミラー、メイ・ホイットマン、ディラン・マクダーモット、他
2012/アメリカ
スティーヴン・チョボスキー自らの原作(1999年にアメリカで発刊)を、脚本、監督として映画化したもの。この映画作品には、正直、感激しましたね。
映画作品として、ほぼ完璧に仕上がっていた。
成功の原因は、2つ。
まずは、監督が、文学的に成功した自らの原作を基に、映像化に向けて物語をシンプルに、テーマをわかりやすく、そしてここが肝心だが、年齢制限を受けないように脚本を練り上げたこと。原作の持つナイーブな雰囲気を損なわずエンタメに作り変え青春映画に仕上げたこと。それぞれのシーンがとても印象的に撮っている。映像的に美しいだけでなく、登場人物一人ひとりの台詞、表情を大事に捕まえ、しっかりした存在感を与え、映画世界にリアル感を感じさせてくれた。
2つ目は、3人のキャスティングが見事にハマったこと。この役のために3人は現れたような奇跡に近い自然さを感じさせた。3人それぞれが精神的に問題を抱えているが、個人の問題ではなく、それが誰にも見受けられる普遍的な若者の姿として自然に描かれていた。同世代として通じ合う、互いにリスペクトしあう、そんな3人の姿が映画の全てだといっていいくらい。
●ローガン・ラーマン。
《3時10分、決断の時》以来注目。あの時の子役よかったよなぁ。順調に成長している。
●エマ・ワトソン。
ようやくハリポタの呪縛から抜けだせそうか。チラチラ見せなくても大丈夫。次作も期待するぞ。
●エズラ・ミラー。
性格俳優としてこれからの注目株。
3人に共通するのは、それぞれに《独特の眼力》を持っていること。
《青春とは何だ》と言えば、
それはすなわち、「世界は無限だ」と感じる時間のこと。
荷台に立ったサムは、両手を広げる。
その姿を見ながらチャーリーは、「無限を感じる」とつぶやく。
いつか自分も体感したい。
そして、ラスト、チャーリーも、ピックアップトラックの荷台に立ち、両手を広げ、自ら《無限を感じる》と。
本当の自分を見つけた瞬間。