アベノミクスという言葉が流布している。アベノミクスは二人に一人は聞いたことがあるだろう。しかし三本の矢が何か言える人は二十人に一人も居ないのではないか。少なくとも私の外来では五十人に一人も怪しい。
ワンフレーズどころかワンワードポリティックスの世界に生きている気がする。安倍さんは能弁だけれども、内容は乏しく国益を考えてしっかりやるくらいしか言っていない。一体国益というのはどんな駅なのだろうか、乗降客は多いのだろうか、誰でも行くことが出来るのだろうか。其処までの切符は幾らなのだろう。
TTP、原発そして特定秘密保護法案と極めて重要な問題に今現在瀬戸際の判断が迫られているのに、自分には関係ないという人が多いようだ。六十年代を生きた自分には熱気というものが失われた(隠された)社会に生きているように感じられる。
日本は一言では言えない物事を一言で済ましてしまう病気に罹っているのではないかと思われてしまう。例えば格差社会と言われるけれども、その内容実態を問わないで、だから駄目だなんて言えるだろうか。格差のない国はないし、調べれば日本は格差の少ない国なのがわかるはずだ。
まあ、そう考えたところでいかんともしがたいと、私もまずは自分が大事と収斂してしまうのは、我ながらいかん。