先日、絵の仲間に連れられて珍しくバーへ行った。アルコールは月に一二度少量飲むだけで、居酒屋とかバーには滅多には行かない。当然なじみのバーや居酒屋はない。入り組んだビルの隙間を抜けて辿り着いた一枚のドアの向こうにはほの暗い別世界があった。7,8メートルはありそうなカウンターの向こうに蝶ネクタイのバーテンダーが佇ずみ、背後には百本はあろうかというウイスキーバーボン・・の酒瓶が勢揃いしていた。窓外には夜の闇にネオンが浮かび、室内には先客の声が浮かんでいる。よく読むダンチュ-の最後にバーテンダー紹介のページがあるが、こういう人達や店があるんだと斜め読みするだけで、なかなか足が向かうことはなかった。
目立たないドアの向こうに知らない世界がいくつもあるのだろうなと思った。それらを知らずに生きて来たことがちょっと残念な気がした。さて、これからどれくらい知らない世界を知ることが出来るだろう。