駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

折角のご馳走が

2018年12月17日 | 小験

                            

 

 風がなく冷え込みがさほどでもないのは救いだが、冬の雨の日に駅まで二十分の道のりを歩くのはちょっと辛い。雨天で七時はまだ暗く、車は皆ヘッドライトを点けており、濡れた歩道で反射し映画の一シーンのようだ。残念ながらジェイムスディーンならぬ年寄りが歩いていては様にならない。果て何時までこの道を歩いて仕事に通えるだろうかと思ったことだ。

 一昨日は妻と二人で街に夕食に出たのだが、入ったイタリアンの店が結構騒がしく、私が妻のオーダを中継した。フレッシュトマトとモッツァレラチーズとはいつもと違うなあと思いながら伝えた。私はトマトベースが好きなのでペンネアラビアータにした。ところが出てきたスパゲッティを見て妻が怒り出した。私はゴルゴンゾーラノ何とかかんとかを頼んだのよ、いやフレッシュトマトと言ったと口喧嘩になった。いつもと違うから変だなあと思ったけど確かにフレッシュトマトとモッツァレラと言ったと、こちらも負けずに言い張るとトラフグのように膨れた。もう結婚して四十五年になるのにこれだから嫌になる。当然ながら折角のアラビアータがもう一つの味になってしまった。水掛け論は様にならない。イタリア語では何というのだろう。トマト何とかとかワイン何とかとでも言うのだろうか。全くつまらんことで喧嘩になる。

 そんなこととはつゆ知らず、マスターは新顔と見て取り又お越しくださいと丁重に見送ってくれた。私はもう一度来てもいいと思ったのだが、さて相方は?。

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