今も存在するかどうか知らないが、以前はテレビで手の女優?がいたと思う。そうした記事を読んだことがある。手だけで女優と呼べるか微妙だが、物を差し出したりする手だけを写すのだ。
院長を退き、月に二回ほどレストランや割烹に家内と二人で出かけるようになった。そして気付いたのが手の造形美だ。先付けですスープですと料理を運んでくる女性の手が気になるようになった。私が絵を描くせいか、器を持つ手をじっと見てしまう。手が白く美しいことは意外に少ない。どうしても水仕事などを手伝うせいか、骨太だったり赤みがかっていたりする。お綺麗なと申し上げたい女将でも手まで美しい女性はさほど多くないようだ。なるほど、だから手の女優が居たわけだと納得している。美しい女優は数多居るが、手まで美しい人はどれくらい居るものか。三十年で受付嬢を延べ十二三人雇用したが、いわゆる容姿はある程度考慮したが手までには目が行かなかった。果たして、雇用のプロは手の美しさにも多少は気を配るものだろうか。