今日は沖縄復帰五十年の日だ。後期高齢者だから沖縄復帰と騒がれていた時の雰囲気は憶えているし、屋良朝苗知事の名前にも馴染みがある。その時は米軍統治だったから、単純に良いのではないか位の感覚だったと記憶する。五十年と言えば歴史的な考察に値する期間で、沖縄復帰が沖縄にとって日本にとってどのような意義のあるものだったか検証しなければなるまい。日本復帰といってもその内実は十分には明らかにされていないし、本土の多くの日本人が沖縄の問題を本当に身近に身内に感じているようには思えない。
戦後すぐ岐阜に生まれ育った私には沖縄は遠い存在で、顔つきも言葉も気候も違い生粋の日本人の住んでいるところではない感じがしていた。その感覚は今も完全には払拭できていない。
「我慢して生きるほど人生は長くない」という本の広告が載っていたが、五十年は一つの人生と言える期間、沖縄の正直な声が聞きたい。勿論、「人生は我慢しないで食べていけるほどたやすくない」も真実で、恐らく沖縄にも理想と現実が渦巻いているだろう。本土では理想の声はしても現実の都合が優勢と診ている。