駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

あまり表に出ないが

2022年08月20日 | 医療

             

 

 コロナの陰に隠れ問題として浮かび上がらないが、高齢者の一人暮らしが増えている。勿論、元気なら一人暮らしに何の問題もないが、人は老いるので問題が出てくる。脳が衰えても身体が衰えても自立した一人暮らしは困難になる。日本は親子関係が濃いように思われているかもしれないが、実態はそうでもない。四半世紀前から家庭での老人介護負担を軽減しようと整備されてきた介護システムへの負担が大きくなってきている。

 親が子を思うほどには子は親を思わないというのは厳しい現実で、お子さんが親の面倒を見ない症例が出てきている。極端な場合は自立した子供が居るのに高齢者が生活保護で一人暮らしをしている。数は少ないが子供ではなく甥や姪が、自立困難になった高齢者をどうすれば良いかと相談に来る症例がある。医院では話は聞いてもそうした症例に薬や注射はないので、ケアマネージャーや地域包括に依頼することになるのだが、いつもスムースに事が運ぶ訳ではない。今はコロナ下でそうした高齢者が転倒したり食事摂取が減っても簡単に入院できなくなっている。本当に困ってしまう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする